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2014年10月20日、小渕優子議員が経済産業大臣を辞任し、松島みどり議員が法務大臣を辞任した。第二次安部内閣には痛手となった。
■ 両議員の問題の概要
小渕議員の問題は、後援会の人達に明治座の観劇券を格安で提供したというものだ。これが選挙区への利益供与にあたる懸念が出たというものだ。恥ずかしながら自分自身も知らなかったと発言し、一から出直すと反省の弁を述べた。
一方、松島議員の問題は、自身のPRが書いてあるうちわを配布したという問題だ。当初、うちわであること自体を批判した松島議員だが辞任会見では「うちわと言われればうちわであるが、寄付行為だとは思っていない」と述べた。また小渕大臣と同日辞任になったことについては、特に合わせたわけではないとも述べた。
■ 対照的な両議員の会見
私も国会議員、地方議員の方々と多少なりともお付き合いをさせて頂いている。また小渕議員とは深い関わりがあるわけではないが、議員になる前にお会いしたこともあり、誠実な人柄については好印象を持っていた。
小渕議員の会見では収支報告について、子どもの頃から知る信頼できる人に任せていて、自分は知らなかったが、それではダメだったと反省の弁を述べた。また内閣にまったく貢献出来なかったとも述べた。プロの視点から見れば、頭を深々と下げ、率直に反省の弁を述べる会見は、この場としては100%の出来だった。企業の経営者や政治家は、プレゼンやインタビューについてトレーニングを行う人も少なくないが、小渕議員は練習したものではなく素がストレートに出たものだろう。
小渕議員の大臣辞任に関連し、小渕議員の資金管理をつとめる群馬県中之条町長が同日辞任した。インタビューで「代議士は何も知らず責任は無い」と述べた。
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一方の松島議員だが、納得のいかない様子がありありと見えてしまった。小渕大臣との同日辞任は合わせたものではないと発言しつつも、政治の停滞を招かないために自分自身が辞任したと発言をした。国会討論や会見でも、明らかにうちわであるものをうちわではないとか、うちわと言われればうちわと発言したことも、有権者からは反省していると見えなかった。確かに多くの議員がうちわを作っている事実もあるし、うちわが寄付行為にあたるという公職選挙法にも問題はあるだろう。ただ「悪法と言えども法は法」だ。ルールを遵守すべき国政のトップが自らルールを破るという姿勢は、有権者から見ればNOなのだ。この点において松島大臣の辞任会見の点数はよくつけて40点だ。
■ 安部内閣のしたたかなPR戦略
女性の社会進出促進を掲げた第二次安部内閣にとって、2名の女性閣僚の辞任は痛手だ。特に小渕大臣には国民からの期待も大きかっただけに痛手だ。有権者にしても小渕大臣の辞任を残念に思っている人は少なくない。
こうした状況の中、2名の女性閣僚を同日辞任させる理由は、安部政権へのダメージを最小限に抑えるためだ。この問題が長引けば国会が停滞する。そして有権者の安部首相、安部内閣への不信感、不満感はどんどん高まっていく。小渕議員にしても、松島議員にしても、問題解明はこれからという事態ではあるが、問題解明と説明を待っていればいるほど、安部内閣にはダメージが増していくのだ。まして問題解明した結果、クロという事態になった時には目も当てられない。
だからこそ、同日辞任させることで、短期的には大きな話題になっても、中期的にダメージが少ない方法を選んだのだ。
2閣僚同日辞任は、今までの政権には見られなかった”したたかなPR戦略”の一端なのだ。
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