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ぱっしょん・ぱっしょん・ぱっしょん。

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吉増剛造

「生命よ そんな風に」 吉増剛造 1964年
生命よ そんな風にゆくらはぎを
緑色にそめて
颯爽と踊らないでくれ

一枚のの皮膚を海と思うと
宇宙はくらく

やさしく氾濫するのは精虫ばかり

幸福という幻の怪獣に弓を射る
美しい腕がないばかりに

ああ おれも殺虫剤を売り
あるかねばならぬのか

おれの死骸はのどぼとけぁら
ずり落ちつづける

マンモスの骨や歯が散乱する
山岳地帯をおれは吹いて行く

感情という
港を失った華麗な丸木船にのって

ブタやオレは苦痛のために
ますますふくれあがり

あらゆる呪詛をはらんで
世界を抱きしめる      一部抜粋

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