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「スーパーホテル」黄色の看板に素っ気ないカタカナ文字でホテル名が書かれているビジネスホテル。見たことがある人も多いのではないだろうか。4000円台と格安料金ながらリピーター率70%以上と脅威のリピート率を誇る人気ホテルだ。その成功の裏側に、経営・マーケティング視点から迫ってみたい。
■ ターゲットへのこだわり
通常のホテルは、旅行客、ビジネス客、単身客、カップル客、ファミリー客など、あらゆる客層に対応しようとする。そのため、これらの客のニーズを出来るだけ広く満たすために、さまざまな設備やアメニティを用意している。スーパーホテルの場合、ファミリー層やカップル層などもいるのだが、メイン客層をビジネス客に絞っている。ビジネス客にターゲットを絞ることで、ホテルが提供すべきものを絞っているのだ。
■ ターゲットへ提供するものへのこだわり
ビジネス客をメインにしたことで、スーパーホテルが対応すべき客のニーズは絞られた。それは「睡眠」だ。「睡眠」のニーズを満たすために、次のようなものを揃えた。
1)選べる枕(堅さ、低反発など用途に応じて選べる)
2)遮光性が高い部屋の作り(ブラインドを落とせば、ほぼ真っ暗になる)
3)眠りを誘う部屋の照明
4)静音型冷蔵庫(インバーターの音がうるさくない)
5)隣室の声や騒音が気にならない防音設計
6)部屋に電話がない
快適な睡眠こそがビジネスマンが求めるニーズだとスーパーホテルは規定した。確かに、ビジネスマンの多くは仕事が終わった夕方か夜にチェックインして、翌朝チェックアウトする。多くの場合、夕食は外での食事になるために、ホテルの部屋でやることは睡眠がほとんどだ。そのニーズが明らかな一方で、スーパーホテル以外の多くのホテルは、このニーズに特化することをしなかった。それゆえ、ビジネスマンにとって余分なものまで用意され、その分宿泊費は高くなる。また、遮音性、遮光性についても、スーパーホテルほどこだわり切ることが出来なかったのだ。
■ 「睡眠」を補足するニーズ
「ビジネスマンにベストな睡眠を与える」ことがスーパーホテルの最大の目的だ。ビジネスマンにより快適に過ごしてもらうために、スーパーホテルは「健康」というものを第二のテーマに掲げている。それを表すのが次のものだ。
1)健康スリッパ
2)血行を良くするパジャマ
3)素材にこだわった朝食ビュッフェ
4)大浴場(天然温泉もあり。大浴場が無い施設もあり)
ビジネスマンにとっては、次の日に疲れを残さないものがムダ無く整えられている。
■ とことんこだわった運営効率化
スーパーホテルがターゲットを絞り、提供する設備やサービスを絞ったことは、多くの企業にとって参考になる点が多い。その過程の中では、ターゲットではない人達から、無いものねだりをされたり、クレームを言われたり、リピーターにならなかったりすることもあっただろう。しかし、その部分も含めてスーパーホテルは「取捨選択」を徹底的にやったのだ。そして、決めたことに対して、徹底的に運営を効率化した。次にその点を述べたい。
1)チェックイン時に会計
2)暗証番号による入室キー(1とともにチェックアウト時にはフロントに立ち寄る必要がない)
3)フロントは夜間クローズ(24時を超えた場合、2による入ホテル)
4)ベッド下をなくすことで清掃の手間とコストを削減
5)朝食はビュッフェ形式、ドリンクは朝食時のみ自販機が無料になる仕組み
6)コンシェルジュ、レストランは無し
その他
7)電源コンセント位置、コンセント数がビジネスマンに嬉しい設計
8)睡眠が主目的で遮光性にこだわっているため、部屋からの景色にこだわらなくて良い
=立地場所自体のコスト削減
■ スーパーホテルが流行る当然の理由
常に新規客を獲得するのではなく、リピーターを獲得することが、今の時代に経営を安定させることであり、マーケティングを成功させるポイントだ。ターゲットを絞り、そのターゲットに満足してもらえる要素を絞り、経営効率を最適化させる。何がすごいわけではなく、取捨選択を徹底的に行って、普通のことを質が高い形で実現したことにスーパーホテルの成功の理由がある。
素晴らしい製品やサービスがなくても、経営やマーケティングがこだわることによって普通のビジネスが成功をおさめることの出来る好例だ。
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これ、外国人にも人気でそうですね
朝食だけついてれば、あとは寝られればいい、寝心地がよければなおいい、という人は多そうです
あ、でも観光客の予約は受けないのかした?
2014/5/4(日) 午前 9:30 [ ねこかげ ?影 ]
ねこかげさん、団体客の予約は受けないのですが、通常予約は大丈夫です。外国人客もちらほらみかけました。
2014/5/7(水) 午前 11:30 [ ラッキーマン ]