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おい、チクビ!
俺と遊びたいと思ってくれるのはありがたい。
しかしそこに乗るな。
コンピューターがなんか赤い表示出してるじゃないか!
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タイの朝食の定番、「ジョーク」。
ま、おかゆさんです。
朝6時過ぎから2時間くらいしか開かない近くの屋台。 熱々おかゆと出汁、ネギとぴりりのショウガ、炒りニンニクと、 写真では見えないけど豚肉団子が何個か沈んでいる。 今日は写真のために温泉卵2個。しめて35バーツ、約100円。 酢辛子、魚醤(日本で言うしょっつる)などで好みの味に仕上げていただきます。食欲のないときにもいけるし、これを朝飯にしておけばランチ時に必ず空腹感がわく、というね。
猫舌の私にはちょっと最初の一さじは怖い。
フーフーしてハフハフしてアムッ、といく。
酒に痛んだ胃袋が寝ぼけながら、お、おはよう、と言う。
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タマサート大学構内で行われる政治芝居に私も出演する。
その芝居のポスターの撮影をある公園のなかでやった。
広大な公園の一角、緑の草が広がるなかに一本の大樹があった。幹は太く、数人が手を広げてつないでやっと囲めるほどだ。根は地のなかに収まらず、うねり踊りながら土に割れ目をつくって這い出していた。しかし周りは静かで、遙か向こうに見える高速道の音は全く届かない。
演出家から指示が飛んだ。樹の前で全員が並び、目の前に現れた恐竜を見上げろ、という。恐怖、おののき、諦め、防戦の決意・・・、私たちは次々と演技を続けた。カメラのシャッターが息もつかず切られる。
そんなことをやっている私たちのすぐそばには園を巡る遊歩道があった。そこにかなりの数の人々が一度立ち止まっては去って行く。
ただ、彼らは私たちのおかしな様子を見るのではなかった。手にしたスマホを一心に見ていたのだ。この大樹がポケモンGOとやらのポイントになっていた。
虚構を演じる私たちと虚構を追う者たちが機を一にして樹の回りに集っていた。
そしてもう一人。制服警官。彼は一度カメラマンに身分証の提示を求め、そのまま少し離れたベンチに座ってじっと私たちを観察し続けた。なるほど。スマホの中の虚構を追う者たちは個人個人でばらばらだが、樹の下で十数人が集まって演劇という世界を作るとそれは監視の的になる。
そう、演劇とはこの国ではそんな扱いを受ける現実なのだと、私は改めて覚悟した。のどの渇きを覚え、見上げると大樹の枝葉は無言で陽光を遮っている。
ふっと涼しい風が吹いた。
2016/08/13
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老けたなあ、俺。
ま、当たり前か。
ホワイトフェイス・マイムアカデミー主催のマイム劇に出演させてもらった。
彼らとのつきあいは長い。
昔は私も白塗りでやっていたのだが、やめた。
白塗りをするもしないもすべて彼らとの確執にあった。
彼らのマイムはヨーロピアンマイムだ。だから無条件で白塗り。
なぜ白塗りにするのか、という問いに「伝統だから」とアジアンが答えてどうする?
黒髪、黒瞳、醤油顔のアジアンピープルには似合わない、と私はある頃から思い始めた。ホリの浅い顔に白塗りは表情を消してしまう。お化けになってしまう。
それでも白塗りにしたいのならば、いっそのこと能のように動かない面を着けて勝負できるようになりたい。面が表情を豊かに表せるようになるまで。
けれど、あれから30年、彼らの白塗りも進化した。
なかなかかわいいじゃない、白塗り美人。
さて、この舞台、周りはほぼすべて20代の若者たち。
マイムを習いたての者も多い。
実は日本型のマイムのファン達でもある。
このブログでも何回か紹介した「パントマイム in Bangkok」などのイベントによって
タイのパントマイムは一つの歴史を紡いできた。
日本からやってくるプロのパントマイムに大きな影響を受けたのだ。
彼らも昔はそういうイベントに参加していたのだが、
如何せん、研ぎ澄まされた日本のプロ達の間に入ると影は薄かった。
そこで彼らが目指したのは、「型」と「美」だったのだろうと思う。
タイという土俵はいま彼らのものだ。
今回の舞台、求められた演出はすべて逆らわずにこなしてみた。
はっきり言って楽だった。大きく派手に動いて、ある型でぴたりと止まれば
それなりの演技になる。
周りの者たちの演技にまだ迷いがあるので余計に楽だったのかも。
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まあ、ここ数日のチクビとの物語ですよ。
私の部屋では「チクビ」と呼ばれている彼は、他の部屋の住人にも可愛がられているらしく、そこでは「日本人のとこにいるネコ」という意味のタイ語で呼ばれているらしい。
べつに私が飼っているわけでもないし、元々このアパートはペット禁止なので私のネコと思われても困るのだし。
ま、トイレもえさも常備ではあるけれど。
某日、チクビ君がお土産をもってきた。
ネコ好きの人ならわかると思う。あの手のお土産です。
トカゲのしっぽ。
まだピョンピョン動いている元気のいいしっぽ。
しばらくじゃれて遊んだ後、 完食なさいました。
楽しくガムを噛むように。
ほんでまた某日、
今度は驚きのお客さん。ベランダから飛び込んできた鳩。
どうやら怪我でもしているらしく、飛べないのだ。
そっと近づけば触らせてはくれるが、両手で包もうとするとバタバタと暴れて家具の裏などへ逃げ込んでしまう。
こんな時にチクビがいたら大変だぞ、と思ったとき、現れた。
最悪のタイミングでやんの。
殺戮の修羅場が始まる前にチクビを押さえつけて部屋の外へ放り投げた。
ドアを閉めてから約1時間、やっと鳩をベランダに出すことが出来た。
ベランダのネコトイレを部屋の中に入れ、ベランダのドアも閉め、チクビと鳩の隔離に成功。
鳩は一晩中夜空をじっと眺め続け、
チクビはドアの向こうの鳩に向かって殺気を放ち続けた。
次の日の夜明け、チクビは部屋を出て行き、
そのすきにベランダのドアを開けると、驚いたように鳩は飛んだ。
下へ落ちるようにではなく、上へ。
鳩の羽や胸の羽毛が驚くほどつるつると艶やかだったのを思い出した。 |



