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去年の初め、J.D.サリンジャーが亡くなったというニュースに接した。
それから1年、やっぱり書いておこう。
ニュースを聞いたとき、真っ先に思い知らされたのは
サリンジャーの次の作品をわたしは50歳を過ぎた今でも待ち続けていたのだという事実だった。
大学を終えるころまでに、当時の日本で手に入る作品は全部読んでいたと思う。
しかし、その次はいつまで待っても出なかった。
「ライ麦畑でつかまえて」 野崎孝訳。
初めて読んだのが高校1年のときだった。
わたしが好きだったアイドルの愛読書だと週刊誌が報じたから。
そんなくだらぬきっかけで手にとって読み始めた。
ぜんぜん面白くない、と退屈しながら読み進んだ。
本当に面白くなかったのだ。
そして。
最後の1ページを読み終えて涙が止まらなくなった。
なぜ主人公のホールデン・コールフィールドに泣かされたのか、
それは人それぞれだ。
全世界で6500万部以上を出版、現在も年に25万部以上が発売されているという。
それぞれだ。
最後の1ページで泣かされたもう一冊に「風の又三郎」がある。
宮沢賢治。
これは小学5年生のある日曜日の朝だった。
まったく似たような味の涙だったと覚えている。
喪失感。あえていうなら、だけど。
あんな泣かされ方をした本はこの2冊だけ。
ここで使った写真は「風の又三郎」と自分で呼んでいる。
ラオスのヴィエンチャンで撮った。
さよならライ麦畑。 |
サリンジャー追悼
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