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眼皮膚白皮症診療ガイドライン作成委員会, 2014,「眼皮膚白皮症診療ガイドライン」『日本皮膚科学会雑誌』124(10): 1897-911.
つい先日、この先更新しないだろうと書いたばかりなのに⇒、ちょっと気になるものを見つけたので更新します。 さて、博士論文を書き終えてから、この類いの文献をフォローするのを怠ってたら、いつの間にかガイドラインなるものができてました。 リンクをクリックするとPDFで全文閲覧できます。 読んでていちいちカチンとくるところもありますが、まあ最新の情報(2014年だけど)を知るにはいいかもしれません。 まず、冒頭に「治療の方向性をここにまとめることにより、眼皮膚白皮症患者に勇気と希望をもっていただく手助けになることを希望する」なんてことが書いてますけど(p.1897)、そのつもりで読むと期待外れになります。 おそらく、今のところ根本的な治療法はありませんので、ご安心ください⇒ ⇒ ⇒ ⇒。ただし、度々ネタにしますけど、ブラックジャック先生は別格です⇒。 しかしまあ、お医者さんのお仕事は基本的には病気を治すことだからしかたないけど⇒、治療なんてできなくてもふつうに生きてますよってところには発想が向かないんでしょうか。 患者に希望を与える方法は治療が一番で、そのほかにいくらでもある選択肢については二の次三の次、あるいは眼中にないんですね、きっと。 「病気の患者」を診たことはあっても、「生活している当事者」には会ったことがないのかな。『アルビノを生きる』でも読めばいいのに⇒。 それから、「疾患特異的な治療が行われていない現状を理由に、遺伝子検査を勧めない医師や進んで受けない患者がいる」ことを問題だと感じているようで、みんな検査をしたほうがよい的なことも書いてます。実際、けっこう面倒くさいらしいんですけど⇒。 いやでも、遺伝子検査の必要性を感じるほどに困ってなくて、痛くもかゆくもないんだったら、そんなのいらなくね? と思ってしまいました。 少なくとも、遺伝タイプがどうだこうだなんてのは、生活していくうえでは必要な情報ではないです。 一人一人が進んで遺伝子検査をして、その蓄積によって「治療が開発される基礎データの一つになることは強調されてよい」なんて書いてあると(p.1904)、あー、僕らはサンプルなのね、と思っちゃうわけです。 とまあ、ないものねだり的な(そういう職業の人に求めても無駄な)文句をつけましたが、それでも、QOL向上のためのロービジョンケアや紫外線対策などの生活指導についてコンパクトにまとめてあり、そっちのほうは役に立ちます。 日本皮膚科学会の雑誌に掲載されているのに、ちゃんと眼症状のこともフォローしてあるのはグッド。 皮膚科へのアンケート調査の結果から、皮膚科医が眼科を紹介するといったフォローアップが、現状では十分ではないことも問題提起されており(p.1899)、今後の改善に期待をもたせてくれます。 もうひとつ、セルフヘルプ・グループの存在や、当事者と家族が自主的に開催している交流会のことを書いてくれればなおよかったのですが、知らないんならしょうがないですね。 その点、セルフヘルプ活動をやってる当事者に会ったことのある医師は、当事者たちの活動もちゃんとフォローしてるバランスのいい文章を書いてるんですよね⇒。 それから、細かいことですが、生活指導のところに一言だけ「カモフラージュメイク」って書いてあります(p.1904)。 アルビノについての文献はさんざん読んできましたが、医学領域でこの点に言及しているのは初めてだと思います(教育学・リハビリテーション学領域の文献では「整容としての化粧や染髪」と書いてあるのがいくつかありましたが⇒ ⇒)。 あと、どうでもいいことだけど、こうしてPDFで誰もがアクセスできるようになるのは素晴らしいとして、でも結局、読むときはプリントアウトするんですよね。 |
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