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フォーディズム=フォード・システムの特徴は,「計画と実行の分離」です。「事務職員層に指揮・管理権限を集中し」「経営者側が決定した内容の忠実な実行を労働者に要求する」というものです
《第一に,テイラーシステムとは,熟練労働者による「組織的怠業」を防ぐためF・W・テイラーが体系付けた一連の作業研究を指すが,ブレイヴァマンによれば,その本質は経営側が生産過程を統制するために,労働側から決定権を剥奪することにある。すなわち,科学的管理法は,要素作業研究に基づく仕事の細分化を基礎にして,標準作業方法および標準作業時間を設定することで,経営側が労働者の保持する生産過程に関わる「知識」を剥奪し,その「知識」を用いて労働者を「統制」したのである。》(永田,瞬“トヨタ生産システムは構想と実行の「再結合」か?” 『季刊経済理論』, 43(2): 47-57 ) 《フォード・システムは,労働者の「熟練」・知識の解体というテイラーシステムのねらいを基本的に継承しつつ,作業方法・作業スピードに関わる労働者の「決定権」を「機械」=ベルトコンベアーの採用によってより本格的に喪失させたのであって,先に見たテイラーシステムにおける「熟練」の解体,構想と実行の「分離」の発展形態である》(同上) これに対してボルボイズムなどに代表されるポスト・フォーディズムの特徴は、フォーディズムが分離した計画と実行を再統一することにあります。すなわち現場労働者への決定権の委譲です。
《品質やエンジニアなどに関する業務の一部が,従来のスタッフ部門(ホワイトカラー)から,作業ティーム(ブルーカラー)に移されてきており,この傾向は今後もいっそう進むものと考えられている。エンジン・プリアセンブリー職場のDLによれば,「だんだん工場の作業が面白くなってきている。ネジを回すだけではなくて,いろいろな責任を引き受けるようになっており」,「5年,10年たてば,もうホワイトカラーの仕事はなくなっている」という。また,同じ職場の年輩の労働者は,「組み立てて,売ることも自分達がやればいいのだ」と語っていた。こうした発言は,やや誇張されているとはいえ,ボルボ社全体で事務所でも工場でも職種の境界線をなくそうという方針がとられていることから明らかなように,今後,ブルーカラーとホワイトカラーの仕事の融合が,確実に進むものといえよう》(浅生 卯一”スウェーデン自動車産業における生産システムと賃金制度”『大原社会問題研究所雑誌』,1999/03,通号 484, pp. 1〜19)しかし,このような大工業のアソシエーション的な生産様式としての本性の発揮は,資本主義的な生産関係によって妨げられます。 |
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