マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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今や表参道の名物になったパンケーキ。かつては原宿のクレープが表参道近辺に来る旅行者にとって食べる楽しみナンバーワンの存在だったが、今やパンケーキの方が行列は長い。今日は、このパンケーキがブームになった理由と、そのブームに乗って最も成功しているパンケーキ店について書きたい。

■ ブームになった理由1<カテゴリーイメージを変化させた>

パンケーキは最近出来た食べ物ではない。以前から日本にもあったものだ。そう、長い間ホットケーキと呼ばれていたものなのだ。ホットケーキと言えば、家で焼いて食べるもの。母親に焼いてもらったり、親子で焼いたりとファミリーとしては楽しいオヤツだったが、オシャレ感もメジャー感も薄い存在だった。ホットケーキではなくパンケーキとカテゴリーネーミングを変化させたことで、ホットケーキのイメージは薄くなり、パンケーキというオシャレなカテゴリーに生まれ変わった。もちろん、単純に名前を変えただけではない。ホットケーキと呼ばれていた時には、ハチミツとバターがメイントッピングだったが、パンケーキにした際に、トッピングにバリエーションを加えた。山盛りのホイップクリームやフルーツの盛り合わせだ。またベーコンや卵焼きと合わせるものも増えた。

カテゴリー名称を変え、イメージを変えたことで、パンケーキがトレンドとなる素地が作られた。

■ ブームになった理由2<海外のトレンドイメージを付加させた>

パンケーキブームの発祥はeggs'n Thingsだろう。休日には行列が百人を超え、数時間待ちということもある人気店だ。eggs'n Things と言えば、ホノルルで有名なパンケーキ屋だ。私はホノルルも表参道も行ったことがあるのだが、厳密には関連性は無いということなのだが、ハワイで大人気のパンケーキ屋が日本に登場したということで、パンケーキブームに火がついたのは確かだ。eggs'n Thingsだけでなく、あるメディアで世界で一番おいしい朝食と言われたbillsも日本に進出。ハワイで大人気のパンケーキ、世界でもっともおいしい朝食と呼ばれたパンケーキ。これらの出店でトレンドは不動のものとなった。

海外で人気のものが日本に入って来たということで、一度は食べてみたいという好奇心が高まり、トレンドは本格化した。

■ ブームになった理由3<出店場所が集中した>

eggs'n Thingsbills表参道は直線距離にして100m程度だ。この2点を中心にして近隣にパンケーキ店が多数出店した。今やeggs'n Thingsと同じくらい人気があるのではないかと思われるレインボーパンケーキをはじめ、多くのパンケーキ店が出店することで、表参道に行ったらパンケーキを食べるということが旅行客の定番になってきたのだ。「どこに行って何をする」ということは旅行客にとっては大事だ。「表参道に行って、大人気のパンケーキを食べた!」と聞けば、テレビなどで情報を知っている友人達は「いいなあ」ということになる。ましてSNSが発達した今、フェイスブックなどに投稿するネタとしては鉄板だ。もう一つ、一カ所に同業種店が重なることのプラスはある。それは、ある店が行列で入れなかった時に、別の店に行きやすいということだ。お目当ての店がダメでも、表参道でパンケーキを食べるということは出来る。これが一カ所に同業種店が集中することのメリットでもある。

出店場所があるエリアに集中することで、店としてだけでなく場所としての集客力が増し、トレンドは加速した。

■ マーケティング的に注目のパンケーキ店

表参道でもっとも人気のあるeggs'n Thingsや世界一美味しい朝食という売り出し文句のbills。どちらもマーケティング的には評価するものがある。eggs'n Thingsの見た目のインパクトはSNS受けするものだし、billsが世界一美味しい朝食というキャッチコピーは人を魅了する。実際の味以前に、マーケティング的に流行る要素がいろいろとある。ただ、私がもっとも注目しているのは、この人気2店ではない。表参道にあるカフェカイラというパンケーキ店だ。

カフェカイラは、ハワイでもっとも美味しい朝食をキャッチコピーにして集客を始めた。オープン当初は、店員が表参道に出て客引きに一生懸命だった。パンケーキ市場が伸びるとともに、カフェカイラの人気も伸び、今や行列店になった。カフェカイラが成功したのは、成功しているパンケーキ市場に参入したこと、表参道に出店したことだ。そして、適切なキャッチコピーで売り出したことだ。正直なところ、私は毎年ハワイに行っており、カフェカイラよりもeggs'n Thingsよりも人気店を知っているし、個人の味覚にもよるがおいしい朝食も知っている。ただ、あるメディアや評価機関の調査をもとに、キャッチコピーを前面にして人気感を演出していくのは重要なことだ。カフェカイラは、その活用がもっとも上手だった。そして先日、レシピブックを発売すると発表した。他が発売していないレシピブックを発売することで、パンケーキ業界のオピニオンリーダー的なイメージを醸成することが出来る。また、ホームページを見ても、メディアで取り上げられた実績などをこまめに公開している。まさにマーケティングの当たり前のことを当たり前にやっていることで成功しているのだ。

カフェカイラの戦略としては、この流れにのって出店拡大を続け、ブームとしてではなく継続ビジネスとしてパンケーキ事業を成功させていくことだろう。そして行楽地や都市部を中心にFCビジネスを展開していくことと予測している。ブームとともに終わるのではなく、ビジネスとしての成功を目指している姿が、他の店以上にカフェカイラには感じられるのだ。

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