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何がすばらしいかって、国立国会図書館近代デジタルライブラリーです。100年ほど前のグロテスクな治療法を見つけました。発想としてはブラックジャック先生とよく似ていますが⇒、目に限定してます。以下、旧字体は新字体にしてます。
堤友久編, 1912,『最近結膜下注射療法』南山堂. この中で「白児ニ於ケル眼球結膜下入墨法」というものが紹介されています(p.167-8)。名前だけですでに怖いですね。 内容は「河本博士」が1906(明治39)年に『日本眼科学会雑誌』に発表した論文を紹介したものです。「眼球及ビ附属器ノ色素欠乏ニ起因スル視力ノ改善」と「羞明ノ防遏」を希望して来院してきた「白児ナル十六歳ノ男」に対して、一方の目には「角膜周囲ノ眼球結膜下及ビ上下眼瞼ノ皮膚ノ深部即チ殆ド軟骨下ニ墨ヲ注射」して、もう一方には「眼球結膜下ヲ広ク左右ニ剥離シテ水ニ混和セル炭酸塩(オシロイ)ヲ注射」したのだそうです。なぜに左右で違う処置をしたのか疑問は尽きませんが、視力が「上昇スルヲ得タル」と効果があったと書いています。 なお、その他に海外の事例として1908年に「ガルチール氏」も同様に「白児ノ角膜全周囲ノ眼球結膜下ニ支那墨ヲ注射」したと報告してます。 小川剣三郎, 1923,『眼科手術(改訂7版)』吐鳳堂書店. ここでも同じ「河本博士」による「白児眼ニ於ケル眼球結膜下墨汁注射」の紹介をしてます(p.226)。内容は同じですが、こっちは出典を明記しているので、「河本博士」のフルネームが「河本重次郎」ということがわかります。 で、「河本博士」は効果ありと言ってますけど、実際のところは怪しいというか危ないと思うのは僕だけではないと思います。 原田政美編, 1971,『視覚障害(リハビリテーション医学全書12)』医歯薬出版. リハビリテーションの本ですけど、「白子」の説明のところで次のように注意を促しています(p.157)。「以前、羞明を避けるために、瞳孔に相当する部分を残して角膜に入墨をすることがあったが、そのために角膜が混濁してかえって視力障害が増悪することもあるので、手術はしない方がよい」だそうです。 現在はこんな危ない方法はとられてないと思いますし、遮光用のカラーコンタクトのほうが安全で効果的ですよ、きっと。 |
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