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山内圭哉の頭の中がちょいカユいんだ!

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いろんなことがあった

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また随分と更新を怠ってしまった。

いろんなことがあった。

まずNYLON 100℃「社長吸血記」が終わった。
とても集中力の要する演目だった。

ケラリーノ・サンドロヴィッチさんと仕事をさせてもらうと、必ず良い経験をさせてもらえる。

東京公演の千穐楽が終わって、夜の打ち上げまでの間、大倉孝二と二人で酒呑んで時間つぶしたのだけれど、大倉と二人だけで呑むのも、考えてみれば初めてで、普段はしない話題になったりしてめっさ楽しかった。書き上げればキリがないほど思い出がいっぱい。H2O。
NYLON100℃の皆様、ほんとに有難う御座いました。

で、今月の序盤に、夏に大阪だけでやった福田転球さんとのトークライヴ「山球」を東京で開催した。
大阪では発売日に即完したので、マネージャーが調子にのって東京での開催を決めた。「私らホームが大阪やから売れたんやんか。東京でやったらガッラガラやで多分」と私言うたんやが、蓋開けたらあんた東京もごっつ人来てくれました。有難う御座いました。

で、先日はライヴ。劇団鹿殺しRJPと。
そのライヴの告知をFacebookでしたのですが、その際に昨年のライヴで私がタイの僧侶的衣装を着てプレイした時の写真が流れ流れてタイ国の敬虔な仏教徒の皆様の目に触れ「僧を侮辱するのか」と炎上したりとかまあいろんなことがあって、今はAGAPE store「君はフィクション」の稽古をしておる次第です。

ライヴ、楽しかったなあ。
またやりたいなあ。

ナイロン100℃は楽しい

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「社長吸血記」の稽古に参加させていただいている。
ナイロン100℃にお邪魔させていただくのは、2009年の「神様とその他の変種」ぶりなので、六年ぶりになる。
そもそも、一つの劇団或いはユニットに一度ならず二度も呼ばれることは、私らみたいな役者にとって、げっつい光栄なことである。少なくとも「あいつ、もうええわ」とは思われてないちゅことやからね。
しかし、ケラリーノ・サンドロビッチさんという方は、もう、なんちゅうんやろ、皆様も重々御存知のことであるとは思うが、ほんま「頭の中どないなってんねやろ?」て一緒に稽古してたら必ず日に三度ほどは思うくらいおもろい方で。
そもそもは自分、中学くらいの頃から有頂天聴いてまして。
ケラさんのソロも聴いとったし。愛のまるやけ。
ミュージシャン或いはパンクスとして尊敬しておって、ほんで小劇場界へ入ってから、演劇人としてのケラさんとお会いすることが出来たわけなんですが、やはり当時私は「うわ有頂天のケラや!」と心中思とったわけ。
で、パルコ劇場の「噂の男」という芝居で初めてケラさんの演出をうけて、劇作家・演出家としての手腕に唸ることになる。
唸りながら、「既存のものなんか壊してしまえ」的な感覚を、演劇の現場でご一緒させていただくことによってなんとなく感じることができて、ケラさんは音楽でも演劇でも同じことをやられているのだなあと、思たわけ。
それ以降、私は、可能な限りナイロン100℃の公演も観に行かさせてもろて、今度はまたナイロン100℃の劇団員の方々の力に感心するわけだ。
そらね、あんたね、同業者から見たらやね、ここの劇団の人ら皆ごっつ芝居上手いねんでほんま。
ま、今そんなおもろいところで、また珍妙奇妙な芝居の稽古してまんねん。
そなもん私楽しいにきまってるがな。
観てたら心がカユくなってくるようなストレンジな芝居ですねん。
観に来はったらよろしがな。


退屈する暇がない

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また随分と更新を怠ってしまった。
先日まで「カッコーの巣の上で」という芝居をやっていたのだけれども、この芝居がことのほかエネルギーが要ったもので、ブログなどは二の次、終演するや否や飲酒してささくれだった頭の芯をぼんややーんとさせてから床に就くという毎日を送っていた。
いやいや、決して苦痛だったわけではなく、それどころかとても充実した濃い時間を過ごしていた。
「カッコ−の巣の上で」というと、あの名作映画をまず思い出す御仁がほとんどであると思う。
したがって「『カッコ−の巣の上で』を舞台でやりまーす」と言うたらほとんどの方が「あ、あの映画を舞台化しはんねや」と思われるが、実際は原作の小説がリリースされたわずか一年後にまず舞台化されたとのこと。
まず演劇になった作品だったわけ。
繰り返し上演されブラッシュアップを重ねられた戯曲を、演出の河原雅彦氏が若干の修正を入れ、我々が演じた。
そんな戯曲なだけに、演じる方は精神的筋力を通常よりも使わなければ成立しない台詞も多く、稽古の時点でくったくたになっておった。
連日濃い稽古で、スタッフもくったくたになっていたと思う。
なにより河原雅彦さんがくったくただったと思う。
キャスト・スタッフ割とくったくたになって作った甲斐あって、沢山の好評を頂けた。ま、不評もあったけど。
三年ぶりに共演させていただく小栗旬も随分頼もしく稽古場に立っていたし。本番を重ねるごとに少しずつ進化していきよるので、私なんかは絡んでいて退屈しない。
とにかく、また演劇の深さを感じることが出来て、私、とても良かったと思うわ。と、女性言葉になるほどである。
で、「カッコ−の巣の上で」の大千穐楽あけて翌日がナイロン100℃の「社長吸血記」の顔合わせ。で、今は「社長吸血記」の稽古真っ最中。
これが、また、あんた、珍妙で奇妙な戯曲で、私は毎日退屈しない。

