マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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外国人観光客の勢いを感じる。高島屋新宿店、伊勢丹新宿店、東急百貨店本店、表参道、原宿、中野、秋葉原。あらゆるところで外国人の姿が増えてきた。2014年前半は、観光ビザ要件緩和もありタイ人観光客が大幅に増えた。そして2014年後半は、10月に化粧品・食料品にも免税範囲が拡大されたことも影響し中国人観光客が大幅に増加した印象だ。

■ 百貨店を支える外国人観光客

日本百貨店協会が発表した2014年の全国百貨店売上高は、6兆2124億円(前年比0.3%)となった。私は、アベノミクスによる富裕層の高額消費拡大と外国人観光客の消費によって、もう少し数字は伸びるかと思ったが、あまり伸びなかったという印象だ。

前年比1.9倍に伸びた外国人観光客の免税売上。免税売上は、2014年12月まで23ヶ月連続でプラスであり、2014年12月には初めて100億円の大台を突破している。それでも前年比0.3%増というのはやや寂しい。

内容別に見ても婦人服を含む衣料品の売上は下がっている。富裕層の女性がデパートで婦人服を購入しなくなった一方、雑貨や宝飾・貴金属の売上は増加している。これらの状況を見ると、もはや日本人客だけでなく、外国人観光客なしには、デパートのビジネスは苦しくなっている。

この減少はデパートだけではない。都内の家電量販店においても外国人観光客の割合は日増しに増えているのだ。カメラ売場、おもちゃ売場、時計売場、化粧品売場。どこに行っても外国人観光客の姿を多数見かける。

■ 凄まじい外国人観光客数のアウトレットモール

この勢いは都心部だけでなく地方でも感じる。例えば、富士山が美しく見える「御殿場プレミアムアウトレット」では、都心のデパート以上に中国人観光客の姿が目立つ。バスツアーのルートにもなっているのだろう。彼らのお目当てはブランド品だ。特にプラダ、グッチなどの高級ブランドショップは中国人でごったがえし、ボッテガ・ヴェネタに至っては入場整理されるという事態もあった。1年前までは考えられない状況だ。外国人観光客からすれば、円安によって観光費用が安くなった一方、アウトレット価格でブランド品を買うことが出来るというメリットはとても大きいのだろう。感覚値とすれば、2015年1月の休日の「御殿場プレミアムアウトレット」の中国人観光客割合は15〜20%にも及んだのではないかと感じる。

■ 原宿に集う外国人観光客たち

表参道、原宿を毎日見ていると、その外国人観光客数が増えていることは肌で実感できる。原宿駅を出て、竹下通りに入ってすぐ左手にあるダイソー(100円ショップ)にはお土産を含め雑貨や菓子を買いまくる外国人観光客で大賑わいだ。その外国人客割合は、おおよそ50%程度。実は、東京の中でもっとも外国人観光客がお土産を買う場所は、このダイソーなのではないかと私は感じているほどだ。

竹下通りを歩くと、やはり外国人観光客の姿に多く出会う。ただデパートやアウトレットに中国人が多いのとは対照的に、原宿は欧米人が多い。欧米人の女性の中には、カワイイファッションに憧れているのだろうか、コスプレをしている2-3人組も少なくない。日本人よりも外国人の方がコスプレをしている人が多いのも面白い。原宿のカワイイカルチャーが、一人歩きして外国へ伝わっていることを実感できる。

外国人観光客が食事をするのはラーメン屋だ。例えば、原宿駅寄りの表参道にある「九州じゃんがらラーメン」。ここには多くの外国人観光客が訪れる。地方から来た日本人の小中有高校生女子がクレープを食べたり、大学生や社会人女子がパンケーキの行列に並ぶのとは異なり、外国人はラーメン屋を訪れる。2年前くらいまでは竹下通りを抜けたところにあるスパゲティ屋「五右衛門」が人気だったが、今ではあまり人はいない。その一方で、日本人観光客でもわかりづらい場所にある「表参道コーヒー」。日本家屋の店舗が人気で、わかりづらい場所にも関わらず、多くの外国人観光客に人気のスポットになっている。

