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一年に二回スタジアムでライオンズを観る目標は昨年未達に終わった。
そのため今年も同じ目標を立てて臨み、
8/8(土)京セラドームでのオリックス・バファローズ戦と
9/26(土)西武プリンスドームでの東北楽天・ゴールデンイーグルス戦に行ってきた。
(以後ホームスタジアムのことを子供の時分よりの馴染みのある「ライオンズ球場」と呼ぶことにする。)
しかし、3月末開幕に対し、初めて観に行くのがオールスター明けの8月なのだから、
この日付から考えると、まともにライオンズを応援しようとする気がないように見える。
本当にライオンズファンなのかも疑わしく感じるかもしれないが、
ベルとライオンズを天秤に掛けるとベルに傾いてしまう現状、
まずベルを優先し、次にライオンズをとなってしまうので致し方ない。
しかも、仕事の予定とも全く噛み合わなかったので、
今年も目標断念かと諦めかけていた中での目標達成だったから、
まだ試合を観に行ってもいないのに、
よく都合を付けたと自分で自分を褒めてあげたい気分となった。
今年のライオンズは開幕ダッシュに躓くことなく順調に滑り出し、
パシフィックリーグのチームが全て優勢になり、
五割で乗り切ってもリーグ内順位が下がるという奇妙な現象が毎年起こる交流戦も
試合数が24から18に減ったせいか無事に乗り切り、
二位争いをしながら四位にはかなりのゲーム差を付けていたので、
シーズン半ばだったが、クライマックスシリーズ(CS)出場は確実で、
あとは順位をどこまで上げられるかだなと楽観していた。
けれども、この気持ちがいけなかったのか、ここから怒濤の連敗に陥ってしまう。
連敗初めはすぐ止まると思っていたが、
いつまで経っても止まらない敗戦の結果を見続けている内、
私が観に行く8月には連敗が止まっているよなと心配になってきた。
その間、ライオンズ球場に試合を観に行った母曰く、
リードしていたのに、ともみ(高橋朋美)が出てきたら勝てる気がしなくて、
案の定、打たれて逆転されて負けちゃったのよ、とのこと。
リリーフピッチャーが打たれれば負けるのは当たり前であるが、
全てともみのせいではあるまい。
負ける時は打線と投手陣とが噛み合っていない時であり、
今年はそれが顕著だったに過ぎないのだが、あまりに負け続けるので、
私が観に行くまでに連敗が止まっているか、日に日に憂いが増していた。
幸い、連敗は私が観に行く前に止まったので、前に記した憂いも収まったが、
ここで数字を挙げるのも嫌なほど負けを重ねに重ね、
2位はおろかCS出場も絶望的な状況となってしまった。
そんな状態なので、先ほど使った「幸い」という言葉は適切でない。
決して「幸い」ではない。
けれども、シーズンは終わっていないのだから、諦めるにはまだ早すぎる。
何とか気を取り戻して、8/8昼過ぎに家を出て、京セラドームへ行った。
しかし、と言ってよいのかわからないが、
連敗が止まったとはいえ、好調とは程遠いチーム状態そのものが現れた試合となった。
試合序盤は調子が良かった。
この日誕生日を迎えた森友哉のタイムリーなどで、3−0とリードし幸先良く滑り出した。
けれども、先発でマスクを被り三点目のタイムリーを打った岡田雅利が
負傷退場したところから流れがおかしくなってきた。
投手陣も先発の野上亮磨が毎回ランナーを出すピリッとせず、
これは長くは持たないなと思うに至った。
ベンチも同様に判断したせいか、6回から岡本洋介、高橋朋美、増田達至と
一人一回ずつをヒヤヒヤもので抑えて何とか8回を終えた。
翻って攻撃は決して調子が良いわけではない先発の西勇輝を打ち崩せず、
二回以降は音無し状態が続いていたので、とても楽しめる展開ではない。
それでも勝ってくれれば良しと、だらだらと時間だけを要した試合を
愛想を尽かさず席も立たず観続けていた9回裏のマウンドに
