最近アメリカの研究チームにより、アインシュタインの相対性理論が主張する時間の歪みの効果が、初めて地上で確認された。冒頭に述べたことは、この実験結果から導き出された事実である。
アインシュタインの特殊相対性理論によると、各物体の時間の進み方は一定ではなく、その速度に応じて変化する。具体的には、観測者から遠ざかるように移動する時計は、観測者に対して静止している時計よりも進み方が遅くなる。 それでは、双子の一方が地球に留まり、もう一方が高速のロケットに乗って宇宙を飛行したあと地球に帰還したとすると、両者の年齢は果たしてどうなるだろうか。結果は、前者よりも後者の方が若くなる。これが「双子のパラドックス」と呼ばれる有名な思考実験である。 また一般相対性理論では、重力によっても時間の進み方が変化するとされている。この研究に参加したアメリカ国立標準技術研究所(NIST)のジェームズ・チンウェン・チョウ(James Chin-Wen Chou)氏の説明によると、「重力が大きいほど時間はゆっくりと進む」のだという。 速度や重力の影響で時間の進み方が遅くなることは、地上設置の時計と、はるか上空を飛行する宇宙船や人工衛星(GPS衛星など)に搭載した時計との比較実験によって確認されている。 今回の研究では、こうした時間の遅れが地上でも観測できることが初めて明らかになった。 地球が物体に及ぼす重力(引力)は、その物体が地球の質量中心に近いほど大きい。したがって質量が同じであれば、大気中に浮遊する物体よりも地表面の物体の方が、地球から受ける重力はわずかながら大きくなる。 チョウ氏らの実験には、超高精度のアルミニウム原子時計が使用された。2つの原子時計のうち一方を約30センチ上へ持ち上げ、両者に作用する重力の大きさを変えたところ、持ち上げた方の原子時計の進み方が若干速いことが確認された。 また別の実験により、時計内部で時を刻むアルミニウム原子に対する相対論的な効果も測定した。 原子時計では、帯電した原子のエネルギーレベルが変化する際に放出・吸収される電磁波の振動数(周波数)に基づいて時間が計測される。 研究チームは、2つの原子時計のうち一方のアルミニウム原子を静止したままにし、他方のアルミニウム原子にはレーザー光を当て振動するようにした。その結果、アインシュタインの理論どおり、原子が運動する原子時計の方が時間の進み方がわずかに遅くなった。 ただ、こうした時間の遅れはあまりに微小であるため人間が直接知覚できるようなものではない。NISTによると、平均寿命近くまで生きた人でも、一生の間で生じる時間の遅れは900億分の1秒程度だという。 マサチューセッツ工科大学(MIT)の物理学者ダニエル・クレップナー氏は今回の研究結果を受け、「相対論的な効果を利用しても、長生きできる訳ではない」とコメントした。 さらに同氏によれば、研究結果は既に広く認知されている相対性理論に即したものであり、特に目新しい事実はないという。 「注目すべきはむしろ、原子時計の驚異的な精度の方ではないか」とクレップナー氏は話す。今回の実験に使用されたような超高精度の原子時計に更に改良が加えられれば、物理測地学の分野ではいずれ地球の重力場を極めて高い精度で計測できるようになるだろう。 物理測地学は、地球の質量分布を計算する上で重要な役割を果たす学問分野であり、その応用として地球上に存在する水の分布や循環のしくみなどを特定することもできる。 「こうした時計を世界各地に設置してそれぞれの時間を比較できるようになれば、物理測地学は革命的な進歩を遂げるに違いない」と、クレップナー氏は期待を語った。 National Geographic
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サイエンス
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グラスゴー・カレドニアン大学の研究者は、サウンド技術と心理学を使ってどのように音楽が感情を伝達したり、気分をコントロールしたりするのかを調査しました。