2014年12月には、竹下通りを出てすぐの場所に「原宿観光案内所」をオープンした。ここは外国人観光客向けの案内所だ。マップ、外貨両替、配送サービスの他、日本のお土産も展示されている。この近くに、原宿カワイイカルチャーの代名詞的存在である、きゃりーぱみゅぱみゅの所属するアソビシステムの事務所もあるのだが、そのアソビシステムが展開する原宿情報発信プロジェクトの一環としてオープンし、渋谷区観光協会が運営に携わっているものだ。まだまだ知名度は低く、利用客もそれほど多くないが、今まで自然発生的に世界へ情報が伝わっていた原宿が初めて能動的に情報発信するための場所を作った点で注目だ。

■ まとめ

今までの日本は、自動車を中心とした高性能のモノ作りが経済の主軸であった。しかし、それが日本国内でいつまで続けられるかは難しい面もある。日本が今のような生活水準を維持していくためには、あらたな産業の活性化に力を入れていかなければならないだろう。その主役の一つが観光業だ。今、政府は観光立国化に向けて、取り組みを強化している。これは日本の独りよがりではない。多くの外国人観光客が日本に来て、日本の良さを実感し、帰国している。日本の良さとは自然や建造物の美しさ、モノが揃っているショッピングの楽しさだけではない。世界の中でも美味しさに定評のある料理、そして何より日本人の優しさや礼儀ただしさが評価されているのだ。政府が掲げる地方創世にも、外国人観光客は大きな役割を果たしてくれるポテンシャルがある。

全国百貨店売上の発表を見て、実際の目でデパート、アウトレット、観光地を視察して感じることは、これからより一層重要になる外国人観光客の存在だった。

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ここ数日、YouTuberたちの収入が減少しているという話題が、ネット界隈を中心に盛り上がっている。YouTubeという動画サイトを見たり、YouTuberという言葉は聞いたことのある人は多いと思うのだが、YouTubeビジネスについて説明し、マーケティング視点から説明したい。今回の内容は基本的にYouTubeについて書くが、一部LINEなど他のビジネスについても触れようと思う。

■ YouTuber誕生の歴史

2011年よりYouTubeが行ってきた「YouTubeパートナープログラム」。一般の人達でもYouTubeに動画をアップすることによって閲覧数に応じた広告収入を得ることが出来るというシステムだ。もともと一般人もYouTube上に動画をアップすることは出来たが、このプログラムによって収入まで得られる可能性が出たのだ。

このプログラム以降、YouTubeの広告収入だけで生きていける人が徐々に増えた。ただ、その存在が大きくクローズアップされたのは2014年末に行われたTVCMだろう。ヒューマンビートボックスで有名なHIKAKINさんを始め、YouTubeで生計を立てている数人のYouTuberたちがテレビCMに出演した。自分の好きなことを続けているうちに、いつの間にか仕事になったというものだ。実際、トップクラスのYouTuberの中には数千万円を稼ぐ人も現れたのだ。

しかし2015年に入り、広告収入の料率が半減したと言う。2014年末にテレビCMを実施したばかりであるのに、なぜこのようなことになったのだろうか。

■ YouTubeがCMを実施した背景

理由はシンプルだ。YouTubeを運営するGoogleのビジネスモデルは、広告収入で成り立っている。この広告収入とはYouTuberがGoogleから得る広告収入ではなく、Googleが企業広告主から頂く広告収入だ。Googleにとって前提となるのは、Googleへのアクセスをいかに増やして、その中からいかに多くの広告をクリックしてもらうかということだ。将来的には別の形で収益を得るビジネスモデルも考えうるだろうが、現時点では、Google検索も、Google mapも、Gmailも、Google Earthも、すべてGoogleへのアクセスを高め、広告を増やすためのコンテンツに過ぎない。YouTubeもその一つである。

