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■ iPhone6フィーバー
iPhone6発売から数週間が経った。私が毎日通る表参道アップルストアの前には、発売の3日前からすでに行列が出来ていた。銀座他、各地でiPhone購入のために長い列ができた。スティーブ・ジョブスが亡くなった後でも、アップル人気に陰りは見えない。
発売後にポケットに入れたら折れ曲がったとか、5Sの方が良かったというような意見はあるものの、大きな問題にはなっていない。しかしその一方、発売日にあれほど話題になったにも関わらず、それ以降は大きな話題にはなっていない。私のまわりにも、最近、購入したという人、これから購入するという人は多くない。
■ iPhoneフィーバーのからくり
実は、これはわかっていたことだ。新型iPhoneがこれほどの人気を博すのは、製品スペックに対して期待しているからではないのだ。
スティーブ・ジョブスが生きていた頃は、「ジョブスは世の中にまったくない何を生み出してくれるのだ」という製品への期待が消費者にはあった。iMac、iPod、iTunes、iPhone。毎回の製品発表は、それまで見たことの無い新製品への期待感で一杯であり、その新製品が自分の生活や世の中をどう変えてくれるのかという期待感で一杯だった。だからこそ、新製品発表、新製品発売は、大フィーバーになったのだ。
しかし、スティーブ・ジョブスが亡くなった後、状況は変わった。現在の新製品フィーバーは製品のスペックに期待してのものではない。そこにあるのは新製品に対してよりも、アップルの新製品を購入するというプロセスへのフィーバーなのだ。アップルの新製品を購入するまでの行列や”開封の儀”と呼ばれる新製品開封の様子をソーシャルメディアにアップする。実際に行列に交じって店舗で購入する人の中には、アップル店員とハイタッチしながら店内に入って行く。iPhone新発売がいまだに人気があるのは、スティーブ・ジョブスが残した強烈なブランドイメージと、イベントそのものを楽しもうとする消費者心理なのだ。
■ iPhoneフィーバーを支えるマーケティング背景
今の日本、イベントは盛り上がっている。CDやダウンロード音源は売れなくてもライブは活況だ。先週末に行われたEDMの世界的イベントULTRAの日本初上陸であるULTRA JAPANも数万人を動員して大盛況だった。宣伝やPRにおいても、消費者へのアピール、マスコミへのアピールの両側面から、PRにイベント的な要素を取り入れることが当たり前になった。「イベント参加→ソーシャルメディアへのアップ」は今の日本人の典型的な行動パターンの一つなのだ。その裏にあるのは、楽しく充実した時間を過ごしている自己プロデュース意識であることは言うまでもない。
ソーシャルメディアが人々の生活にとって欠かせないツールの一つになっている。消費者がスティーブ・ジョブスの残したアップルというブランドイメージを愛し、アップル製品を愛する限り、このフィーバーは終わらないだろう。
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