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西暦202▲年 5月下旬
知能犯を担当する捜査第2課からカラス駆除の応援の依頼が来た。
2課、集団有害鳥獣担当の通称 『○暴』、それに我々所轄担当の合同チームが組織された。
朝4時、猟師小屋へ集合。
現場には4時半ごろついたが、そろそろ夜明けが近い。
現場に着いた時は、それぞれの電柱や背の高い木々には、
1羽づつ見張り役のカラスがとまっている。
まだ薄暗くて視界が悪いのに、烏たちは仲間へ危険信号の鳴き声を出す。
まだ山から陽が昇っていないが、気象上の夜明けの時間になったので、
2課の係長から駆除開始の指令が出た。
こんな時間だというのに、村人の数人は既に畑に出て収獲を始めているので、
むやみやたらに発砲する訳にはいかない。
カラスたちの大軍が移動を始めた。
2課の数人が飛んでいるカラスに向けて発砲するが、
カラスたちはさすがに有効射程距離を心得ていて、
悠々と飛んでいく。
私が子供の頃、オヤジやお袋から聞かされた東京大空襲のシーンが思い出される。
日本軍の一斉射撃もむなしく悠々と飛んでいくB29の姿を.....
民家の近くで待っていた私の近くにカラスたちが飛んできて、
民家の屋根に集結する。
100羽以上のカラスが集結する姿は、恐怖さえ感じる。
まるでヒッチコックの映画の様...
彼らは我々が家に向けて撃つことが出来ないのをよく知っている。
1羽のカラスがエンドウ豆の畑の上を舞っている。
やがて2羽、3羽と増えてきた。
エンドウ豆には赤色の網が掛けてある。
そんな状態なのにカラスたちはどう行動するのかと観ていると、
1羽のカラスが舞い降りて体ごと網に直撃してぶら下がった。
そして2羽、3羽も次々ぶら下がる。
竹の枝に絡み付いたエンドウ豆と赤い網はカラスの重量に耐えきれずにその場に倒れた。
その瞬間、一斉にカラスが舞い降りて、エンドウ豆に殺到し、食い尽くす。
我々はもちろん民家が近すぎて発砲することが出来ない。
唖然と眺めていると、
その場所から数十メートル離れた場所で栽培されている露地物のイチゴも、
カラスやヒヨドリに攻撃されて居るではないか...
私たちはなすすべもなく呆然と眺めているだけだが、
バアさんひとりが竹竿を持って振り回し必死の形相で抵抗する。
が、多勢に無勢....
あっという間に食い尽くされた。
ハラを満たしたカラスたちは、悠々と飛び去っていく。
2課と○暴が最後の一斉射撃を行うが、
あざ笑うかのように、カァ〜 カァ〜 と、山へ帰っていった。
つづく....
もちろんフィクションですよ〜 |
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2010年08月19日
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