ここ数年、日本では、テレビを中心とするマスメディア離れが叫ばれている。そのかわり友人の話や、その分野に長けた人達の情報が重宝されるようになっている。また趣味嗜好が多様化してきた結果、自分の興味あるコンテンツを見るためにインターネットがメディアの中心になっていった。こうしてGoogle、YouTubeへの注目度が高まってきたのだ。

さらに若者を中心に「自分の人生は自分らしく生きたい」という人が増えた。裏を返せば、サラリーマン生活としてコツコツやるのは出来れば避けたいと思う人が増えたとも言えよう。”自分探し”を模索する人が増える中で、YouTuberというものはとても魅力的に見えた人も少なくないだろう。

このような背景があるからこそ、2014年末にGoogleはYouTubeのCMを大々的にオンエアしたのだ。そしてYouTubeへのアクセスを大きく増加させるとともに、アクセス増加のためのコンテンツ提供に強く協力してくれるYouTuberの数を増やそうとしたのだ。

■ 広告支払料率半減の理由

このような背景を元に、YouTubeへのアクセスは増え、YouTuberになりたい人も増えたのだろう。最初に説明した通り、Googleとしては総アクセス数が増えれば、何の問題もない。別にYouTuberのスタープレイヤーを排出したいワケではないのだ。仮に総勢10人のYouTuberが一人1億PV、合計で10億PVを稼いだとしよう。総勢が20人になり、一人当たりのPVが5000万になっても変わらないのだ。もっと言えば、総勢100人になり、一人当たりのPVが1000万であっても良いのだ。インターネットとはそもそもロングテールの強みを持つ。2014年末のテレビCMでスタープレイヤーになろうとした人達が予想以上に増えれば、Googleにとって広告支払料率を抑えに抱えるのは当然のことだろう。

■ スタンプ料率を下げるLINEとYouTubeの異なる事情

同じ2014年だが、YouTubeがテレビCMを行う前にLINEが一般に開放したスタンプ販売。個人がLINEスタンプを製作し、販売をすることで収益を得ることが出来る仕組みだ。LINEスタンプ販売においても、一般の人が数千万円の収益を得るケースが出た。そのLINEもスタンプの販売手数料率を下げている。LINEの場合、YouTubeとは異なり、アクセス数を増やすことで、広告収入を増やすビジネスモデルではない。スタンプ販売そのものを収益源としている面がある。では製作者離れを招きかねない料率変更をどうして行ったのだろうか。

一つ目は「製作者はスタンプ販売をやめない」とLINE側が判断していることだろう。確かに、この料率を下げたということは、製作者にとっては嬉しくないことだ。ただ、YouTubeとは少し異なり、LINEのスタンプを製作する人達は「一山当てて儲かったら嬉しい」とか「有名になることがあったら楽しい」という人達だ。YouTubeと比べてライトな気持ちで取り組んでいる人達が多い。

二つ目はLINE側の事情だ。現在、LINEはさまざまなサービスをどんどん投入している。例えば、LINEモールのような個人間販売サイト、ツムツムのようなゲームだ。それに加えて先日はLINEタクシーという一見風変わりなサービスも発表した。LINEの場合、日本人のコミュニケーションインフラとなったLINEを活かして、登録者へさまざまなサービスを提供することによってビジネスを拡大しようとしているのだ。スタンプは重要ではあるが、そこだけに注力できない。そのため、バランスを見ながら3割の料率減という決定を下して、支出を抑えようとしているのだ。

■ 最後に

YouTubeの料率変更からは、YouTuberの嘆きが聞こえてきそうだ。ただ重要なのは、彼らがYouTubeから出ても生計を立て、人気者でいられる仕組みを作ることだろう。日本のTOP YouTuberであるHIKAKINは、スカルプDのCMに出たり、書籍を出版するなど、YouTubeとは別のフィールドも開拓し始めている。厳しい言い方だが、本当の意味で自分のやりたいことを仕事にするためには、YouTuberはYouTubeの先を考えていかなければならないのだろう。
最近、アニメCMが増加している。アニメCMと言ってもアニメ番組の宣伝のCMではない。アニメーションCMだ。ここ最近、アニメCMが増加している理由はなんだろうか。広告業界の事情を踏まえて、ご説明したい。

■ なぜ、広告への注目率は低下し続けてきたのか?

