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さぁて、どうするかな・・・・

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願わくば気圏の高みへ

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ここ数年、どうしたわけか、フライトで国境を越えるときには、その向こうにいつもけっこうな「大事」が待っていた。
恋人と別れるために飛び、肉親の弔いのために飛び、何の予備知識もない異国での舞台のために飛んだ……。もう少しゆったりとした気分で空を飛び海を越えてみたいと思うのだが、星の巡りと運の良し悪し、どうやらまだまだそんな機会は訪れそうにない。

こんな小話がどこかにあるそうな。ひとりの男が飛行機を降り、空港の到着ロビーで旅行カバンの傍にうずくまっている。
通りかかった誰かが、どうしたのですかと訊くと、男は一言。
「荷物も体も目的地へ着いたのですが、まだ心が着いていないのです」
スピードばかりで想いがついていかない現代を揶揄したものか、それとも心が出発点に引っかかったままの過去があるのか、この男の台本には何も書いてない。

異国で重くなったり翳ったり、思わず舌打ちしたくなるような時間もまた流れた。クニザカイを越えて帰ることで人は過去を更新できないものだろうか。飛行機のシートに座ってバンコクの街明かりを眼下に流すたびにそう想ってしまう。
しかしそれも束の間、体は加速度を受け、一直線に次の空へ向かって飛翔させられる。

二〇〇三年、ディセンバー。
はるか気圏の高みの向こう
音もなく輝くだけの、その飛行機雲の輝跡のように
どうか、あなたの未来が鮮やかでありますように。
この国を離れ、あの国へ飛ぶあなた。
グッド・グッド・ラック。

                            2003年12月 情報誌DACO


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