マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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ネットの台頭によってメディアのパワーパランスの変化が起きています。100年に一度の変化と言われる通り、ネットがもたらす変化はメディアの世界だけにとどまりません。私は広報宣伝のコンサルタントですので、今日は広報宣伝を取り巻く状況の変化を中心にブログを書きたいと思います。

「若者のテレビ離れ」が言われています。正確には「若者のテレビ一辺倒離れ」ということです。学校の話題が昨夜のテレビのことであったのは1990年代前半ころまででしょう。ネットやゲームの台頭が若者をテレビ一辺倒の世界から遠ざけていきました。そして、今では視聴率そのものは大きく変わっていませんが、テレビは「ながら視聴」つまりBGM的な存在になりつつあります。

これから数年でテレビ離れは高齢者にも出てくる事でしょう。一つは高齢者のネットリテラシーそのものの向上です。現在のネットユーザーが高齢化すること、そして現在の高齢者のネットリテラシーが向上することの2点があげられます。またGoogle TVなどインターネットテレビの登場も、その傾向に拍車をかける事でしょう。スマートフォンやiPadなどのネット機器との接点が増えていく事も高齢者のネットリテラシーそのものを向上させる一因になります。結果として、消費者のテレビへの低関与傾向はますます進んでいきます。

テレビ視聴率が下がり、テレビへの低関与傾向が進むことにより、当然ながらテレビCMの広告費が落ちていきます。昨年、キー局では給料カットが始まり、日テレはスト決行までに至るほどです。残念ながら、テレビCMの広告費はまだ下落傾向が続くでしょう。そして広告費の下落傾向に拍車をかけるのは、日本の消費市場の冷え込みです。景気が冷え込んでいけば、消費そのものが少なくなっていきます。今までと同じようにテレビCMを流していても、今までのような結果が得られないということになります。そもそものパイが少なくなるからです。関与度とパイが少なくなるということは、CMのクオリティや得られるブランドイメージ因子/ポイントが変わらなくても結果が出ないということに繋がるのです。テレビ局は、人件費を削るだけでなく、製作費の削減を勧めざるを得ません。今、お笑い芸人がバラエティだけでなくドラマでも活躍している一要素はギャラの安さです。名のある俳優を使うとお金がかかるから、安く芸人を起用して高くなったら変えるという傾向はすでに進んでいるのです。これらの行き着くところ、コンテンツ自体が弱くなり、それがテレビへの魅力を薄めていくというネガティブスパイラルを作っていくのです。

一方、ネットのほうは利用者の増加にともない、ネット広告費は今後も増加していくことは間違いありません。結果として、ネットコンテンツも充実していきます。また、新しいシステム開発やビジネスへの投資も出来ます。ユーザーの利便性、ネットの魅力は今以上に向上することは間違いありません。すでに、広報宣伝に理解ある広告主の方々はマスメディアではなく「ネット」をコミュニケーション戦略の中核に据えて話をされていますし、コンテンツ作りも意識をされています。今後、この傾向は拡大していくでしょう。※余談ですが、弊社としても、まだまだ効率的/効果的とは言えない広報宣伝をされている広告主が多くいる中で、理論/実践面においてサポートしていきます。

今後のテレビ業界、ネット業界の戦略にもよりますが、ネットが正しい発展方向性を遂げれば、将来的にはネット広告費はテレビCM広告費と肩を並べ、抜くこともあると考えています。


最後に、テレビのダウントレンド、ネットのアップトレンドがもたらす一番大きな影響は、日本特有の流通構造へのインパクトかもしれません。日本の流通構造は卸/店の力が強くメーカーの力が弱いという構造です。実は、日本の流通構造のあり方が、優秀であった日本のモノ作りを弱くしてしまった一面があります。消費者にとって意味のない競合差別化はメーカーだけで進めたものではなく、流通の意向を意識しているという一面があるのです。私も経験しましたが、ある家電メーカーは量販店ごとに専用製品を作り、カタログを20種類程度も別に作るということもありました。

ネット広告が増えていくということは、ネットで買いたい消費者が増加することに繋がります。結果として、今のところ卸/店を意識してネットショッピングを控えていたメーカーも背に腹は代えられぬと自社ネット販売に力を入れていきます。「卸/店>メーカー」の図式は徐々にイーブンにになり、その後中間である「卸」の力が弱くなった後に「店<メーカー」となることでしょう。現在、卸/店対策としてテレビCM広告を続けてきたメーカーもありますが、卸/店対策としてのテレビCM活用も少なくなるのです。

さて、次回のブログでは、
これらの変化が広告コンテンツ制作へもたらす影響について
書いてみたいと思います。

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半年ほど前からブログ拝見させて頂いております。
いつも、非常に有用な情報をありがとうございます。

当方音楽や映像等のデジタル化とそのITでの販売を考えており、広告という点にも着眼しております。
次回のブログ記事たのしみにしております。

手短ですが、ご挨拶とさせて頂きます。

2010/10/26(火) 午前 1:23 [ Gitanes ]

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私も、いつも楽しみに読んでおります。分析、予測がとても有益です。新聞社各社の決算を見て、新聞の売上げが、各社とも、激減していて、株の売却益などで、純利益を出しているようです。新聞記事も、とてもひどくて読めないと思う昨今なのですが、新聞に広告を出している企業は、未だ多いですが、今後、どのように思われますか?よろしければ、今後、取り上げていただければと思います。

2010/10/26(火) 午後 11:37 [ こんちくしょう ]

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広告の将来はご指摘の通り深刻ですねえ。書かれている内容と呼応するように2020年大手広告代理店崩壊予測本が電子出版されています。
内容は辛辣・・しかしその後どうなるのかは書かれていませんでした。
ご参考まで https://bookway.jp/modules/zox/index.php?main_page=product_info&products_id=84

2010/11/7(日) 午前 11:00 [ - ]


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