第20回記念別府アルゲリッチ音楽祭
しいきアルゲリッチハウススペシャルコンサート
Argerich Meets Liszt[詩と音楽]
program
G.F.ヘンデル=ハルヴォルセン:パッサカリア
竹澤恭子(ヴァイオリン)、川本嘉子(ヴィオラ)
A.ナンテ:祈る
竹澤恭子(ヴァイオリン)、川本嘉子(ヴィオラ)、向山佳絵子(チェロ)
アニー・デュトワ(朗読)
F.メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 Op.49
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)、竹澤恭子(ヴァイオリン)、向山佳絵子(チェロ)
〜〜〜 休 憩 〜〜〜
I.シャロン:鏡
ダニエル・ツーカー(ピアノ)、リダ・チェン・アルゲリッチ(ヴィオラ)
アニー・デュトワ(朗読)
C.ドビュッシー:「版画」より 第2曲「グラナダの夕べ」
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
F.リスト:メロドラマ <<レノーレ>> S.346
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)、アニー・デュトワ(朗読)
〜ENCORE
R.シューマン=F.リスト:献呈
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
第20回記念の別府アルゲリッチ音楽祭もこのコンサートが大分県内最終公演。
今回は名古屋のピアノのお友達が2組母娘で来てくれたので5人でしいきアルゲリッチハウスへ。
ハウスのサロン、今日は125席が設営されているけれどステージのないフラットな空間なので前の人の頭の間からアルゲリッチの顔が見えたり見えなかったり。なんとかならないのかなあと思うけど、この空間をサロンとして使いたい設計である以上はしかたないかな。いずれにしてもこの空間でアルゲリッチの生演奏を聴けること自体が贅沢だもんね。今日のピアノはもちろんアルゲリッチ専用のスタインウェイD274「マルティータ」。
客席についてプログラムを開くと曲目の変更が!
当初予定されていたI.シャロンの「異邦人」と「酔え」が「鏡」に変更。しかもピアノがアルゲリッチでない><。アルゲリッチの演奏曲が減るのかぁ…とがっかりしながら読み進むとなんと予定になかったアルゲリッチのソロでドビュッシーの版画から「グラナダの夕べ」が!
今日のコンサート、「詩と音楽」というサブタイトルでアルゲリッチのピアノはメンデルスゾーン以外は詩のBGM的なものばかりで少し寂しかったのだけど、ここでソロが聴けるとは!と一気に期待が高まる。
詩の朗読のBGM的に音楽が流れる形式の曲目は初めての聴いたけどフランス語で朗読されるのがなんだかとても音楽的で素敵。
メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は先日の室内楽コンサートでも聴いたけど今日はヴァイオリンが竹澤恭子さんで演奏された。その竹澤さんがノリノリで本当にうれしそうに演奏されていたのが印象的。アルゲリッチのピアノは勿論いつもながらのリズム感と疾走感で圧倒的なものを聴かせていただいた感じ。
休憩時間には無料のドリンクサービスをいただきながらお友達と談笑したり、ハウスのいろいろを撮影したり。お友達の一人が地元の新聞社のインタビューを受けたり…。新聞を入手しないと!
後半の最初の「鏡」、ヴィオラのリダ・チェン・アルゲリッチのしぐさはやっぱりアルゲリッチそっくりだなぁ…と思いながら聴く。これ、どうしてピアノがアルゲリッチじゃないんだろう?ピアノをアルゲリッチが弾けば母娘3人の共演になるのに…。
そして「グラナダの夕べ」でまたまたいとも容易そうに弾くアルゲリッチの音色とリズム感に圧倒された後、リストの「レノーレ」。この曲、リストがドイツ語のバラードの朗読に情景描写の音楽をつけたものらしく、そういう朗読劇に情景描写の音楽をつけたものを「メロドラマ」と呼ぶらしい。今回はドイツ語の詩をフランス語に翻訳したものにアルゲリッチのピアノがバックに流れる形式。朗読がメイン、アルゲリッチのピアノがBGMなんてなんという贅沢!音楽も確かにリストらしい音楽でこういうのも悪くないと思った。
そして何度目かのカーテンコールの後、再びピアノの前に座ったアルゲリッチが弾きはじめたのは「献呈」!今年、別府で最後に聴くアルゲリッチの演奏がこの曲だったのは本当に嬉しかった。曲が終わりに近づくにつれ「終わらないで〜」と願ってしまう感じ。
最後はスタンディングオベーションの中、にこやかにお辞儀をしながら去っていくアルゲリッチを見送って終演。
今回のプログラム、まさに[詩と音楽]というサブタイトルにふさわしい内容で音楽の新しい味わい方を体験できた感じ。こういうのも別府ならではのチャレンジなのかも?
今回の演奏会も先日の室内楽コンサートの時もリダ・チェン・アルゲリッチやアニー・デュトワとの共演の時のアルゲリッチは母の気分なのかも?と思う部分があったりした。また音楽祭の企画の一環として鉄輪温泉のカフェやギャラリーに三女のステファニー・アルゲリッチの写真の展示が行われていたし、アルゲリッチにとって別府はホームタウン、というか家族で本当にやりたいことを出来る場所という意識なのかも?なんてことを思っていたら翌日の朝刊にアルゲリッチの「今回の音楽祭では娘たちが才能を発揮し、親として感動している」と言う言葉が載っていて「やっぱり〜」と納得。
アルゲリッチとって別府は特別な場所。やりたことを実現できる場所だから、いつまでも元気でこの地を訪れてほしいと心から思った。
ちなみに今回の音楽祭、鉄輪温泉でのステファニーの写真展の他に大分県立美術館でも音楽祭とのコラボ企画をやっていてせっかくなのでコレクション展で音楽に関連した絵の展示を見た後、カフェでアルゲリッチ音楽祭記念デザートプレートをいただいた。お皿に描かれたト音記号と音符がかわいい^^。
こういうコラボ企画、もっといろいろやって街を挙げての音楽祭気分の演出をしてもいいんじゃないかな?しいきアルゲリッチハウスでの演奏会がない日もハウス内を公開して内部でフィルムコンサートを上映するとか、いろいろ出来ると思うんだけど。
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