ものづくり共和国ブログ

ものづくりの楽しさ、厳しさ、大切さを現場で働く「ものづくり男」が責任編集でお送りします。

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2009-3-31

祝!!百号!一回遅れで、レポートも100号です。よく続いたものです。

強風で貨物航空機がひっくり返った日に、いわき市に行っていました。早起きして上野駅に着いたら、乗るはずの特急が一時間遅れ。乗ったら、乗ったで警戒で低速運転。いわきに着いたのは予定よりも二時間以上も遅れてしまい、楽しみにしていた工場見学ができませんでした。くそー、また行ってやる。



デフレ時代のものづくりは?

山形県のこんにゃく製造工場を見学しました。山形と言えば、玉こんにゃく。その会社では、玉こんにゃく以外にも豆腐なども製造している中堅どころです。

衛生の面では、非常に厳しく管理されています。かつては、消費者も大目に見ていた点も、最近では少しのことでも取引停止につながりかねないので、衛生管理は避けて通れない課題だと言います。「大手スーパーやコンビニはもちろん、生協も非常に厳しいです。抜き打ちで検査に来ますから、気が抜けません。」

手作りによる良さや、少量多品種の加工を可能にするためにできれば従業員の手による工程も残したいと思うのだが、衛生の点から言えば、できるだけ人間が触れない方がよいと言うジレンマに陥ることもしばしばとか。

「ここの工程も、味の点から言えば、やりたくないのですが、日持ちをさせるために加熱させた加工をという流通側の要求で、導入したものです。賞味期限をできるだけ長くしたいという考えは強いですから・・・」

以前、ある製麺業者と話した時も、「できればこういうのは作りたくないのだけど、流通側の要望もあるし、利益確保も重要だから・・」という意見を聞いたとことがありました。

景気の低迷による消費意欲の減退や、低価格品への要求は、ものづくりの現場をいっそう萎縮させる傾向にあるかもしれない。
大手流通各社は、競って低価格化を表明している。もちろん、大手流通各社の利益確保がうまくいっているわけではない。各社とも売り上げの低迷に悩む中、消耗戦に突入している感がなくもない。

そうした中で、製造業者に対する要求はいっそう厳しくなりつつある。今回、訪問したのは違う地方の食品メーカーの経営者は、「とにかく安くしてくれたらいい。豆腐は四角くて、白ければなんでも良いと言われて、力が抜ける思いだった」と話してくれた。

一方で、中国製品への不信から国内への製造拠点回帰が進んでいるという意見も多い。倉敷市のあるジーンズメーカーで話を聞いた。「昨年から、受注量は増えています。産地の業者の多くは、すでに廃業や倒産してしまっているので、残ったところに集中するのは当たり前ですが、中国での生産を国内に振り替える流通も多くて、さばききれなくらいです。」
では、儲かっていいですねえと話を向けると、
「そうですねえ、価格も上がってくれたらいいのですが、中国で製造していたのに少し色をつける位で、とにかく安く、早くですから参ります。仕事が戻ってきただけましですが。」

先のこんにゃく工場でも、糸こんにゃくを結ぶ作業を従業員の人たちがせっせとしている。
「おもしろいでしょう。これも、一時は中国に流れちゃった製品なんですけれど、安全性が確保できないと言って戻ってきたんですよ。でも、価格がねえ。それに、今はまだ高齢とは言え、こういう作業をしてくれる従業員を確保できますが、これから先はどうなんでしょうか。」

中小企業の後継者がいないと、まるで全て中小企業の跡取り息子や娘が悪いように言われているが、ただひたすらにコスト削減、価格低下を押し付けられては、従業員もそうだが、経営を後継しようなどとは思わないだろう。こうした現場を見ていると、私たちは自分の尻尾をかじって、ぐるぐる回っている頭の悪い動物のように思えてくる。

先日、あるテレビの仕事で、「ちょっとこれは」と苦笑せざるを得ない場面があった。ある地方の経済団体がベトナムにでかけて、これからいっそうの投資を促進しようというのだ。現地の若者は、非常に熱心に日本語を勉強し、日本の大企業はそれに応えるために技術を学ばせる学校を作り、「組み立てだけではなく、より付加価値の高い仕事をベトナムでしていこう」と言うのだ。
おいおい、ちょっと待ってくれ・・・・ベトナム側が言うのなら、まだいいのだが、日本側が、「技術力のある日本企業もぜひベトナムに進出しよう!」と主張するのだから、困ったものだ。

「うちは自社の製品に自信を持っています。今は、流通を業者に抑えられていますが、なんとか自社の名前で、自社で販売していけるものが作れないかと試行錯誤しています。ネットとかも活用していきたいと思っています。」 こんにゃく工場の後継者はそう話してくれた。

倉敷のジーンズ工場の後継経営者も、「今は全てOEMですけど、自社ブランドを持つというのが夢です。町の建物にも魅力がありますし、自社の古い工場を魅力あるものに変えるなどして、なんとか自社のブランドで勝負をしたですね。」と笑って言っていた。

「自社ブランド品なんて、若いねえ」と苦笑する年配者も多いだろうけれど、このデフレ下で、先行き不安の中で、若い経営者が希望をもってやっていくというのであれば、できるだけ応援したいと思わねば、どこにものづくりの将来があるのだろうか。

財界と呼ばれる方々にお願いしたい。大企業の論理で、とにかく安く、大量に作れる場所に移転したいというのは、それはそれで正解だろう。それを否定するつもりもないが、自分の国で、ものづくりを続けるために、どういった試みが必要なのか、また、小さくとも自分の国、地域に根ざしてものづくりを続けようとしている若い経営者たちを応援する気持ちぐらい持っていただいてもいいのではないだろうか。異国で、酒宴を開いてもらって、異国の若者はすばらしいと言っているばかりでは情けないのだはないだろうか。

このデフレはしばらく継続しそうである。私たちも、高くてもよいものを買いたいという気持ちはあっても、なかなかこの不景気、行動を伴うことは難しいが、しかし、買うときに、その品質や味がその値段にふさわしいものなのか考えてみるのも悪くないだろう。

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