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安倍総理とオバマ大統領が会食場所として選んだ「すきやばし次郎」。80歳を超えた小野次郎さんがご主人の超有名寿司屋だ。この「次郎」に批判的なブログが話題になっており、気になっていたので記事を書きたい。
飲食店の良し悪しは、人の感覚によるものだ。主に「味」「店員態度を含む店の雰囲気」「価格」によって人はその店を良いか悪いかを判断する。当然ながら、人によって美味しいと思う料理も、いい店だなと思う雰囲気も、高いか安いかについても感覚が違う。そして、その判断基準には、その人の人生やライフスタイルが色濃く反映される。高級なフレンチの雰囲気を素晴らしいと思う人もいれば、堅苦しくて嫌だという人もいる。薄味でも出汁がしっかり出ている味を素晴らしいと評価する人もいれば、出汁をよくわからずただ薄いと評価する人もいる。素材や調理法などまでわかって1品5000円の料理を安いという人も入れば、金額だけで高いという人もいる。
私はマーケティングの専門家として、消費者側も店側のこともよく見る。今の時代、店側からすれば、いかに店側にとって良いお客さんに来てもらうかが重要だ。そして、そういう人に固定客になってもらいたいと考えている。ファミレスやファーストフードの場合、固定客を満足させるという考え方はほとんどない。いかに集客し、単価を上げ、回転させるかがポイントだ。素晴らしい店になればなるほど、客を選びたいのが本音だ。なぜなら、その店にとって望ましい方々に満足してもらうことが重要であり、そのために味と雰囲気を守ることが重要だからだ。言い換えれば、店にとって望ましくない客は来てもらわない方が良いというケースもあるのだ。これが良い店になればなるほど、店の本音だ。
良い例が京都だ。京都には「一見さんお断り」の店が少なくない。これは本当に一見さんをお断りするというよりも、店にとって望ましくない客を入れないための戦術なのだ。店の入口で掃除をする人、番頭さんのような人は、何気ないふりをして客を見ているのだ。ヨーロッパも同様だ。VIPが宿泊するような高級ホテルではドアマンが客の品定めをしているのだ。
「次郎」に批判的な記事の中に「高圧的」とか「一言も話さず40分、20貫で3万円」という批判的な表現がある。寿司職人が真剣に握る場合には、客と会話をしないこともある。客が寿司と真剣に向き合うように、余計な話をしないこともある。そういう時間と空間と素材の持ち味と職人の技術を感じることが出来る人だけが行くべき店もある。その一つが「次郎」だということだ。
お客さんが店よりも偉いということはない。名店になればなるほど、お店に来させて頂いていると感じるのが高級店の客層だ。その姿勢があるからこそ、店側もお客さんに来て頂いていると感じているのだ。どんな店に言っても、お金を払っているのだから、お客さんが偉いという人は、良い店になればなるほど無言の敬遠をされてしまうものだ。
誤解されないように言えば、店側は店が偉いとは思っていない。味をはじめ店に満足してもらえなければ、二度と来てもらわなくて良いと考えている。店側とすれば、味、雰囲気、価格に満足してもらえる人と長い関係を築いていくことこそが大事だからだ。そして良いお客さんは良いお客さんを連れて来る。このことも名店は知っているのだ。
高圧的だからとか、一般的には考えられない価格だからということで、飲食店を批判することはまったくの的外れだ。本当はモノを知らないのに上から目線の人は、店側からすれば招かざる客でしかないのだ。
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