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2012年8月6日。羽田に降り立ったときから雨だった。 東京駅から高速バスに乗り、福島県のいわきに着くまで雨はずっと車窓を叩いていた。
いわきに着いた。途端に雨はあがった。そしてそこは七夕のお祭りだった。
町並みを彩る大小の幟、飛び交う屋台の掛け声、浴衣姿も数多い日本の祭り。赤ん坊を抱いた若い夫婦連れ、孫の手を引く御老人たち。この日本で、3世代が元気に祭りに繰り出す姿を見たのは何年ぶりだろう。
土地土地の祭りにはそこの人にしかわからない情がある。いわきの祭りのなかに突然立たされた私は明らかに異邦人だった。その緊張を最初にほぐしてくれたものは雑踏のなかの方言。聞き取れない言葉はあるものの、その抑揚は私のふるさと九州のなまりとよく似ていた。違和感が少しずつ消える。
福島は私にとっては不思議な県だった。
たった一日で何度も聞かされたのは
「福島は地方によって全然ちがう」という言葉だった。
海に接する地方、少し内陸、そして山がある地方。その3つに大きく分かれる福島はそれぞれの地方でちがう文化、生活、考え方をもっているというのだ。
「まったく別もん」という言い方さえ何のこだわりもなく発せられた。
そんな県なのだそうだ。県というもののイメージが初日で覆された。
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東北地方太平洋沖地震
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