マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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2月2日よりルパート・マードック氏率いるNews Corpの発行するthe DailyのiPad版が発刊されました。今までのように、雑誌を焼き直しにしたものではなく、動画や音声等が多用されています。従来の「新聞」という伝達手法とは全く異なる新しいメディア形態がとうとう誕生したなという印象です。購読料金も新聞1ヶ月分の購読料金があれば、こちらで1年分は購読出来るほどの低料金です。残念ながら、今のところ米国IDが無ければ購読は出来ません。早く日本でも購読出来るようになって欲しいと願うばかりです。

News Corpは他にもたくさんの従来メディアを保有しています。主要なところでは、ダウ平均株価で有名なDow JonesのThe Wall Street Journal(ウォールストリートジャーナル)でしょう。これらをどう活用するか非常に興味深いところです。経済ニュースに関して言えば、Bloombergがエンタテイメント製を持たせた放送局を立ち上げ、その結果Dow Jonesの地位を脅かした経緯もあります。オーナーがマードック氏に代わり、今度はDow Jonesが仕掛けてくる可能性も期待出来ます。

私がthe Dailyのニュースを聞いて感じたのは、まさに「ビジネスにおける勝利の方程式」の変化です。高度経済成長期に強さを極めた日本経済ですが、長く暗いトンネルに入っています。日本が強かった時代には、日本の製造工程、経営について世界から絶賛されていました。「カイゼン」という言葉が世界でもてはやされました。しかし今の時代、その日本の強さを支えた「カイゼン」ということが弱さの一因になっていると私は感じています。

「カイゼン」というのは、従来の延長線上において「悪いところを直していく。足りないところを補っていく」ということです。高度経済成長期には、上昇カーブの中で「カイゼン」は非常に強い力を発揮します。しかし、上昇カーブでない時代には、その効力は弱くなってしまうという一面を持ちます。

「カイゼン」が効果を発揮しにくくなった理由のもう一つは、インターネットの登場です。おそらく後世から見れば「産業革命」的な位置づけになるのでしょうが、インターネットの出現は「カイゼン」の効果をさらに失わせました。ネット登場前のビジネスモデルは「前より良くする」ということが基本だったと思いますが、ネット登場後のビジネスモデルは「とにかく先にやる」ということです。ネットの世界では先行したものがもっとも成功に近いからです。当然ながら、サービスを常にアップデートしていく改良は必要になりますが、根本の考え方が異なっているのです。

日本の新聞各社が出来なかったことをthe Dailyはやりました。それは「カイゼン」という「前をベースにして良いものを作る」という発想ではなく、「まったく新しいものを先に出す」という発想から生まれたものです。ここに日本と海外との違いが大きく出たように感じます。これは新聞に限ったことではなく、日本の多くのことにおいて言えます。製造業もそうですし、マネジメントという点でもそうでしょう。製造業でも、日本国内の前のものをベースにしてカイゼンしていくのではなく、グローバルマーケットに対して全く新しいモノ作りが必要だと思います。マネジメントという意味では、会社に長く勤務、つまり従来業務の延長線上で来た人ばかりを役員にするのではなく、まったく新しい発想の人間を入れることも重要です。残念ながら、多くの面で日本にはそれが出来ていないことを感じました。

the Dailyの二番煎じではなく、全く新しいthe Dailyを超えるものの登場こそが、日本の次代を切り拓くきっかけにもなると考えています。私も雑誌の発刊プランニングなど、以前携わったことがありますが、機会があればジョインしたいと思います。

ビジネス転換期をリアルに感じて行動したいものですね。

閉じる コメント(1)

確かに…
上の人たちは頭古いかも

テレビはどうなるんだろうなあ

2011/2/4(金) 午前 11:33 [ ねこかげ ?影 ]


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