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医学は、予防医学、治療医学、リハビリテーション医学の3段階で病気や障害に対処するそうです(原田編 1982: 54)。つまり、まずは生まれてくるのを予防し、生まれてしまったなら治療し、治療できないなら教育・訓練して健常者に近づけるという三段論法での障害の否定ですね。
アルビノの場合、もっぱら予防医学の対象と見なされてたけど実際は効果がないとわかっていたし⇒、優生思想だと批判されたくない人たちは最近はあまり大胆な発言を控えているようです⇒。治療医学は今も昔もほぼ無力で⇒ ⇒、なんとかできるのはブラックジャック先生だけです⇒。一方で、リハビリテーション医学のなかの特に弱視教育においては、効果ありとされてました⇒。
医学には治療至上命令という目的があり、治すべきものとそのままでよいものを線引きすることから出発します(佐藤 1995: 13)。例えば、アルビノは最も古典的なメンデル遺伝病のひとつですが⇒、メンデルの法則に従って遺伝する形質のうち、臨床医学的に診断、治療、発症予防の対象になるものを便宜的にメンデル遺伝病と呼んでいるにすぎません(香川・笹月編 2000: 21)。治療や予防の対象にならない血液型や耳あかの乾湿はメンデル形質と呼ばれ、アルビノや血友病はメンデル遺伝病と呼ばれてるだけです。
医学は、ある状態を「これは異常だ」「あってはならない存在だ」と否定するところからしか出発できなくて、しかもその正常/異常の判断は科学的というよりも社会的・文化的なものです。なんか救いがない話です。
参考文献
原田政美編, 1982,『リハビリテーション医学全書12 視覚障害(第2版)』医歯薬出版.
香川靖雄・笹月健彦編, 2000,『岩波講座現代医学の基礎9 遺伝と疾患』岩波書店.
佐藤純一, 1995,「医学」黒田浩一郎編『現代医療の社会学』世界思想社, 2-32.
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