ものづくり共和国ブログ

ものづくりの楽しさ、厳しさ、大切さを現場で働く「ものづくり男」が責任編集でお送りします。

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2007-4-30

 丹波竜の発掘現場に行ってきました。尻尾の部分だけがすでに発掘されて展示されていたのですが、胴体の部分はこの秋に再調査。全身骨格がでてくれば、日本でも初。世界でも珍しいものだそうです。しかし、驚いたのは尻尾の部分にこの巨大草食恐竜とは違う、小型の肉食恐竜の牙が発見され、さらに草食恐竜の骨にはかじられた歯型が付いていたこと。うーん、映画「アイスエイジ」の世界ですな。
                                         中村智彦


 働くことの楽しさとは?

 バブル期を思い出させるような売り手市場の新卒就職活動。私のゼミの学生も、「こんなんで大丈夫かいな?」と思うほどに内定をもらってきています。「いやー参ったよ、広告だしても全く応募が来なくなった」とは、関東地方のある都市の経営者。アルバイトやパートもなかなか見つからないと言います。
 ある大手コンビニチェーンは、加盟店募集の条件を緩和し、終夜営業を必須とはしないとしたそうです。最大の理由は、求人難。深夜に働いてくれるアルバイトやパートがいなくなり、そのためにオーナーやその家族が無理をするということが負担になっているため、その条件を緩和して加盟店を増やそうという戦略に出たようです。
 しかし、一方でゼミ生の一人は、「説明会などで他の学生と話をしていると、人気企業の競争倍率はそう変わらない、求人を中小企業で増やしているから、求人難に見えるだけではないのだろうか」と言います。確かに、中小企業の経営者などに聞いても、「2007年問題が大騒ぎされて、狼狽採用的なところも多いかもしれない」と苦笑いする人もいます。
 また、「コスト削減で、契約社員やアルバイトで回すような経営になっており、求人難だからといって、すぐに正社員化できるような余裕がある会社は少ないのではないか」と疑問を呈する経営者もいます。「安い賃金の労働者が確保できなくなるということになれば、一層の機械化、合理化を進めざるを得ないし、外国人労働者の採用や、場合によっては国内での生産を諦めざるを得ないケースもでるのではないか」と厳しい見方をする経営者もいます。

 低賃金でも、きっちり、真面目に働く。そうした「日本人」だからこそ、契約社員や派遣社員、あるいはアルバイトやバイトなどで、生産現場を充分に回せてこられたという意見もあります。しかし、よく考えてみれば、正社員と同じ仕事を、不安定な契約条件で、なおかつ低賃金で働くインセンティブはないはずです。景気の悪かったこの十年間は、えり好みができないから、そういった仕事に多くの人が就いてきましたが、昨年あたりからの求人難の条件では、そんな必要が薄れつつあるのです。

 しかし、それでもそうした低賃金労働から脱出できない人も多いはずです。そうした人たちは、やはり黙々と働くしかないのでしょうか。
 先日、ある機械メーカーの経営者から、こんな話を聞きました。ある大手メーカーに生産設備を納品した。そうするとしばらく経ってから、欠陥品の製造が多いので、生産機械の改善を指示されたそうです。生産機械には欠陥があるわけでもないのに、なぜ改善命令なのか。理由を聞いて驚いたといいます。その生産機械は、複数の部品を組み合わせて製品にするのですが、部品を取り揃えるのは、その工程を受け持つ従業員たちです。欠陥製品が多発したのは、この従業員たちが、わざと本来とは違う部品をセットするために起こっていたのです。改善命令は、違う部品をセットされないようにするというものだったのです。「そりゃ、そういうものを作れと言うなら、作るけどね。実際、作って納品したけど。それって、本当なのかな。働いている人たちが、自分たちのものづくりに、誇りも、自信も、楽しさも持てないようなのって、どうなのかなあ・・・」

 こうした問題を、しばしば若者の気質の変化に原因を求める傾向があるように思える。しかし、それは本当なのだろうか。コスト削減のために、生産現場(それはいわゆる製造業に限らず)は、正社員の減らし、低賃金で不安定な雇用条件で働く契約や派遣社員たちでまかなわれる構造が定着してきた。以前、メーカー系の会社では、「若い時は、賃金が安いかも知れないが、30歳代、40歳代になって経験も積めば、役職に就け、それに見合った賃金になっていく。最後には退職金も期待できる。だから、今は我慢して頑張れ」と言われたものだった。今、胸を張って、こう言える企業はどれくらいあるだろうか。

 「もう日本人だからと信じてはいけない時代になったのだ。重要なところは正社員に任せブラックボックス化し、外部に流出しても良いところを契約とか派遣に任せ、なおかつ管理と検査を厳格にすることで、対応するしかない。」中小企業の経営者の一人は、現在の流れが大きく変化することはないと言い、このように話した。
 大手企業の工場で、わざと違った部品を組み込む従業員たち。「抗議なんだろうなあ。抗議。でもやりきれないなあ。ものを作っている現場で、そんな。」同席していた経営者はため息をついた。

 こうした話をすると、やれ教育が、とか、日本人らしさがと若者の自己責任論に持ち込んで、管理を強化することを指摘する人も多いが、果たしてそれだけなのだろうか。国際競争時代の中で、仕方の無かったこととはいえ、コスト削減や、いわゆる「アメリカ型」経営への転換が進められた結果が、こうなったのではないだろうか。 「しかしさあ、俺たちは落ちこぼれで良かったねえ。そんな人間性まで否定するようなコスト削減をしなくて良くてさあ」「コスト削減できないような安月給しか払えていないのに言うな」と若い中小企業経営者たちとの会話は、最後は笑って終わったのだが、果たして日本のものづくりの現場はどこに行くのだろうか。昔、「そんなあ!?」とアメリカの工場ではと聞いた「アメリカの労働者は、月曜日はいやいや働いているから、月曜日に作られた自動車や製品は買わない方がいい」などというエピソードが日本でも普通になってくるのも近いかもしれない。
 しかし、いずれにしても、求人難と言われる絶好調の時代に、就職活動にいそしむ学生たちにとって、「楽しんで働ける」、「誇りを持って働ける」職場探しは、「給料がいい」職場探しよりも難しいかもしれない。


 愛知ブランドのものづくり企業の経営者たちは、どんなことを考えているのか。はたまた経営者たちと話して、大学生はどんなことを感じたのか。→
『愛知ブランド認定企業社長訪問日記』

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