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病院から電話がかかりました。 「空きベッドができましたから、○月○日に入院して下さい」 病気への悲壮感はありません。 でも、実母に託すとはいえ「彼」をおいていくことは、後ろ髪をひかれる思いです。 まだ幼い「彼」に、どのように伝えれば良いのか。。 正直、かける言葉を失っていました。 感染等の防止のため、子供の面会は病院で禁じられていました。 子供がかわいい盛りに空白期間を作るのは、罪の意識さえ生じます。 詳しく明かされない病状と、100%生還の保証がないことが、私の言葉を奪っていました。 その後。。 約40日間の入院期間を経て、家へと帰れる日が来ました。 養生のため、実家へ帰るのです。 そこには、預けてある「彼」もいます。 1ヶ月以上も顔を見なかった、「彼」に会えるのです。 再び会える喜びと、拒否される怖さが交錯します。 どのような感情を抱いて、「彼」と対面したのか。。 残念ながら記憶がないのです。 それほど私の体力は弱っていたのです。 否、喜びを思い出せないほどのショックが、私を襲ったからかもしれません。 1ヶ月以上の月日は、「彼」の生活パターンを全て変えていました。 実母の傍らで眠る「彼」を見て、呆然としました。 私と一緒でしか眠らなかった「彼」が、もういないのです。 遊んでもらおうと「彼」が歩み寄って来ても、実母から制止されます。 私にとっても、傷の痛みに耐えて「彼」と遊んでやることは、不可能です。 もう母親としての私の役割は、どこにもありませんでした。
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2006年06月24日
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