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週に一回、日本語ラジオ放送のパーソナリティを始めた。
番組の最後には必ず「今夜がいい夜になりますように」という一言を添えている。
次の朝の、あのエネルギーに耐えることができるようにという願いを込めているつもりだ。
バンコクの朝はソイをうごめく人の気配に始まる。
まだ夜明けには時間があると思える頃、顔の見分けもまだつかぬうす暗がりのなかで人々が動きはじめる。その気配は水が滲むようにあちらこちらから始まり、他の気配ともつれ合いながら少しずつ広がっていく。
陽に溶ける雪のように闇が消えはじめ、溶け残った闇とのコントラストが境目もなく明らかになる。深呼吸をしてみればもう朝はすっかり空を覆っていて、人々の顔からは眠気の表情も消えているのだ。昨日の夜になにがあったか、どんな経験をしたのか、そんなことは朝の幕があがったらもうずいぶん昔のことになる。
埃がたち始め、排気ガスやうるさい音たちが今日というバンコクをまた飽きもせずに組み立てはじめる。
人はこの都会のなかで、生きているのか生かされているのか。まずそんな疑問を抱く暇もないほどの早さで、朝はすぐに長い日中の明るさと忙しさに到達してそのまま座り込む。
今日がいい日になるのかどうか、それはまだだれにもわからないのだし感知しようもない。予感と期待、そしていざというときの諦めが三つ、朝を急ぐ人々の心のどこかにあるのだ。
今日の朝は忙しかった。そしてなんとか一日を終えた。夜をくつろいだと感じても、そのすぐ背後には次のバンコクの朝が舞台袖にスタンバイしている。
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バンコクの日本語放送J-CHANNEL
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日記
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よしなしごと です。
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毎年、たぶんこの日限りの景色だと思いたい。 夕暮れ時、日が沈んだあと、何かの影がこの空を造る。 いったいどうやって、どうなって、この影が夕暮れの空に写りこむのか。 雨季が始まる。 |
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もうこの歳になると人に誕生日などは知らせなくなる。
まして年の瀬も押し詰まってのバースデー、他人様も忙しいはず。 でも彼女は偶然この日だけは暇だった。 昔、出会ったころの彼女は19歳の学生で、いまはもう40歳になったという。 私は長くタイにいながら、お寺に誕生日のタムブン(積徳)をしたことがない。 彼女に電話をしてお寺に連れて行ってもらった。十数年ぶりに会った。 寺に着くと、誕生日は何曜日かと訊かれた。 わたしは知らない。こんど調べておきます、ハイ。 タイ人ならだれでも自分の誕生日が何曜日かを知っている。その曜日によって手を合わせる仏像の形がちがう。ある者は寝仏を拝み、ある者は歩く仏の姿を拝み、あるいは坐像を拝むというように。 彼女に案内されるままに境内へ入り、供物を買い、僧に面会を求め、僧からのインタビューに答えたり、お説教を分かった振りしてうなずいたり、私たちふたりでささげ持った器のなかに読経で生まれた聖水を、振り掛けられたり、外の樹木に振り掛けたりしながら一連の行事は終わった。 なるほど、これが誕生日の積徳か。初体験。 その後、私の知るコンドミニアムの屋上のプールサイドでビールを飲んだ。 20年前の彼女といまの彼女が何も変わっていないことは不思議だった。 黙っていることに何の抵抗もない女性で、話しはじめるとそれまでずっと話していたかのような雰囲気をかもし出す。あのころのままだ。 「変わんないねぇ」 「昔同様に美人ってことで」 「まあ、そういうことで」 40と50半ばの男女の会話じゃないな、こりゃ。 そのあと、本格的に飲み会。 彼女と同期の女性がママを勤めるカウンターバーで。 こういうのもいいものだ。他に客はなく3人だけの飲み会。しかも3人とも独身。 女同士の愚痴を聞くのも、ま、バースデープレゼントだな。 帰り際、彼女は突然親密で長いハグをくれて言った。 「私の助けが必要だったら呼んでね。たいていのことは出来るようになったの。もしできないことはできないとはっきり言うから」 いちどは言ってみたい憧れのせりふだ。 しかしこれを言えるようになるにはそうとうの自信が要る。 そうか、みんな年月をきちんとこえてきたのだ。大したものだ。 私だけが取り残されてしまった。 ハッピーバースデー トゥ ミー。 |
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タイの連続テレビドラマ「ブンポーン」の撮影終了パーティに引きずり込まれた。 てっきり撮影残りの部分の収録か撮りなおしかと思って連れて行かれたら、海沿いの一軒家。 ?と思った瞬間、 みんなから寄ってたかって桟橋へ連れて行かれて海に投げ込まれた。 これがパーティ出席者が受ける最初の洗礼だった。 久しぶりに泳いだ。 |

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朝起きて、ふとベランダへ出ると、夏の雲 !? そうか、雨季があがったのかもしれない。 昨夕まで、「今夜も降るのかなぁ、洗濯物、だめかな」 なんて思っていたのだけれど。 今年、強風を伴う豪雨で隣のアパートの屋根は傷を負った。 たった一鉢の欄の花が 咲きまくる。 |



