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西国番外札所 山科の元慶寺
元慶寺は、山科の北花山の交差点のすぐそばにある天台宗の寺院で、本尊は薬師瑠璃光如来、西国三十三カ所番外札所となっています。
ここは、もとは、貞観10年(868)、百人一首で知られる僧正遍昭が建立した華山寺に始まると伝えられています。
また、西国三十三観音霊場の番外札所になっていることもあり、年間を通じて参詣者が絶えないところです。
境内に、「花山天皇落飾」と記された標石があります。
元慶寺は、寛和2年(986)に花山天皇がこの寺で藤原兼家、道兼父子の策略により出家させられ、兼家の外孫である懐仁親王(一条天皇)が皇位についたという経緯があり、その後、花山法皇は、余生を西国三十三所観音霊場の巡礼の復興に捧げることになる、そのきっかけとなった寺院で、当時の寺域は現在よりもはるかに広大でした。
ここはまた、京都の花名所の一つともいわれ、境内では四季折々にさまざまな花が咲き、参詣人の目を楽しませています。
1 場所↓
2 境内
住宅が建てこんだ参道をいていくと、つきあたりに山門(竜宮門)があります。
●入口と参道
●山門(竜宮門)
※竜宮門
竜宮門は、京都では、伏見の長建寺、深草の石峰寺、大原古知谷の阿弥陀寺、東山の法住寺、二条通沿いの善導寺、宇治の興聖寺などで見られます。
・屋根の上の鯱
●かつて山門に置かれていた梵天、帝釈天像
平安前期のもの。現在は、京都国立博物館寄託中。
●山門周辺のもみじ
●山門から見た境内
山門を入ると突き当りが納経所で、左側に本堂があります。
●本堂
遍昭作と伝える本尊の薬師如来のほか、阿弥陀仏(慈覚大師作)、毘沙門天(運慶作)、十一面観音を祀っています。
・菊の留蓋瓦
●『人皇六拾五代花山院法皇御落飾道場』と彫られた標石
寛和2年(986)、花山天皇がこの寺で藤原兼家、道兼父子の策略により出家させられ、その結果、兼家の外孫である懐仁親王(一条天皇)が皇位についたと伝えています。
●納経所
●僧正遍昭の歌碑
山門を入って左手奥にあります。
「天津風 雲のかよひち 吹きとちよ 乙女の姿 志はしととめむ」
( 天つ風 雲のかよひぢ 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ)
[意味]
天の風よ、天上と地上を結ぶ「雲の通い路」を吹き閉じておくれ。 この美しい天女の舞をもう少し見ていたいから。 この歌を作ったのは、出家前、宮中の五節会の舞姫を見て詠んだものといわれています。
※なお、少し離れたところに、僧正遍昭の墓があります。
●元慶寺再興の碑
元慶寺は貞観10年(868)に陽成天皇の誕生に際し、遍照(816〜90)が発願し藤原高子(清和天皇の后・陽成天皇実母)が創建した。その後衰微したが、安永8年(1779)に再興されたと伝えています。
この碑は元慶寺の沿革と再興の経緯を記したものです。
3 沿革
①遍昭僧正による創建
・遍昭僧正は桓武天皇の孫で、俗名は良岑宗貞といい、仁明天皇に仕えていたが、嘉祥3年(850)、天皇死去後、比叡山横川の円仁(慈覚大師)について出家、貞観11年(869)、この地に華山寺を創建したとされている。
・その後、元慶元年(877)には清和天皇の勅願寺となり、華山寺から元慶寺に名称を変更したと伝えられている。
②花山天皇の出家
・寛和2年(986)、花山天皇が皇位について2年後、最も寵愛していた後宮の女御祇子(ぎし)が懐妊中に死去し、悲しんでいたところ、藤原兼家、道兼父子が、その策略によって天皇を当寺に連れ込み、出家を促して退位させた。その結果、兼家の外孫である懐仁親王(一条天皇)が皇位につき、花山天皇は落飾して法皇となった。
・花山法皇は皇位復帰の道を断たれ、余生を西国三十三所観音霊場の巡礼の復興に捧げ、西国霊場の「中興の祖」とされた。
③元慶寺は、寺格も高く多くの寺領を持って栄えたが、応仁の乱により焼失し、その後衰微したが、安永8年(1779)に再興された。現在の建物は安永年間(1772-81)の再建といわれる。
4 西国三十三所観音霊場
近畿2府4県と岐阜県に点在する33か所の観音霊場の総称。これらの霊場を札所とした巡礼は日本で最も歴史がある巡礼行であり、現在も多くの参拝者が訪れている。
巡礼の道中に、開基である徳道上人や再興させた花山法王のゆかりの寺院が番外霊場として3か所含まれている。
●西国三十三所(京都市関係は下線)
10番 三室戸寺
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11番 上醍醐寺
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12番 岩間寺(正法寺)
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13番 石山寺
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14番 三井寺(園城寺)
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15番 今熊野観音寺
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16番 清水寺
↓
17番 六波羅蜜寺
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18番 頂法寺(六角堂)
↓
19番 行願寺(革堂)
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20番 善峯寺
●番外霊場
・元慶寺 西国三十三所観音巡礼を中興した花山法皇が落飾した寺。京都市。
・法起院 西国三十三所観音巡礼を最初に始めた徳道上人が晩年を過ごし、上人の廟がある。奈良県桜井市。
・花山院菩提寺 花山法皇が隠棲し余生を送り、入寂した寺。兵庫県三田市。
5 寺宝
花山法皇の木像および肖像画、遍昭の木像などのほか、梵天、帝釈天像(平安前期、京都国立博物館寄託)がある。
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2011年09月18日
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