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報道は、する側もされる側も対等であるべき・・・
ある日、そのように宣言したギブギブは、報道する側のプライバシーについて、
報道される側と同レベルで、それをネットなどで公開する活動を始めた。
ある政治記者が、政治家の年金未納問題を記事にすると、
その翌日、ギブギブは、その政治記者の年金納付データを公開し、
その記者の未納問題が発覚して、政治家と共にバッシングを受けた。
ある芸能記者が、芸能人の不倫疑惑をすっぱ抜くと、
その翌日、ギブギブは、その芸能記者の過去の恋愛遍歴を公開し、
その記者の不倫問題が発覚して、芸能記者は不倫相手の配偶者から訴えられ、
記者活動も、事実上の廃業に近い長期謹慎に追い込まれた。
それだけでなく、アナウンサーやコメンテーター、
あるいは報道番組を作るスタッフや新聞会社の社員など、
あらゆるメディアの個人情報が、ギブギブによって暴露されていった。
これに対して、マスコミ各社は、
報道の自由を侵害する不当行為だ!!
・・・などと訴えたが、世間の目は冷たかった。
他人の問題を追及する以上、追及する側が同じ土俵に立たされるのは当然であり、
他人の事を言えないようなやましい奴に、
他人の問題を追及する資格は無い・・・それが世間の答えだった。
もちろん、プライバシーを侵害されたマスコミ関係者は、
続々とギブギブを相手に訴訟を起こした。そして、裁判にことごとく勝利した。
また、マスコミは、ギブギブを挑発もした。
ギブギブも我々のプライバシーを報道するなら、自らのプライバシーも公開するべきだ!
しかし、ギブギブは、その実態すら不明な組織。
いくら裁判に勝利しても、のれんに腕押し状態で、
ギブギブが、一方的にプライバシーを公開する状況は変わらなかった。
プライバシーを暴露された事により、マスコミを去る者が多く現れた。
人々から信頼されなくなり、仕事を果たせなくなったためだ。
だが、逆に自分から、後ろめたいプライバシーを公開して、
堂々と活動する者も現れた。
「私は、過去に不倫をしてました。若い頃には二股交際もしてました。
だから私は、不倫をしている人を見極められ、その気持ちも充分に分かります。
だから私は、芸能リポーターになりました。」
そのように宣言した芸能リポーターは、逆に視聴者からの信頼を得た。
そういう人が追求するからこそ、その報道には真実味があり、また人間味があった。
ある政治記者は、自分が過去に暴走族のリーダーで、
警察に何度もお世話になった事を自ら暴露した。
「私は昔、世間に対して後ろめたいことをしていました。
しかし、社会は、そんな私を更生させ、受け入れてくれました。
だからこそ、そんな社会を汚す悪が許せないのです。
特に、社会を汚す大人、特に、社会を汚す権力者が許せません。
だから私は、政治記者になりました。
政治記者として、皆様に真実をお伝えする事で過去の償いをし、
過ちがある時は、それを徹底的に追及したいと思います。」
その政治記者も、視聴者の信頼を得た。
後ろめたさを後ろめたくするのは自分だ
後ろめたい事があるなら、それを早く告白してすっきりすればいい
自分に対しての真実の報道が出来てこそ、他人の真実の報道も出来るのだ
それが、ギブギブとの葛藤の上で得た新しいマスコミの答えであった。
それからもギブギブは、マスコミ関係者のプライバシーを公開し続けた。
それを嫌った者は、マスコミを去り、マスコミに就職する事を憧れなくなった。
しかし、自分に対して正直であり、自分の真実に対する報道が出来る者は、
そして、それに自信がある者は、どんどんマスコミを目指した。
こうして、日本の報道の自由は、新しい時代を迎えたのだった。
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