マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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2014年5月7日、日本マクドナルドは「とんかつバーガー」の発売を開始した。単品で399円、バリューセットで699円だ。とんかつ系のバーガーと言えば、モスバーガーの「ロースカツバーガー(単品400円)」があげられる。以前より期間限定メニューとしてチキンタッタを展開してきたマクドナルドだが、今このタイミングで「とんかつバーガー」を発売したのはなぜだろうか。

■ 苦境脱出の糸口をなんとか見つけたいマクドナルド

2014年4月時点で、客単価こそ前年比で改善しているものの、客数、既存店売上高、全店売上高とも前年比割れが続いているマクドナルド。高価格化を推進しつつ、客数を伸ばし、売上高を伸ばしたいというのはマクドナルドの狙いだ。

男女ともに「がっつり系」を好む消費者が増える中で、カレーやラーメンに次いで国民的人気を誇る「とんかつ」に目を向けるのは自然な流れだ。ちなみにカレーについては、モスバーガーが「カレーナン」をメニューとして入れている。またラーメンについては5月20日よりロッテリアが大勝軒とのコラボのラーメン系バーガーを発売する。がっつり系メニューを強化することは、客単価の上昇にも繋がる。また、とんかつの価格ととんかつバーガーの価格を比べれば、とんかつバーガーの価格の方が安い。最近、マクドナルドは高額になり、コスパが悪いと言われることが増えて来たが、うまく行けば一石二鳥だ。

具体的な打ち出しイメージが大事で、ハンバーガーとしての目新しさ感を出すのではなく、とんかつ市場の中で、ハンバーガーという新しい切り口が登場したという見え方をさせるべきなのだ。消費者に、ハンバーガーと比較させるのではなく、とんかつと比較させることで、購入のハードルを下げるのが得策だ。

ただ、これで成功するのかどうか。実際には難しいと思われる。

■ とんかつバーガー登場でもマクドナルドが苦戦する理由

なぜ、とんかつバーガーが成功しないのか。マクドナルドにあるフライヤーに入れれば、とんかつはあがるだろう。したがって、調理的にはそれほど難しいものではない。チキンタッタなどと大きな変わりはない。ただ、2014年4月のブログ「スマイルの戻らないマクドナルド」やそれ以前に何度かのブログでも書いた通り、マクドナルドの根本の問題は店員教育にあるからだ。通常時にはたいして難しくないオペレーションでも、改善の見られない現状においては、ますます負担になる危険性がある。最近、ハンバーガーなどでも包み紙を開けると、明らかに雑な作りで出来た状態でハンバーガーが出てくることがあるあたりも気になっている。

社員だけでなく、バイトに関しても、売り手市場がますます進んでいる。すき家やワタミはスタッフが確保出来なかったり、適切な労働環境に出来ずに店舗休業や店舗削減をせざるをえない状況に追い込まれてもいる。マクドナルドにとっても他人事ではない。”スタッフ”にきちんと働いてもらうような状況にすることが最重要事項なのだ。

とんかつバーガーで、一時的な来店数は増えるだろう。また客単価の改善にも繋がるだろう。しかし、それは一過性のものに過ぎない。マクドナルドに求められているのは、メニュー開発ではなく、スタッフ教育だからだ。この後、マクドナルドの定例視察に行き、とんかつバーガーも食べてみる。また、不定期でマクドナルドについては記事を書くつもりだ。

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