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「悪いことを悪いと思えない人をほっとく方が怖い」-。世の中の悪に敢然と立ち向かう母親が主人公の漫画「斉藤さん」がテレビドラマ化され、注目を集めている。原作は三田市在住の漫画家小田ゆうあさんで、自らの体験をもとに執筆。「子どもより親が間違っていると思うことがある。おかしいと思ったことを入れた」と話す。(斉藤絵美)
ドラマは毎週水曜午後十時から、読売テレビ系列で放送中。これまでの最高視聴率は16・9%で、平均13・5%とまずまずの数字を残している。
小田さんは東京都出身。二十歳でデビュー。結婚を機に一九九三年に夫の職場近くの三田市へ引っ越してきた。現在は夫と小学一、五年の息子二人と暮らす。
「斉藤さん」は二〇〇六年から、月刊漫画雑誌「office YOU」で連載。幼い子どもがいる母「斉藤さん」を主人公に、近所づきあいや子育てなど主に母親たちの世界が舞台となる。「周りの空気を考えて行動するのが無難」の風潮に「悪いことは悪い」と斉藤さんが対峙(たいじ)する。
「作品の原点は自らの経験」と小田さん。視覚障害者を誘導する点字ブロックの上に自転車を止める高校生を注意したが、無視された。「怖いおばさんと思われてもいい。やらなくなってくれたらそれでいい」と妥協しない。
近所の子どもに「おはよう」と声を掛けても返ってこないこともある。「疲れているから」とかばう保護者を見て「子どもをきちんと怒ることも必要。おこがましいが、“親育て”の意味合いも伝えたかった」と話す。
自身の子育ても漫画さながらの毎日。ゲーム機を欲しがる息子と現在、格闘中。「ゲームをすると外で遊ばなくなると分かっているのに、おもちゃを買い与える。大人が悪い」と憤る。
ドラマ化の話は昨年四月にあった。「数ある漫画作品の中から選んでもらえて光栄」と喜び、映像として動いている登場人物を見て感動した。
今後は「いじめ」をテーマにした作品も考えているといい、「弱っている人、負けている人に光があたる漫画を描いていきたい」と意気込む。
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