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加工食品には”3分の1ルール”と呼ばれるルールがあるのをご存知だろうか。製造日から賞味期限までが仮に6ヶ月だとすると、メーカーや卸流通業者は6ヶ月の1/3、つまり製造日から2ヶ月以内に小売店に納品するというシステムだ。逆に言えば、製造日から賞味期限まで1/3を超えると納品出来ない。これは1990年代に大手スーパー・量販店が採用したシステムだ。より新しいものをフレッシュな状態で消費者に届けるために、当時の大手スーパー・量販店がメーカーや卸流通業者に求めたことがきっかけだ。その後、製造日から賞味期限まで2/3を切った商品は卸流通業者に返品するというシステムもある。根本的には日本独自の流通システム、つまりスーパーや量販店がメーカーや卸流通よりも力関係で強いからこそ成立しているものだ。これは加工食品業界に限らず、多くの業界で似たようなルールが見られる。
消費者側からすれば、製造日から賞味期限まで1/3を超えたところで何も問題はない。たしかに製造日が新しい方を買いたいのは消費者心理だ。ただ生鮮食品ならまだしも、3分の1ルールが適用されているような加工食品に関しては、消費者のこだわりは薄い。
ちなみに1/3を過ぎて小売店に納品出来なくなった商品は、別の業者に格安で引き取られる。それが100円ショップなどのディスカウントショップやディスカウントスーパーに持ち込まれて、格安で売られることになるのだ。100円ショップやディスカウントショップの人気ぶりを見ればわかるように、1/3を過ぎた商品を消費者は”お買い得”と言って喜んで買っているのも事実だ。
ちなみに諸外国の例をあげると、アメリカでは1/2ルール、イギリスでは3/4ルールが存在する。そのルールと比較しても日本の1/3はメーカーや卸流通業者にとって厳しい環境だ。
1990年代とは異なり、いまや誰もがエコを気にする時代だ。また、そもそも製造日から賞味期限まで1/3を過ぎた商品の購入を控える人は少ない。世界の中でも日本が独特である流通構造。その頂点にある販売店が主導となり、3分の1ルールは早期に修正されるべきだろう。業界リーダーであるイオンやセブンアンドアイなどが主導で実施すれば、他の販売店もそれに倣うはずだ。そのリーダーシップによってイオンやセブンアンドアイの企業イメージは上昇し、メーカーや卸流通業者だけでなく、株主など市場関係からも高い評価を受けることになる。
食品流通"3分の1ルール”をなくすには、これら大手スーパーの決断こそが決め手だ。イオンやセブンアンドアイだけでなく西友も元気を取り戻して来た。大手販売店という意味では、西武も再上場した。意味がほとんどない"3分の1ルール”を見直す絶好の機会は今だろう。
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