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1979年に発売されて以来、40種類以上の味を発売し、現在も17種類+地域限定品などを発売しているうまい棒。 うまい棒が20円のものを出した。世の中のお菓子を見れば、20円のお菓子など安すぎる。しかし、バブルにも、リーマンショックにも、アベノミクスにも影響されず10円を続けて来たうまい棒が、ついに20円のものを出したということが消費者からは驚きだったのだ。 「プレミアムなうまい棒」を食べてみたい。子どもだけでなく、子ども時代にうまい棒を食べていた40代のお父さん世代でも、感じている人は多いのではないだろうか。
■ プレミアムうまい棒を求める消費者心理
プレアミムうまい棒が話題になった。これは、長い間10円を続けて来たうまい棒だけが出来る話題作りなのだろうか。
それは違う。実は、多くの企業でも仕掛けることが出来る戦略だ。結論から述べさせて頂こう。
”消費者は「絶対価格」ではなく「相対価格」で判断することが多い”
つまり、固まった価格イメージと実際の価格の「落差」こそが消費者の判断基準になるのだ。
うまい棒の場合、価格を問われたら誰もが10円と答えるだろう。それほどまで「うまい棒=10円」のイメージが消費者の中に固定化されている。そして、多くの人はうまい棒はそれなりに美味しいと感じている。だからこそ、10円ではなく20円のうまい棒に多くの人が興味を持った。
「落差」をうまく使った例は、うまい棒に限った話ではない。別の例をご紹介したい。また、うまく活かせなかった例もご紹介したい。
■ 牛すき鍋御膳で復活した吉野家
低価格牛丼戦争に突入し、昨年前半まで低迷していた吉野家。牛丼の倍以上の価格である牛すき鍋御膳を投入し業績は急回復した。牛丼との比較では倍以上の価格差だが、消費者は”すき焼き””ランチ”という軸で牛すき鍋御膳を捉えた。580円という価格は”すき焼き””ランチ”という点において、市場平均よりも安い。その「落差」が消費者にとっては高い価値に感じられたのだ。
■ マックカフェで失敗したマクドナルド
うまい棒や吉野家が成功した一方、「落差」によって失敗した企業もある。その一つがマクドナルドだ。マクドナルドの現状と未来については、ブログだけでなく、「日経ビジネス」「財界」などにも寄稿させて頂いた。失敗の原因の一つは、マクドナルドが「落差」を判断出来なかったことにある。”安くて、楽しくて、そこそこ美味しい”ことが、好調時のマクドナルドだった。それがマックカフェ登場とともに、高価格メニューを多く投入するようになった。もともと”安くて、そこそこ美味しい”ことに価値を見いだしていた消費者は、”美味しさを目指して高い”マクドナルドには魅力を感じなかった。「マクドナルドにしては高い」「ランチとしては高い」「マクドナルドが高くなっても、モスバーガーやフレッシュネスバーガーの方が美味しい」うまく「落差」を作れなかったことは、マクドナルドの低調が続いている原因の一つなのだ。
■ 最後に
ただ高いもの、ただ良いものだけではなく、市場の価格イメージ、当該企業や製品の価格イメージとの「落差」が大事なのだ。今回のプレミアムうまい棒は、マーケティング戦略において「落差」が武器になることを示した好例と言えよう。
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