音楽療法というのは以前からありましたが、今回の研究は鬱病患者などに対し、どのように音楽を個人ごとに合わせて調整できるかを発見するのが目的だとのことです。 研究では、全く違う楽曲のメロディ、歌詞、リズム、そしてピッチが解析されました。 このプロジェクトのリーダー兼オーディオ技師のドン・ノックス博士は、音楽が個人に与える衝撃というものはアップテンポの音楽が気分を盛り上げ、スローが曲が盛り下げることよりも、遥かに深いところまで浸透すると言います。 曲の構成や技術的な部分もしかり、歌詞でさえ大きな影響をもたらします。そういった諸々の要素が合わさることで、音楽が人に語りかけてくるほどの大きな表現力を持つようです。 もちろん個人の主観による要素もあります。いつどこで最初に聴いたのか、幸せな思い出はあるのか、それとも悲しい思い出があるのかなどです。 このプロジェクトは、こういったことを全て加味した上で、どの音楽が個々に合わせて最もふさわしいかを決定するための研究であるようです。 英国工学・物理科学研究会議の資金提供を受けてスタートしたこの3年がかりのプロジェクトは、今年の終わりまでには完成するようです。 らばQ
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不眠症は最も一般的な睡眠障害で、寝つきが悪い、何度も目が覚めるといった症状がある。アメリカ睡眠医学会(AASM)によると、アメリカ国民の約30%が不眠症に悩んでいるという。症状が1年間以上続いている人は「慢性不眠症」と診断される。
不眠症については長年さまざまな研究が発表されてきた。「今回、死亡率の上昇など大きな身体的影響を及ぼす深刻な病気だと明らかになった」と、研究責任者でペンシルバニア州ハーシーにあるペンシルバニア州立大学睡眠研究治療センター(Sleep Research & Treatment Center)所長のアレクサンドロス・N・ブゴンツァス(Alexandros N. Vgontzas)氏は話す。 睡眠不足を訴えた人々とライフスタイルの因果関係まで具体的に調査したわけではないが、「どのような理由があっても、睡眠不足は健康によくない」とブゴンツァス氏は強調する。一例として、同氏が以前発表した論文によれば、若年層が睡眠時間を2時間削って1週間過ごしただけでも、心血管疾患を引き起こす炎症にかかりやすくなるという。 1990〜1995年、ブゴンツァス氏のチームはペンシルバニア州で20〜100歳の男性741人(平均年齢50歳)を無作為に選び、研究の第1段階に参加してもらった。被験者は不眠症かどうかを自己申告し、実験室で1晩過ごした。その際に各被験者の睡眠時間が記録された。 被験者の自己申告と睡眠時間の記録を組み合わせたところ、6%が慢性的な不眠症であると判定された。 一方、1994〜1997年に同じ年齢層の女性1000人を対象に調査したところ、慢性と判定されたのは9%だった。 男性は調査から14年、女性は10年経過した2007年に調べてみると、1晩の睡眠時間が6時間未満の慢性不眠症男性のうち51.1%が亡くなっていた。これに対し、通常の男性の死亡率は9.1%だった。 「喫煙、肥満、睡眠時無呼吸などのリスク要因を考慮したとしても、慢性的な不眠症の男性が早期に死亡する可能性は通常の4倍高いという結果になった」とブゴンツァス氏は語る。 女性では不眠症と早期の死亡にこのような関連性は見られない。不眠症の女性とそれ以外の女性のどちらも、対象期間の死亡率は2%をやや上回る程度だった。 「男女の違いには2つの理由が考えられる。女性の調査は後から始まったので、男性よりも追跡期間が短かったこと。また、男性の不眠症は絶対数は少ないが、症状が深刻化するケースが多いことだ」とブゴンツァス氏は説明する。 論文では死因について言及していないが、「不眠症が直接の原因で死亡することはない」とブゴンツァス氏は言う。その代わり、患者は慢性的な不眠症によって徐々に消耗し、ほかの病気にかかりやすくなる。例えば今回の研究では、糖尿病や高血圧も患っていた不眠症の男性は、比較的健康な不眠症の男性よりも調査期間中の死亡率がさらに高かった。 不眠症の原因はまだほとんど解明されていない。「生まれつき寝つきの悪い人がいるだけだ、という意見もある」とブゴンツァス氏は話す。さらに、不眠症の治療方法も不明な点が多いという。例えば、ほとんどの不眠症の治療薬は不定期に発生する不眠の改善が目的で、認知行動療法のような心理学的介入も重症の不眠症患者には効果がないようだ。 「公的機関や企業はより良い治療法の研究を支援し、医師たちは不眠症の診断にもっと真剣に取り組む必要がある。医者の間では“不眠症は厄介者”と思われてきたが、そのような姿勢を変えなければならない」とブゴンツァス氏は指摘している。 National Geographic
