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規制改革会議の答申と軌を一にするもの
 
ユニクロが従業員の半数に当たる16000人のパート従業員などを地域限定正社員にすると発表し話題を呼んでいる。人材が集まらないところからとられた措置ではあるが、結果として待遇改善になるのか既に疑問符が付いている。 
東洋経済に興味ある記事が載ったので紹介することとした。
 
ジョブ型正社員又は地域限定正社員とはどんな制度か
昨年6月5日の規制改革会議の答申には「ジョブ型正社員の雇用ルールの整備」というのが盛り込まれている。ジョブ型正社員とは職務、勤務地又は労働時間が限定されている正社員のことである。別に新しい法律を作らなくても現実にこのような制度を導入している企業は既にある。規制改革会議が敢えて雇用ルールの整備と言った理由は、勤務地や仕事が限定されているので、その勤務地に事業所が無くなったり、事業部門が無くなったりした時に解雇が正当化できることを狙っているのではないかと危惧されている。
 
もろ刃の剣(正社員⇒地域限定正社員もあり得る)
また、今までの正社員より給料などの待遇がかなり安いのも事業者にとっては都合が良い制度である。既に、地域限定社員制度を採用している企業では、賃金の格差の外に確定給付型企業年金が無い等の退職金や年金の格差を付けている企業もある。
 
パート従業員や契約社員にとっては更新のたびごとにハラハラしなくて済むかもしれない。従って、この制度を歓迎する人たちもいる。転勤の心配が無いのもメリットかもしれない。
 
しかし、今現在正社員である者にとっては逆に厳しい結果になりかねない。家庭の事情で転勤ができなければ、では地域限定正社員になれとの圧力がかかってくるのは目に見えている。退職金まで含めての大幅な不利益変更が正当化されかねない。
 
労働者の立場に立つ労働組合が有れば防げるかもしれないが、全国転勤が可能な社員にまで地域限定社員になれとの圧力がかかるかも知れない。
 
昨年、労働弁護団が規制改革会議の答申に反対する決議を行っているので参考までにリンクできるようにしました。
 
【参考】
 
(東洋経済)↑直接東洋経済を読む場合にはクリック
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、国内のユニクロ店舗(2013年11月末856店舗)で勤務をする全パート・アルバイト約3万人の半数以上に当たる1万6000人を正社員化する方針を打ち出した。

 国内ユニクロ店舗で、販売員の主力となっている主婦などの1万6000人を対象に、転勤を伴わず長期にわたって働ける「R社員(地域限定正社員)」にするというもの。女性のワークライフバランスも考慮し、長期的な人材の確保や生産性を向上させるための人事制度改革だという。

2007年にも「5000人正社員化」を掲げた
実は、ユニクロがこうした正社員化の方針を打ち出したのは今回が初めてではない。地域限定正社員制度は、人材確保を目的に契約社員と準社員を対象に2007年4月に運用を開始。制度の導入後1年間を目処に2500人、最終的に対象者5000人すべての正社員化を目指した。ところが、現在の地域限定正社員は約1400名に過ぎず、大きな乖離がある。

 この理由をユニクロは、「正社員と同じく、繁忙期である土日の勤務や週40時間のフルタイム労働を求めた点に無理があった」(ファーストリテイリング広報)と振り返る。今回の正社員化の仕組みは、「詳細を今後詰めていく」と前置きした上ではあるが、「土日の勤務や週40時間の勤務時間は個別に事情を聞き対応する見通し」という。一人ひとり面談を行い、例えば「子供が小さいので17時まで」といった時短勤務や平日のみの勤務などの要望を受け入れる制度設計を検討している。

前回の反省に基づき、柔軟な対応を行う姿勢は評価できる。ただし懸念がある。地域限定正社員の道を選んだスタッフは、将来的に店長になる可能性もあるという。ユニクロでは現在、成長戦略の軸足をアジア、欧米など海外へと移している。大量出店戦略を進めるうえでのボトルネックになっているのが日本から送り込む人材の不足だ。国内のベテラン店長を海外店舗戦略へとスムーズにシフトするためにも、少なからぬ地域限定正社員が店長に昇格すると考えられる。

店長になれば残業代なし
店長になると大きな責任を負うと同時に、残業代が支払われなくなる。ユニクロでは以前から店長を、残業代などが生じない労働基準法上の「管理監督者」と位置づけ、「一国一城の主である経営者」とみなしているためだ。新しい人事制度の設計で検討されている「ライフワークバランスを考慮する」方針と、柳井正会長兼社長が語る「生産性を高め利益責任をさらに明確化する」方針は両立できるだろうか。
3月から、人事や営業の担当者が、対象となるパートやアルバイトとの個別面談を始めており、順次、地域限定正社員へのシフトが始まる。今後、2〜3年をかけて段階的に1万6000人の正社員化を進め、現在3400人の社員は2万人程度になる計算だ。正社員化を進めることで、福利厚生費などの人件費負担は1人当たり2〜3割増えると試算しており、大幅なコスト増になる。
スタッフが定着することによる採用コストの抑制、アルバイト訓練費用の削減、習熟したスタッフが増えることによる生産性向上なども考えられるが、総人件費は増加すると考えるのが自然だ。そのことを覚悟した上での方針転換であれば、歓迎すべき施策といえるだろう。
ただし、前述のように過去にも同様の施策を打ち出したことがある。今回は貫徹できるのかどうか、その推移を見守る必要がありそうだ。

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