2018年4月
マーラー:交響曲第8番マーラー作曲の交響曲第8番変ホ長調です. 2005年12月19日,モスクワ音楽院大ホールでのライブです. 重厚でズッシリした開始を想像すると肩透かしかもしれません. 溌溂としていて,輪郭のクッキリした音の動きを見せています. 緩急のメリハリが効いていて,快速部分は意外なほど爽やかです. 第1楽章の終盤の高揚感は見事で,輝かしい響きでカッコよく閉じていきます. 第2楽章はどうしても聴くのがたいへんですね,長いですから. とは言え,ここでの演奏では48分38秒となっていますので,50分を切る快速の演奏に入ります. 疾走感はあるのですが,どこかまとまりに欠ける印象です. 普段取り上げることのないことや,この楽章をダレさせずに聴かせるそもそもの難しさがあるので無理もないことかもしれませんね. それでも合唱には歯切れの良い発音を求めたようで,それが雰囲気を締めてくれているように感じます. 終曲は非常に快速で,何のためらいもなく突っ走って終わります. この長大な楽章の締めにはスッキリしすぎるようにも感じますが,ライブだったらこのように勢いよくまとめ上げてくれるのもアリですね. 年の暮れは,日本は第9,欧米はヘンデルのメサイアが定番ですが,ロシアは何かあるのでしょうか. 間違ってもこの曲ではありませんが,何のこだわりもなくこの壮大な曲を聴かせてもらうのも一興でしょう. |