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『十五年戦争と教育』
(安川寿之輔著、新日本出版社)
安川寿之輔氏の『十五年戦争と教育』という本は
「教育の戦争責任」を問うすぐれた本である。
1986年の出版であるが、
なぜ、戦前・戦中の教師が
「人の子の師の名において」
教え子を戦場に送り出したのかを追究し、
その過ちをくり返さないために
教師=教育労働者は、
また、教育はどうあるべきかを鋭く提起した本として、
今も光を放っている。
十五年戦争期の「時代、児童・生徒たちは、
日常的に教員のビンタで張り倒され、
『宮城』・『奉安殿』(『御真影』[天皇の写真]『教育勅語』の安置場)
などへの最敬礼を強要された。
少年は『天皇の兵士』『満蒙開拓義勇軍』や各種少年兵として、
『天皇の醜の御盾(しこのみたて)となりて』
『水漬く屍(みづくかばね)、草むす屍』となることが、
少女は勤労動員にかりだされ、
『銃後の妻となり靖国の母』となることこそが最高の栄誉とされた」。
(『十五年戦争と教育』P23)
このようにして、「天皇制教育は、
少国民、学生、兵士、一般国民を全体として
不正義無謀の侵略戦争に動員する巨大な役割と威力を発揮した」
(同P51)が、「この時代の教育は、なぜに、どうして、
つまり、いかなる人間形成を担うことによって、
ファシズムと侵略戦争を推進する強力な手段となったのか」
(同P55)と安川氏は問題提起されている。
教え子を戦場に送り出した教育をくり返さないために、
この問題提起はきわめて重要である。
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