牧田和久が上がったのを目にし、気持ちが少し高まった。
彼のオーセンティックユニフォームを購入し、
それを纏っての昨年の観戦では良いところなく負けてしまったので、
挽回する機会が出来たのは正直嬉しく、
この試合で、一番安定で信頼置ける選手が出てきたと思い、
じっとしていられなかったこれまでの心の持ち様に落ち着きも感じられ始めた。
しかし、その気持ちは目の前で見事に打ち砕かれ、
逆転サヨナラ負けする瞬間に居合わせることになってしまった。
この光景にしばし呆然となり、次第に、これまで席に座っていた4時間を返せ
とのどこにぶつけたらよいかわからない憤りが込み上げてきた。
長いシーズンこういう試合もあるのはわかっていたつもりだが、
実際目の当たりにしてしまうと、すぐに気持ちを切り替えるなぞ出来ようはずもなく、
憤然やる方ない。
また、牧田のオーセンティックを着て、
彼自身が敗戦の責任投手で二連敗したというのも何とも縁起が良くない。
こんな結果となってしまったので、その夜は祝杯予定から転じたやけ酒を煽る羽目となった。
スイスから帰国した翌日9/26、ライオンズ球場に行く前、
関西の自宅へ海外出張の荷物を送るため宅急便の取扱店に寄ってから最寄りの駅へと向かった。
この日の観戦を決めてから、
スタジアムで纏うオーセンティックや帽子、マフラータオルをどう持って来ようかと考え、
9/13(日)駒場遠征時の荷物の中に加えて、
9/14(月)出社前に立ち寄った両親宅にベルグッズと共に預けておいた。
父と二人で乗り換えて着いた池袋の西武百貨店で昼御飯を買い、
西武池袋駅始発の西武球場前行き準急に乗り込んだ。
終着の西武球場前駅の改札口の位置からすると、
先頭車両に乗るのが一番便利であり、そちらの方へ歩いて行くと、
もうすでにユニフォーム姿の人たちが何人も電車を待っている。
同じところに行くのが丸わかりの光景に、これからホームへ行くという感じが増してくる。
ライオンズ球場へ行く際、いつも西武池袋駅のホームに立つと、
仲間の姿がありありと映るので、一体感や安心感を覚える。
けれども、不思議なもので、池袋に着く前は彼ら彼女らの姿を目にしたことはないので、
結集の最初の地が西武池袋駅なのだろう。
私たちが乗った電車が目的地へと近づくにつれ、
同じ格好をした人たちが次々と乗り込んで来て、
ライオンズファンが如何に西武線沿線に集中しているかがわかる。
やがて電車は西所沢駅から単線の西武山口線へと入り、
しばらくすると、目的地の西武球場前駅に到着した。
改札を出ると銀色のドームの屋根が見えるが、
周りの環境やスタジアムまでの緩やかな坂道など
その他は昔と変わりなく、これから試合が始まるというワクワクした気持ちの中に
落ち着いた感じも覚える、私にとって、まさしくホームである。
辺りで売られているグッズを色々と見て回ってからスタジアムに入り、
外周のスロープを観客席やその下のグラウンドを見下ろしながら自席へと進む
他のスタジアムとは違うこの構造も、
昔からの馴染みのせいか、気に入っているところである。
ライオンズ球場に来ると好んで飲んでいる狭山茶を買い、
試合前の練習やイベントを観ながら昼食を食べ、
いつもと変わらぬ姿勢で過ごしていると、頭の方も段々と重さがなくなってきた。
時差呆けも解消しつつあるようである。
始まったこの試合の先発はルーキーの高橋光成で、
連敗の真っ最中あたりから一軍に上がり、良いピッチングを続け、
8月の月間MVPにも選ばれる活躍をするライオンズ期待の投手である。
ドラフト一位で入団したのは知っていたが、活躍するのはまだ先だろうと思っていた。
そのため、この活躍は驚きなのだが、
振りかぶった際、帽子を後ろに飛ばして笑いを取る投手が目立つのが久しい近頃、
帽子を前に飛ばして投げる、躍動溢れる感じのする久しぶりの投手だったので
彼を観るのをとても楽しみにしていた。
この日は適度に荒れた勢いのあるボールをテンポよく投げ込み、
