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2014年4月15日、午後になった。
京都 ぼうっとしたまま南から北へ電車に乗り続けた。 鴨川が高野川と二つにわかれるところまで。 あるいは賀茂川が高野川と出逢って鴨川となるところ、か。 ま、どっちでもいい。 河原町今出川(かわらまちいまでがわ)の交差点 東に見える大文字山。 大文字五山送り火の「大」の字が夏に燃える山だ。 その火をあのころ何回か見ているはずだが 明るい春の陽を避けて糺の森(ただすのもり)に逃げ込んでみる。 森の奥には下鴨神社。 賀茂の河原に戻ってみると、桜の川沿いみち。 斜めうしろに誰かが寄り添う。 ふりむくと ひとり。 あのときのように。 このままだと危ない 慌てて携帯の電波を飛ばして人の声を聞いた。 電話の向こうの人は、長かった場面が変わる節目だよ、 と優しく、明るく、諭してくれた。 電波は届く。 いまの自分が捕り込まれているのは やはり妄想の世界ではなく 現実なのだった。 どこをどう歩いたのか憶えていない。 簡単なみちばかりなのに まるで迷路だ。 私が いまこうして 迷っている。 歩き続けて 夜になる。 東山に月が昇った。 満月。 こんな気分に 春の十五夜。 やっとわかった わたしは この街に からかわれている |
2014 日本の旅
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