ここ数年、広告への注目度は低下し続けてきた。そもそも最初は、新聞、雑誌、テレビへの注目度が低くなったことで広告への注目度が低下した。情報が増え過ぎたこと、内容がつまらなくなったことなど複合的な要素が重なり、メディアへの注目度が低くなり、それとともに広告への注目度が低くなったのだ。それに続きスマホの波が押し寄せる。携帯電話とりわけスマホの登場は、人々とメディアの関わり方を大きく変えた。人々は何をするにもスマホありきの行動となったのだ。テレビを見ていても主役はスマホ、街に出ても主役はスマホだ。当然だが広告への注目率はさらに低くなった。東京の地下鉄では、少なくても50%、多い時には80%の乗客がスマホを操作している。LINE、facebook、twitter以上に最近ではゲームを楽しんでいる人も多くなった。

■ 広告への注目率低下に広告業界はどう対応してきたか?

広告への注目率が低下し始め時に、広告主・広告会社など広告関係者が進めたことは、CM内容の変更だ。注目されない広告への注目度を高めるために、CMでは商品名を連呼したり、声を大にしてメッセージを伝えるものが増えた。一方的に騒がしいメッセージを伝えられて消費者が喜ぶはずはない。結果的に、試聴者はますますCMから距離を置くようになったのだ。

注目率が落ちたと言えども、一瞬で1000万人以上に届けられるテレビCMは広告主にとって魅力的な情報伝達手段だ。CMへの注目率は落ちたが、内容を見直すことで再び効果
を上げようという動きが出てきたのだ。それが、同時期に複数の人気俳優・タレントを起用するというものだ。その最たるものが、資生堂が行ったTSUBAKIのCMキャンペーンだろう。仲間由紀恵、上原多香子、黒木メイサ、香里奈、武井咲、荒川静香、滝川クリステルなど入れ替わりはあれど、最高時には12人を同時起用する前代未聞のキャンペーンだった。それまで広告業界で人気俳優を起用する時には、ピンで起用することが基本だった。広告主が望むと望まないに関わらず、タレント事務所が複数同時起用には難色を示していたのだ。ドラマでも出演者ロールの序列にこだわることも往々にしてあるのだから、CMでの複数同時起用に難色を示すのは当然と言えば当然だ。

人気俳優・タレントの複数同時起用が成功したのには、いくつか理由がある。一つは広告主側の要望が強くなったこと。もう一つは、ドラマ出演費などが低下傾向にあったため、事務所側がCMで稼ぐ必要が出てきたこと。そして資生堂の場合であれば、資生堂のCMに出演することのステータス感であり、ドコモを始めとする他のケースは、CM内容がドラマ仕立てに変わったことで、露出病数や露出序列ではなく、それぞれの出演者に別の役回りがあてられたことが挙げられる。こうした理由が重なった結果、人気俳優・タレントのCM複数同期起用が実現したのだ。

ただし、このようなやり方が出来るのは、NTTドコモ、ソフトバンク、auのような携帯電話会社、トヨタのような自動車会社、資生堂を始めとする化粧品会社など広告主の中でも多額の広告費を使える企業だけだ。多くの企業は、このようなやり方は出来なかったのだ。

■ アニメCMが増えた背景

複数同時起用のCMは今でも一定の注目度を集めている。ソフトバンクの「白戸家」シリーズ、サッポロビールの「未来エレベーター」などに注目している視聴者もいるだろう。ただ前述の通り、多くの広告主はこのようなやり方は出来ない。結果として、多くの広告主は、ここまで広告費をかけずに注目される方法がないかどうかを模索していたのだ。アニメCMが増え始めたのは、俳優・タレントを使わずとも注目される可能性を感じたからだ。

