"やいたもん"の文学館

大きな人生の転機がありました・・・

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少し、更新出来ない期間が長くなりましたが、
実は、ある事情により、個人的に大きな人生の転機を急に迎える事になり、
今、かなり精神的に混乱した日々を送っています。
今後、どうしたら良いのか、分からなくなるような大きな事です。
失業したとか、あるいは離婚や失恋の類いがあったとか、
または病気や事故にあってしまったとか、そういう事ではありません。
今回、私に起きた出来事は、世間的にはそうではないかも知れませんが、
個人的には、そんな事柄すら次元が低く思えてしまうほど精神的に大きなものでした。

正直、今、ものすごい葛藤を抱えています。
その出来事により、今の私は目の前が真っ暗になっています。
いや、真っ白かも知れません。
そして、全身には、ものすごい脱力感があって、
気持ち的には、どうでもいいやみたいな、自暴自棄に近い状態にあります。

ただ、このブログだけは、更新していこうと決めました。
なぜと言われるとうまく答えられませんが、
暗鬱な自分の心の光明が、このブログを更新する事で見えてきそうな気がしたからです。
とにかく何かしなくちゃ・・・
そんなわらにもすがる思いでそう思った・・・と言う事もあるかも知れませんが、
そんなわけで、これからは、今まで以上に不定期な感じになると思いますが、
このブログは更新していこうと思います。
何とか、今年中に「十二御前」は完結させたい・・・そう思っています。

久しぶりの雑記でした・・・

第42話 命を下さい

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その後、岡本正親は、隠居して家督を弟の対馬守氏宗に譲り、
自らは、清四郎、清九郎の子らを伴い皆川の地に赴き、皆川家に仕えた。
そして、岡本家の封じ込めに成功した大沢康勝は、
今度は、その矛先を山田家に向けるのである。

そんな頃、昭安は、昭信と共に高野山に帰る支度を始めていた。
しかし、それはいつもとは違うものであった。

和尚「そうか。受けてくれるか。」
昭安「はい。ここに骨を埋めようと決めました。」

以前より拒み続けていた円満寺住職就任の件を
昭安は、ついに受ける事にしたのである。
この時、昭安は34歳。人間五十年と言われたこの時代、
そろそろ、自らの定めるべき道を決めなければならない歳になっていた。
円満寺の和尚も老齢となり、
そろそろ跡継ぎを決めなければならない事情にも迫られていた。
ただ、それ以上に娘の澄の事があった。
澄も18歳になり、この時代であれば、すでに結婚して子を成していてもおかしくない歳だった。
なのに、澄は未だに縁談に踏み切らず、その意欲も無いように昭安には見えた。
昭安は、寺を継ぐにしても、いずこかに嫁ぐにしても、
澄には、何とか女として幸せになって欲しかった。
そんな思いで、今年は昭信を連れてきたが、
昭安が沢観音寺から戻ってみると、澄と昭信は、
昔の自分とキミを思い出すかのような姿に見えた。
それは、親馬鹿にした妄想であったかも知れなかったが、
自分がここを継ぎ、昭信を澄と娶わせ、それで昭信が寺を継いでくれれば、
澄も、女としての幸せを得られるだろう。
そんな事を思い、昭安は、寺を継ぐ事を決意したのだった。
昭信も、昭安が住職になる事を決意すると、
自分も昭安に従い、円満寺に入る事を決めたのだった。

