|
なかなか知ることのできない戦前〜戦後のアルビノの人たちの生き様を描いている本があります。それぞれ「アルビノであること」がメインとは言えないのですが、それをメインにした本がほとんどないのだから、とても貴重です。なお、この人たちがどんな教育を受け、どんな仕事をしていたのかは、こっち⇒ ⇒にまとめました。
鵜飼正樹, 2000,『見世物稼業――安田里美一代記』新宿書房. 人間ポンプとしても有名で、「最後の見世物小屋芸人」と呼ばれた安田里美さん(1923〜1995)に密着し、彼の生い立ちや芸を習得した経緯、見世物興行の舞台裏などなどを描いたエスノグラフィーです。「白い頭の子」として見世物小屋の興行主に引き取られた安田さんが、どんな経験をして芸人として大成していったのかが、安田さん(と周囲の人びと)への聞き取りと詳細な文献調査から明らかになります。 ですから、この本のメインは「見世物小屋芸人としての」安田里美であって、「アルビノとしての」ではありません。とはいえ、読みごたえはあります。 瀬越純, 2000,『翔ばたかせ生命――ある視覚障害者の自伝』三一書房. 戦前生まれのアルビノの男性が、戦時中のことや盲学校での生活、ピアノ調律師になるために留学した経験、貸しレコード店を開業した話などをまとめた自伝です。 サブタイトルにもあるとおり、「アルビノとしての」のうち「ある視覚障害者としての」側面がメインに描かれています。なお、ピアノ調律師になったり貸しレコード店を開業したパイオニアだそうで、音楽に関する話題も豊富です。 及川清美・及川のり子著, 森浩義編, 2009,『おれは失敗作か』共同文化社. 脳性麻痺の男性(1946年生)とアルビノの女性(1945年生)とが福祉施設で出会って、結婚して、家庭を築いていくまでを描いたノンフィクションです。扉ページ裏とあとがきにも書いてありますが、夫の口述を妻が筆記した原稿と、二人がやりとりした手紙、編者による聞き取りをもとに構成した本です。 帯の紹介文やあとがきによれば(帯つきの画像がありませんでした)、もともとは夫の人生を中心にして、特に「障害者の結婚」というテーマにフォーカスして進めていた本のようですが、途中で予定変更して、重要な伴走者である妻の人生にもけっこうな紙幅を割いています。 なお、ご夫婦のブログもあります。 |
全体表示
[ リスト ]