一例を紹介しよう。





おそらく、これからもっと多くの広告主がアニメを活用してくることだろう。世界に誇るアニメ大国であり、特に若者の生活の中にアニメが溶け込んでいることを考えれば、遅すぎた時代の流れとも言えるのだ。

1,2年先には、CMから日本を代表するアニメーターが出現し、世界で活躍する時代が来てもおかしくはないだろう。
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2014年12月15日の発売から1ヶ月が経過したトヨタ自動車(以下、トヨタ)のMIRAI。今日はトヨタの豊田章夫社長自ら首相官邸に納品し、安部首相とMIRAIに乗る姿が注目された。安部首相は運転席から「規制改革と技術革新で時代を前進させたい」とコメントした。経済産業省にも納品されたことは、トヨタのPRとしては最高のものになったと言えよう。

販売台数は発売1ヶ月で1500台。年間計画で400台と見込んでいたトヨタの想定をはるかに超え、1ヶ月で年間数字の約4倍の販売台数を達成したことになった。現段階では官公庁、エネルギー関係の企業による購入が約6割、個人による購入が約4割ということだ。この比率を見ても個人消費だけで1ヶ月という短期間で年間販売台数をクリアしたことになることがわかるだろう。政府は、全国に40ヶ所程度の水素ステーションを今年度中に120ヶ所にまで増やす方針を打ち出している。燃料補給のためのインフラの充実は、法人ではなく個人の消費をますます促していくはずだ。

日本人の車離れが進む中、年間販売目標の4倍の数字を1ヶ月で達成したというのは圧倒的な数字だ。実は日本人は車離れをしているのではなく、魅力的な車がなかったから買わなかったという一面を、MIRAIは浮き彫りにした。MIRAIの価格は723万6千円であり、国の補助金を受けても500万円以上という高額車だ。しかも大きな車ではない。それでもMIRAIが人気になった理由は何だろうか。

■ 変わる消費者の自動車選択基準

MIRAIの人気を見てあらためて感じることは、消費者が自動車に求めるものは「走りの楽しさ」や「デザインのかっこ良さ」や「所有するステータス」ばかりではないということだ。残念ながら、日本の自動車業界の車作りも、広告やPRも、この要素から大きくは慣れることが出来なかった面がある。これらの要素ばかりが重視された結果、自動車に興味を持たない日本人が増えてしまったとも言える。

日本人の自動車離れの原因には「少子高齢化」「都市部への人口集中」など、国としての状況の変化が大きいのはもちろんだ。だが、自分たちが欲しいと思える自動車が少なくなっていたのだ。つまり、マーケティング的に言えば、消費者のニーズやウォンツ(潜在的な欲求)を自動車メーカーは捉えられていなかったのだ。

■ なぜ都心部ではベンツが選ばれるのか?

東京都港区では、ベンツの登録台数がカローラの登録台数の約6倍の多さだ。その理由は何だろうか。「走りの良さ」でも「ステータス」以上に重視されるのは安全面だ。東京都心でベンツを運転する家庭の中には、男性だけではなく女性も多い。なぜなら学校や習い事などに忙しい子どものために、日常の「足」が必要だからだ。女性の中には運転が得意ではないと自覚している人も少なくない。必要なので運転をしなければならない状況においては、万が一の事故に備えて出来るだけ安全な自動車が欲しいという心理が働く。それは自分のためではなく、子どものためなのだ。だからこそ、東京都心部、特に港区や世田谷区においてはベンツが多いのだ。

都市部は高額所得者が多く、周りが乗っているからベンツが多く購入されていると考えるだけではベンツが売れる説明にならないのだ。

■ 新車販売台数シェアで4割を超えた軽自動車

2014年の新車販売台数における軽自動車の割合が初めて4割を超えた。車両価格、税金、燃料費が安いということもある。ただ、それだけではなく実用性が高まったという面も大きいのだ。軽自動車と言えば”小さくてカッコ良くはない”というイメージを持つ人が多かった。しかし2014年にハスラー、ウェイク、Nなどが発売されたことにより、消費者が動くようになったのだ。それまでミニバンに乗って地元の仲間と遊びに行っていた若者達まで、普通車レベルに広い室内を持った軽自動車に興味を持ち、購入するようになったのだ。