そうとは知らない澄であったが、
昭安と昭信が円満寺に入る事を大いに喜んでいた。
昭安と昭信は、今年は円満寺に入る許しを得るために高野山に帰らなければならなかったが、
来年の今頃は一緒に暮らす事が出来る。
そして自分は、そんな2人の支えになりたい。
そう思うと、澄は、幸せな気持ちになれるのだった。
ただ・・・それまで皆無事でいられるか、不安で仕方なかった。
いつ何があってもおかしくない戦国の世。
昭安と昭信が、旅路を無事に往復して帰ってこられるかの保証もない。
この山田の地だって、いつ那須勢に蹂躙され、戦場となるか分からない。
今まで大丈夫でも、明日どうなるか分からないのが今の世だ。
せっかく幸せな未来が見えたというのに、
それが壊されるのではないかと、不安に駆られてしまうのだった。
いや、幸せな未来が見えたからこそ、
今までの不安が、より一層強いものになってしまっていた。
出来れば、高野山に帰らず、このまま円満寺に残って欲しい。
澄は、そう強く思っていた。
しかし、帰って許しを得なければ、住職になる事は出来ない。
昭安と昭信が高野山への帰途の旅路に出る日にちが決まって、
澄は、そんなジレンマに苦しんでいた。

それは、昭安と昭信が山田を旅立つ2日前の事だった。
葛藤に耐えられなくなった澄は、
夜、六角堂に昭信を呼び出したのであった。
逢引きである。
澄は、それと分かられても、昭信を呼び出さずにいられなくなっていた。
昭信もまた、それと分かっていながら、
僧として、その誘惑を振り切る事は出来なかった。
一時とは言え、別れが近くなって、
2人は、その気持ちに嘘をつけなくなっていたのである。
深夜、2人は、真っ暗な道を月明かりだけを頼りにして抜け、
六角堂にやってきて堂に入った。
そして2人は、何も言わず、堂の中で強く抱きしめあった。

 澄「昭信様・・・」
昭信「・・・・」

僧でありながら・・・それを支えなければならない身でありながら・・・
そういう罪悪感は互いにあったが、もう止められなかった。

 澄「昭信様、私は、もう別れるのが辛うございます。」
昭信「来年には、必ず帰ってまいります・・・」
 澄「信じています。けれども、信じていても辛い・・・
   待つのは、もう辛いのです・・・」

昭信「・・・・」
 澄「だから・・・私に、昭信様の命を下さい。」
昭信「・・・・」
 澄「昭信様のお子が欲しいのです。
   だから、私のお腹に命を下さい。
   私は、そのぬくもりで昭信様を思い待ちます。
   そして、昭信様が帰ってきた時、
   子供と共に、昭信様をお迎えしたいのです・・・」

昭信「澄殿は、それで良いのですか?
   もしかしたら、その子は、澄殿のようになってしまうかも知れないのですよ。
   もちろん、私は、帰ってくるつもりですが、もし帰れなかったら・・・」


すると澄は、一瞬押し黙ってしまった。
昭信は、澄の気を害してしまったかも知れないと思ったが、
少しして、澄は言った。

 澄「今、私は、母の気持ちが分かるような気がするのです。」
昭信「・・・・」
 澄「なぜ、命をかけてまで私を生んでくれたのか・・・
   母が13歳で悟った事を今更だけど・・・分かった気がするのです。
   だから、気持ちは変わりません。
   もし、昭信様が私を思ってくださるのなら、
   昭信様の命を私に下さい。」


昭信は、澄を強く抱きしめて言った。

昭信「私は、澄殿を思っています。
   しかし、ここは御仏の前・・・
   こうして逢っているだけでも御仏の教えに逆らうものです。」

 澄「だからこそ私は、ここで命をいただきたいのです。
   もし、御仏の怒りに触れれば、私と昭信様は、
   約束を果たせず、そのまま命を終わらせる事でしょう。
   しかし、もし御仏に許されるなら・・・
   私と昭信様の子供はきっと・・・
   私は、命を賭けて命をいただくつもりです。」

昭信「・・・ならば、私も命を賭けましょう。」

そして昭信は、自分が僧であり、そこが御仏の眼前である事を知りながら、
全てを覚悟して、しかし男として、澄を愛して、
自らの身を澄の体に埋めていったのだった・・・



※画像
山田字六角堂付近は、山に向かって緩やかに登る地形で高台になっている。
城跡で言えば少し広めの腰曲輪のように、段々畑があって、
民家はほとんどないが、この地形が、六角堂を始めとする行人寺の名残りであろう。

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