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私は昭和35年4月にトヨタ自動車に入社し、定年退職を迎える平成13年5月までの約41年間、(品質管理6年、実験評価16年、製品企画19年)クルマの仕事に携わってきました。
入社当時の自動車産業は、貿易自由化が叫ばれていましたが、まだ日本の高度成長は始まっていなく、2年後の昭和37年から急成長が始まり、安定成長期を経て今日まで続いてきました。
クルマづくりの企業戦士として、仕事が第一優先で朝8時半から夕方7時まで、平均残業時間は月50時間をこなし、スポーツや家庭サービスは二の次の生活でした。
二人の子供が東京の私大に下宿通学していた時には、家計はボーナスを仕送りに回して、月一ゴルフは経済的に成り立たないので止めて、昔やっていた砲丸投でマスターズの県大会に初めて出場したのが47歳の時です。
翌年48歳の時、全日本マスターズ陸上では3位、次の年に1位になり、52歳の時に日本で世界マスターズ陸上(WMA)宮崎大会があり、ここで欧米選手と一緒に試合したいと思い、砲丸投は平日なので仕事の都合上あきらめて、ハンマー投と重量5種競技(後述)にエントリーしました。
この時の招待選手で室伏重信選手(室伏広治選手のお父さん)が出場するのを知っていましたので、今まで未経験なハンマー投の試合に出場するために、わずか2か月前から室伏先生に御指導をお願いし、中京大で練習させて頂きました。
この結果、ハンマー投では7位に入賞で、室伏選手は世界新記録で優勝しました。
このWMA宮崎大会の10年後、62歳でプエルトリコ大会にハンマー投で初優勝しましたが、70歳でサクラメント大会は3位、75歳でパース大会は2位でした。
2017年の76歳では大邱大会はハンマー投2位と砲丸投1位、ワールドマスターズゲームズ(WMG)オークランド大会では投擲4種目と、ウェイトリフティングを含めて金メダル5冠に輝きました。
以上が世界マスターズの主な実績ですが、このほかアジアマスターズ7回、全日本マスターズでは25回の優勝実績のほか、前述のワールドマスターズゲームズ(WMG)3回の優勝です。
次の目標は2017年の結果から2021年WMG関西大会でも、陸上競技とウェイトリフティングの異なる競技種目で金メダルを獲得したいと思っています。
異なる競技の金メダルは、競技日程が重ならないことが必要条件なので、日程のずれを祈るだけです。またウェイトリフティングでは前年に国内選考会で標準記録の突破が必要になります。
オリンピックでは同じ競技で複数種目の金メダリストは多数います。異なる競技では、夏季のボクシングと冬季のボブスレーの金メダリストで、アメリカのエディー・イーガン選手がいます。これは、オリンピックが年齢無差別のチャンピョンで、マスターズの年代別クラス(エージグループ)のチャンピョンとはレベルが異なるが、マスターズ競技ならではの特色を生かして挑戦する価値とチャンスがあります。
特記すべきは、陸上競技でハンマー投の練習のほかに、体力づくりでバーベルを持ち挙げていただけですが、WMGのウェイトリフティング大会では、ランニングシューズのまま、革製の腰ベルトなしのスタイルで、初出場にも拘らず優勝できたことです。これには選手本人だけでなく他の外国選手が驚いていましたし、前年の北海道で行われた日本マスターズウェイトリフティング選手権大会では、競技会場での場内アナウンスでは、3つの日本新記録更新の紹介と、選手席でも話題として盛り上がっていました。このことから、今まで30年間やってきた仕事と競技生活が、体力づくりとしても間違っていなかったという自信を深めたのです。
そこで、これまでに教わったこと、教えたことをはじめ、自分の体験をブログ(マスターズ流投てき)・フェイスブック・新聞・ラジオ・テレビなどで公表してきたことなどを整理し、これからのマスターズの選手の活躍のために役立てたらと思いまとめてみました。
特に2021年WMG関西大会に出場したいと思っている人達に少しでも役に立てば、この大会の参加者の増加とレベルアップにより、大会の盛り上がりと元気な高齢者が増えることを期待しています。
マスターズの選手には、若い頃のスポーツ経験者とマスターズ世代になってから始めた選手がいて、後者の場合、マニュアルや中高齢者への指導経験のある指導者がほとんどいない状況であり、試合出会った時に色々教えてほしいという要望が多いのです。
なので、本書に述べられたノウハウは、若い現役の中高大学生の選手で、今後の競技を2〜3年続ける間に結果を出したい選手には、生ぬるく甘いと思われ、モチベーションの低下になることを心配しています。しかし、生涯スポーツとして将来にわたり競技を長期間続けたいならば、必ず役に立つと信じています。また、中高齢者で健康維持を目的として、ウォーキングや健康体操で体力づくりを行ってきたが、長続きしなかった方たちにも、生涯スポーツの楽しさを加えることで、健康寿命の延長に貢献出来たらと思っています。
本書をまとめるきっかけは、名古屋テレビから出演のオファーがあり、「あなたの幸せアップは?」の番組で、フリップボードに書いてこの状況を場面で紹介するというものなのです。私が一番幸せを感じる時は、試合が終わって表彰式の前のひと時でして、表彰台に立っている時は照れ臭いのですが、その前の共に戦ってきたメダリストが3人で、競技に関するマニアックな話をしたりして、試合の緊張がほぐれて友好が深まることなのです。もちろん試合で一発のいい投げが出来た直後のガッツポーズは嬉しいですが、この時の幸せ感はまだないですよね。
丁度試合のシーズンも終わって、目標達成でモチベーションが低下しているとき、テレビ出演を観た人からも「友好を深めることの素晴らしさに共感したのでこれからもよろしく」というコメントを頂いて、何か記念に残ればと思っています。
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