今まで自動車選択基準から離れて自動車が出た結果、車離れの若者達を動かせるようになったのだ。

■ ワクワクしたい消費者

無理に売るな。
客の好むものを売るな。
客のためになるものを売れ。

これは松下幸之助の有名な言葉だ。

これだけ情報も製品も溢れている時代、かつ性能や機能がそれなりに充実している時代には、消費者は商品に大きな不満はない。逆に言えば、不満も無ければ、要望も感じないのだ。そんなことを考える必要性が無いのだ。したがって、消費者ニーズを知ろうと消費者自身に聞いても答えを簡単に出て来ない。まず、企業側が消費者の想像を超えたものを用意しなければ、消費者の本当の気持ちはわからないのだ。

アップルの創業者スティーブ・ジョブスを思い出して欲しい。未来に役立つ商品を自分で考え、製品化してきた。その結果、アップルは次に何を出すのだろうとワクワクした消費者から熱狂的な支持を受けるようになっていったのだ。

トヨタ自動車のMIRAIは消費者の想像を超えた価値を提供したことで、想定をはるかに超えた人気を獲得した。数年前、トヨタがピンクのクラウンを発売したことを覚えている人も多いと思う。数年前、トヨタはトヨタの代名詞とも言える高級車クラウンを、あえてピンクにした。これによって「トヨタは変わるぞ!」ということを社内外にアピールしたのだ。詳しくは以前のブログ「ピンクのクラウンを発売する本当の目的、ご存知ですか?(2013年2月3日)」をご参照頂きたい。そしてトヨタはMIRAIで消費者の想定を上回ってきた。

トヨタといい、軽自動車メーカーといい日本の自動車メーカーが、ようやく”モノを言わない消費者”をワクワクさせるようになってきた。昔から続いているような表層的な調査に重きを置いてマーケティング戦略を構築しる企業の中には、なかなか結果を出せない企業も少なくない。この自動車業界の事例は、多くの日本企業が抱える閉塞感を打破するポイントを示す好例と言えるだろう。
第91回箱根駅伝。青山学院大学が往路・復路・総合優勝を果たした。しかも史上最速のタイムでの優勝だ。戦前の予想では駒沢大学が優勝の最右翼であった。明治、東洋とともに青学も有力校の一角には挙げられていたが、多くの人にとってこの圧勝劇は予想外の結果だったと言って良いだろう。

10年前まで青学は箱根駅伝の出場すら出来ず、決して強豪校ではなかった。その青学をここまで強くした最大の立役者は、もちろん今まで頑張ってきた選手達である。ただ、それとともに指導者である原晋監督の存在も大きいだろう。今回の記事では、青学優勝を支えた「原監督と選手」の関係作りについて書かせて頂きたい。そこにはビジネスマンにも参考になる部分があるからだ。

■ 楽しそうな姿が印象的な青学

箱根駅伝における青学の様子で印象的なことがある。それは選手たちが本当に楽しそうなことだ。走った後にニコニコしている選手も本当に多い。また選手たちだけではなく、部員や監督まで箱根駅伝というものを楽しんでいるように見える。

なぜ青学の選手達はこんなに楽しそうなのか?

もともと青学には自由な校風がある。また人によっては洗練されていると言う人もいるだろう。ただこれは駅伝だ。1年365日、選手達は努力を続けいてる。校風だけでは、楽しそうな姿の説明にはならないだろう。

青学の選手たちの楽しそうな姿の裏には原監督の指導方針が大きい。原監督が「ワクワク大作戦」と名付けていたように、選手や部員はワクワクしながら駅伝を楽しんでいた。

■ ”スポ根”マンガがもたらした”根性”信仰

箱根駅伝に敗れた他の強豪校の中には「一人一人が一分一秒を削り出せ」というような反省をしたり、檄を飛ばされている大学もあった。ほとんどの出場校の選手たちは、大学生活の全てを駅伝に賭け、死にもの狂いで取り組んでいる。

