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上海福喜食品の食品衛生管理に関するニュース映像が大問題になっている。地面に落ちた肉をラインにそのまま戻したり、明らかに黴びている肉を生命に影響が無いということで使用したりする映像は世界に衝撃を与えた。上海福喜食品から食品を仕入れている企業だけでなく、ケンタッキーフライドチキンなど関係のない企業まで次々に使用状況を発表するという事態になっている。
この中でファミリーマートのガーリックナゲット等とマクドナルドのチキンマックナゲットに消費者の視線が集まっている。日本マクドナルドはチキンマックンゲットの販売中止を即座に発表した。マクドナルドはチキンマックナゲットの約20%を同社から仕入れており、国内全体店舗のうち約40%(1都10県)にて提供していた。東京、千葉、埼玉などは全店舗で提供されていたようだ。すでにタイや中国の別会社が生産した鶏肉への切り替えを進めており、21日に販売中止したチキンマックナゲットを23日は販売再開するようだ。この問題が経営に与えるダメージは少なくない。
前原田CEO体制時代、マクドナルドの利益率は向上したが、マクドナルドがもっとも大事であった”お客さまへのホスピタリティ”は失われた。スマイルは店頭から減り、ファミリー層の割合が減った。この背景には、利益率優先のために直営店を減らし、フランチャイズ化を促進したことにある。マクドナルドのビジョンが浸透しづらくなったことに加え、期間限定メニューなどの頻発によってオペレーションも煩雑になり対応が難しくなった。一方でマクドナルド本部からFC加盟店に対してのロイヤリティを始めとする条件はますます厳しくなった。FC店にしてみれば、顧客へのホスピタリティを気にできないほど厳しい状況が進んでいるのだ。
前原田CEO体制の後半になって、多くの人がこのほころびに気づき始めた。利益率は以前よりも上昇し、他のファストフードチェーンと比べても悪くないのだが、客単価や客数の減少に歯止めがかからない状況を見て、何かおかしいと感じるようになった。結局、最後は、サラ・カサノバ氏へCEOを譲り、原田氏はマクドナルドCEOを退任した。
カサノバCEOは失ったファミリー層を再獲得することを就任時に宣言した。ところが消費者はそんなに甘いものではない。そもそも「そこそこ安くて、そこそこ美味しくて、楽しい」ことが売りだったマクドナルドなのだが、「そんなに安くなく、ファミリーが楽しい場所ではない」というマクドナルドに戻るほど、顧客が飲食場所を選ぶ選択肢は少なくない。
また販売中止から2日でチキンマックナゲットの販売を再開するということだが、消費者の不安を払拭し、安全宣言をするには、上海福喜食品ではないタイや中国別工場の品質管理においてのチェックを入念にすることが望ましい。販売中止から再開まで2日間で供給出来る供給のバックアップ体制は見事だが、やや拙速な印象を受け、ここにも効率優先の印象を受けるのは否めない。
結局、カサノバ氏がCEOに就任してから今に至るまで、ファミリー層の再獲得ならびにマクドナルドの復活への糸口は掴みきれずにいるのだ。
その中で起きた今回の食品衛生管理問題。以前よりマクドナルドが使用している食材に関しては不安視する声が少なくない。マクドナルドに限らず、食品の安全度や美味しさと価格は連動する。消費者は、自分の許容範囲を決めて食べものを食べている。消費者は一人一人が自分で判断してきた。ただ少子化が進む日本において、子どもには安全な食品を食べさせ、高い教育を受けさせようと思う親が増えている。
安全性に疑問を感じるような食品は出来るだけ避けたいというトレンドにおいて、今回の問題がマクドナルドに与えるダメージは大きい。
関連ブログ:
「経営急激悪化!マクドナルドが崖っぷちな理由とは?」(2014年7月9日公開:All About)
http://allabout.co.jp/newsdig/c/67891
「苦境のマック、なぜ主要客・ファミリー層の“心”は離れた?客数減の理由を店舗から考える」(2014年1月2日公開:ビジネスジャーナル、ヤフーニュース掲載)
http://biz-journal.jp/2014/01/post_3753_2.html
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怖くて外食もできなくなりそう…
2014/7/23(水) 午後 1:23 [ ねこかげ ?影 ]