大事なことを教わった

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1998年のこと。
なので、今から16年前。
朝日新聞創刊120周年記念演劇公演「OPPEKEPE 〜オッペケペー、アメリカを行く〜」という芝居に参加させていただいたことがある。

関西では貴重な規模の大きいプロデュース公演だった。

プロデューサーは、この演目で『商業演劇と小劇場の融合』を摸索されていたらしく、関西の小劇場役者が沢山呼ばれた。
僕もその中の一人だった。

主演が林隆三さんだった。

関西の小劇場に居て、隆三さんのような大御所俳優と共演出来る機会は貴重なことだった。

ところが、稽古場は段々と空気が悪くなっていった。

作・演出の早坂暁さんが稽古場に来ない。とにかく、現れない。

僕らはいつ来るともわからぬ早坂暁さんを稽古場で待ち続けた。

台本は数ページしかもらっていない。

昼に稽古場に入って、待つ。
一時間過ぎても来ない。
仕方がないので、殺陣の先生が、芝居後半でおそらく出てくるであろう大殺陣のための稽古として木刀で素振り百本振らされる。
百本振ってもまだ来ない。
プロデューサーは、「先生ちょっと遅れてますので、待ってて下さい」と言う。
夕方になっても来ない。
腹が減る。
「コンビニに飯買いに行ってもいいすか?」と尋ねたら、「早坂先生がいついらっしゃるかわからないので稽古場に居て下さい」という。
腹ぺっこぺこで待つ。
夜になって、「今日は早坂先生来られないことになりましたので稽古終了しまーす」と言われる。
何日もそんな日を過ごした。

そんな現場だったから、打ち上げは荒れた。
ある先輩役者が、打ち上げの万座の席でプロデューサーに激昂して食ってかかったのだ。
僕らは先輩の気持ちもわかるので、止めなかった。
というより、僕は、稽古中から状況のヒドさに笑えてきてたので、もう、ちょっと楽しんでいた。

隆三さんが間に入った。

主演である隆三さんが止めるのは、当然のことかも知れない。
僕は隆三さんが激昂している先輩役者をたしなめるのだろうなと思っていたら、

「良い打ち上げだな!」

と、隆三さんは大きな声で言った。

「言いたいことが言い合えるのは良い現場なんだよ。皆も思ったこと言えばいいんだよ」

僕は心の内で唸った。
隆三さんは、この状況を「良い現場」とすることで、悪者が居ない状況にした。
傷つく人間を最小限に留めようという隆三さんの配慮に思えた。
優しい人だなと思った。

その場は一応は収まり解散となった。
我々小劇場メンバーは呑み直しに安酒場へ入った。激昂先輩役者を筆頭に。
打ち上げでは収まったとはいえ、座敷は大愚痴大会になった。
そこに隆三さんが来た。
僕らは驚いた。
聞けば、わざわざ僕らが呑んでいる場所を調べてまで来たと言う。
隆三さんは皆の愚痴を笑って聞いて呑んでいた。大きな人だなぁと思った。

それから数年経って。
池袋の東京芸術劇場でシェークスピアの「真夏の夜の夢」をG2さんの翻訳・演出で上演していたある日の終演後、楽屋に隆三さんが僕を訪ねてきてくれた。
「今度G2さんと仕事させてもらうんで観にきたんだ。実はお前さんの出てる芝居何本か観てんだよ」と、笑っておっしゃった。
あの時だってほとんどお話させてもらったこともないのに隆三さんは僕を覚えててくれて、僕は恐縮しか出来なかった。

そしてまた数年経って今年。
NHK木曜時代劇「吉原裏同心」の収録で、久方ぶりに御一緒出来ることになった。
隆三さんはよく響く声で「おぅ!よろしくな」とにっこり笑って言った。
白髪は増えたけど、溌剌となさっていた。とても、元気だった。
撮影の待ち時間、隆三さんといろんな話をした。収録で隆三さんに会えるのが楽しみだった。

隆三さんには、長い時間をかけて大事なことを教わった気がする。

自分も何れは死ぬ。
そしたら、隆三さんに御礼を言おうと思う。
山内圭哉
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