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ヒトの体内時計は視交叉上核と呼ばれる脳の小さな領域でコントロールされ、タンパク質を合成する分子の鎖であるRNA(リボ核酸)鎖が体中の信号を24時間周期で処理する。
時計遺伝子を持つRNA鎖は白血球細胞や口の中など体のいたるところにあるが、最も分析しやすいのは体毛である。そこで山口大学時間学研究所の明石真氏の研究チームは、被験者4人の頭髪とひげを丸1日の間、3時間ごとに抜いて分析した。 被験者は起床と食事の時間など、好みの生活パターンを事前に報告した。分析が行われる日の9日前から朝型の被験者は毎日早起きし、夜型の被験者は毎日遅い時間に起きるなど、それぞれの生活パターンに厳格に従って生活した。被験者の毛の遺伝子を分析したところ、被験者が早起きしたか朝寝したかにかかわらず、起床直後に体内時計の遺伝子の活動がピークになることがわかった。これは、脳が朝にこの遺伝子の“スイッチ”を入れる時刻が人によって異なることを示す。 ほかの時計遺伝子も同様の傾向を示したため、毛を抜いて調べるだけでその人が“朝型人間”かどうかを予測できるという。 自分が早起き型か朝寝坊型かはおそらく誰もが知っているだろう。だが今回の研究によると、時計遺伝子はヒトの健康状態を知る手掛かりにもなるかもしれない。体内時計の乱れは、高血圧や糖尿病、さらには癌にも関係することが指摘されてきた。 研究チームは、体内時計が乱れる危険性がより高いとされる昼夜交代勤務の労働者の毛髪を3週間にわたって分析した。期間中、被験者の勤務時間は、分析開始前の早番(午前6時〜午後3時)から遅番(午後3時〜午前零時)へと切り換わった。被験者の毛包細胞の遺伝子を分析した結果、3週間という期間は体内時計を再調整するには不十分であることがわかった。被験者の実生活での時間のずれは7時間あったが、毛包細胞の時計遺伝子の活動で調整できたのは2時間だけだった。交代勤務制の労働者は、常に“時差ぼけ”の状態で生活していることがわかる。 研究によれば、毛包細胞分析を活用することで体が時差の調整に必要とする時間を十分に確保できるような「体内時計の機能に支障を来たさない労働条件」の整備が可能になるという。 山口大学の明石氏は、非侵襲的手法による体内時計の乱れの検査が健康被害の早期発見に役立つと話す。「毛包細胞分析を学校や一般企業の定期健康診断に取り入れて、健康的な体内時計の維持に役立ててほしい」。 National Geographic
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スタチンは、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールを低下させる作用があり、心臓発作など心疾患リスクの抑制に効果が高いことが多くのデータで示されている。
英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)国立心臓肺研究所(National Heart and Lung Institute)の研究チームは前週、スタチン製剤を服用すれば、ファストフードの脂肪によって高まるリスクを相殺できる発表した。スタチン剤1個で、チーズバーガー1個とSサイズのシェイクドリンク1杯分のリスクを抑えられるという。 研究チームのダレル・フランシス(Darrel Francis)博士は、「ハンバーガーやフライドポテトがもたらす不健康な害のすべてをスタチンが取り除くわけではないので、脂肪の多い食品を避けるほうが良いことに変わりはない。しかし心臓発作の発症率については、ファストフード1食分で増える程度のリスクを、スタチン服用で下げることができる」と語っている。 一方で、この報告に懐疑的な見方を示す専門家もいる。英心臓基金(British Heart Foundation)のピーター・ウェイスバーグ(Peter Weissberg)医療ディレクターは、「ジャンクフードの有害な影響を、コレステロール低下剤のスタチンで消すことができるかもしれないなどという主張を、額面どおり受け取るべきではない」と警告した。 同氏は「ジャンクフードにはコレステロール上昇以外にも不健康な要素はたくさんある」と指摘。塩分摂取過多による血圧の上昇や肥満などを挙げ、「スタチンは心臓病にかかっている人や、少なくともそのリスクが高い人にとっては重要な薬だが、特効薬ではない」と釘を刺した。(c)AFP AFPBB News
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