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前回のチェビシェフ型ローパスフィルタは、20kHzでの落ち込みが約3dB、34kHzでの減衰量が-45dBで、もう一つでした。その後あれこれ試したのですが、結果的にこんな回路が好結果でした。

イメージ 1

どちらも基本は定K型フィルタです。影像インピーダンスという古い概念に基づいたものですが、設計が簡単なので、今でもちょくちょく見かけます。基本的に入出力インピーダンスZを一定にして(50Ωとか600Ωとか任意)、LCの値は以下で計算できます。

 L=Z/2πf、C=1/2πf、ただし中央のCは2倍

fはコーナー周波数ですが通常のカットオフ周波数とは違いますので、普通は1,2割低めの周波数で計算します。コイルは誤差が大きいので、あとはカット&トライで調整します。
20kHzフィルタでは、これだけだとスロープがまだ緩いので、減衰極を設けました。3番目の4.7mHと4700pFがそれです。加えて負荷抵抗を少し上げて、20kHzでの落ち込みを持ち上げようという目論見です。

ブレッドボードで回路を組み立て、周波数特性を測りました。こんな結果です。

イメージ 2

緑のライン、負荷抵抗RL=470Ωではリップルのない素直なカーブですが、20kHzで2.4dBの落ち込みです。しかし、34kHzでの減衰量は67dBもあり十分です。減衰極を設けると、共振周波数の上でリバウンドするのですが、今回は僅かでした。赤のライン、負荷抵抗を1kΩにすると、20kHzでの落ち込みが1.2dBに改善しますが、通貨帯域のリップル(特性のうねり)現れ、6kHzあたりで1.2dB落ち込み、16kHzで持ち直します。遮断領域の特性はRL=470Ωのときとほぼ同じです。通過帯域全体のリップルは±1.2dBで、目標の±1dBには至りませんでしたが、遮断特性が良好になりましたので、これで良しとします。

100kHzフィルタの方は、100kHzでの落ち込みがRL=470Ωの場合1.1dB、RL=1kΩで1.3dBでした。ほぼ同じ特性でしたので、RL=1kΩの場合のみグラフにしました。
今回、1kHzの出力を一定になるように測っています。出力0dBV(1Vrms)に対する入力は、RL=470Ωの場合6dBV、RL=1kΩの場合3.3dBVでした。20kHzフィルタの場合はコイルの損失が少し大きいため、RL=470Ωの場合6.1dBV、RL=1kΩの場合3.6dBVでした。両フィルタには損失に0.3dBの差がある訳ですが、これは無視することにします。

ところで、すべてのLにCを抱かせて減衰極をもたせると、連続チェビシェフフィルタ(楕円関数フィルタ)になります。もちろん値はそれぞれ異なり、一つ目のリバウンドを二つ目の減衰極でつぶし、そのリバウンドをさらに三つ目の減衰極でつぶすイメージです。実は正規化定数表をネットで拾ってきて、こちらを先に試したのですが、ダメでした。減衰域のリップルが大きくて、34kHzでの減衰量は40dB程度しか得られません。がっかりです。素子の値を厳密に計算値に合わせないと、期待した特性にならないようです。特にコイルがE6系列程度しか入手できませんので、難しいですね。まあ、これは程度の差はあってもチェビシェフフィルタも同じです。

そんなわけで、素子の値をシンプルにできる定K型に至ったわけです。どうでもいいような(いや、そんなことはない)、帯域外除去フィルタにずいぶん時間をかけてしまいました。ま、フィルタの勉強が少しできたので、今後何かの役に立つでしょう。次回からは具体的な歪率計の改良に入っていきたいと思います。

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