イーグルス打線に的を絞らせず、次々と抑え込んでいくピッチングを小気味よく感じた。
けれども、こういう時に限って、打線は森の先制ホームランによる一点だけしか取れず、
決して調子の良くなかった則本昂大からあと一本が打てず、1−0の状態が続く。
この展開に、私の斜め前に座った老人男性は、中村剛也が打席に立つ度に、
「お前のホームランを観に来たんだよ!」
と低く透る声で檄を飛ばしていたが、凡退が続いていた。
また、この日の球審は外角低めの良いコースを全くストライクと判定せず、
両チームに対してそうだから仕方ないか、と口にしつつも隣の父親と共に首を傾げ続けた。
8/8とは対象的に、あっという間に進んだイニングは進み、
7回裏ヒットで出た森に代走として熊代聖人が出され、
8回表からメヒアに変わって鬼崎裕司が守備固めで入った。
この交替にまだ一点しか獲っていないのだから、逃げ切るには早すぎると心配していたところ、
先頭打者に二塁打を打たれ、それをバンドで進められ、ワンアウト三塁のピンチを迎えてしまう。
しかし、光成は次の代打を三振に仕留め、あと一人で乗り切れるところまで来た。
打たれてもいいからこのまま続投で行けと思っていたところ、
ベンチが動き、ここでよりによって牧田が出てきた。
彼には何の落ち度はないのだが、これまでの事を思い出すと悪い方に考えてしまう。
こう思ってしまうと、何かを引き起こしてしまうのだろうか。
これまでストライクを取っていなかったあの外角低めのコースに投じたボールを
突如主審がストライクとコールし、父と二人して驚いた。
フォームが変わった投手が出てきたから、球筋が変わって見えたからなのか。
その困惑で頭が一杯の中、次に投じたボールを打たれ、同点に追い付かれてしまった。
リリーフに出てきた牧田がまたしても目の前で打たれる展開に、
身に纏っている彼のオーセンティックやマフラータオルがいけないのだろうかと、
縁起などという科学では立証できないものを信じざるを得ない展開に頭が痛い。
その後の打者は打ち取って8回表を終えたが、光成の勝ち投手の権利を消してしまい、
どうせ同じ結果になるのなら、光成が打たれた方がましだったと思ってしまう。
しかも、メヒアと森が交替でいなくなった迫力の落ちた打線では逆転が難しいと思うと、
またしても勝ち試合を観られないのかと頭を抱える気になった。
でも、と逆説の接続詞が何度も出て来るのがこの試合で、
8回裏から替わった青山浩二から先頭の渡辺直人がヒットで出塁し、
栗山巧がバントで送り、次の四番中村が敬遠となって、ワンアウト一、二塁となった。
ここでイーグルスは青山からクルーズに替わったが、これが采配ミスだったと思う。
力のあるクルーズに対して、決して力があるとは思えない鬼崎がヒットでつなげ、
この試合良いところなく凡退を重ねた浅村栄斗に満塁で打席が回る。
守備固めからの出場なのに、よくつなげた鬼崎!と喜び、
折角みんなでつなげてきたのだから、打てよ浅村!と一番力を入れていると、
スタジアムに駆け付けたライオンズファンの気持ちが伝わったのか、
満塁ホームランを放ち、5−1と一気に試合を決めた。
スカッとする以上の状況に席を立って大はしゃぎして喜び、
ホームへゆっくり駆けて戻って来る浅村を拍手で迎えた。
9回表は増田がランナーを出したものの無失点で抑え、ライオンズが勝利した。
試合後のヒーローインタビューは森と浅村の二人が出てきたが、
勝ちは付かなかったが、光成を上げても良かったのではと内心思った。
このインタビューを観てから席を立ち、スタジアムを後にするため、
人混みの中のスロープをゆっくり下っていると、
試合結果をアナウンスする声が聞こえてきて、
勝ち投手牧田との声に私だけなく周りの仲間からも失笑が漏れていた。
打たれて、勝ち投手となるなんて。
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