日本のスポーツ界では、長年に渡り「根性」が重視されてきた。「巨人の星」に代表されるスポ根マンガの影響も大きいのだろう。私は根性を完全に否定するつもりはない。根性で培った精神力が、試合の重要な場面でモノを言うこともあるからだ。ただ、今までの日本スポーツ界は、この根性を重視し過ぎてきたのではないだろうか。

青学の選手を見ていると、今時の若者という感じがする。もちろん青学の選手も、他の強豪校と同じように、とてつもない努力をしているのは間違いない。ただ、それを苦しみばかりの中でやるのか、楽しみがありつつやるのかの違いは大きい。

行き過ぎた根性論は間違いを起こす。学校時代の部活では、強くても先輩を差し置いて練習が出来なかったり、理不尽な待遇を受けるということも昔はよくあった。それでも「根性で頑張ればいつか結果はついてくる」とようなことを言われた人も少なくないだろう。練習においても「明確な目標・目的」に基づく効果的な練習よりも、「やみくもに根性を鍛える」練習が重視される風潮もあった。 昔はそれが当たり前だった。今は、さすがにここまで酷い話は少なくなったのだが、昔の考え方・手法に縛られている指導者は少なくない。

■ なぜ青学は伸び伸びしながら強かったのか? 

青学では、原監督と選手が同じ寮で過ごしている。練習は厳しくても、寮に帰れば和気藹々としていることも多いそうだ。そもそも恋愛などする時間があれば練習をしろと言われそうなストイックな考え方も多い体育会において、青学では選手の恋愛・失恋についても、監督と選手で比較的オープンに話が出来る環境あるようだ。

このような環境を作ることが出来た裏には監督のバックボーンもあるのだろう。原監督自身、かつて陸上選手として活躍し、社会人の強豪である中国電力にまで入社したキャリアを持つ。陸上選手を終えた後、20代中盤から同社でビジネスマンとしての生活を送ることになったようだ。ビジネスマンとしてもかなり優秀な成績を収めていたところに青学から指導者の声がけがあったため、会社を退社し監督に就任した。

スポーツ選手としての努力と栄光と挫折、優秀な営業マンとしての目標設定と達成方法などさまざまな経験・知識を体得してきたのだろう。そして優秀な営業マンに共通する「どうやったら顧客のメリットになるか」というものも学んだのだろう。だからこそ、青学において、技術面だけでなく、個々の選手との信頼の築き方だったり、能力の引き出し方に長けているのではないだろうか。

指導者というものは重要だ。私もある競技において、それまで市区町村レベルだった力が、指導者が変わったことによって全国トップと互角に戦えるまでに力が上がった経験を持つ。練習メニューの変化もあるが、 もっとも大きな変化はメンタル面だ。 試合に勝つための納得いく練習方法、試合にベストな状態で臨むためのメンタルトレーニングについて学ばせて頂いた。それも私にもっとも合った指導法だった。余談ではあるが、錦織圭選手も、マイケル・チャンという指導者と出会ったことで、意識が変わり、練習の質が変わり、大活躍を始めたのだ。

■ 「今の若者は〜、、」から「おっ、今の若者は!」へ

青学の伸び伸びした姿は、今後のスポーツ指導のあり方を変えてしまうかもしれない。それだけではない。スポーツ指導者だけでなく、ビジネスの世界でも参考に出来るのではないかと私は感じる。

「今の若者はすぐに会社を辞めてしまう」とか「仕事に気力がない」という言葉をよく耳にする。確かにそういう一面はあるだろう。しかし、基本的に若者というのは、いつの時代も年長者からああだこうだ言われるものだ。今の30代も、40代も、50代も、かつてはそう言われていたはずだ。今の大人を見ていると、自分のことは棚に上げて愚痴ったり、評論したりする人が多いように思う。それでは日本経済は良くならない。特に管理職であれば、どんな状況においても、チームの力を最大限に引き出し、結果を出さなければならない。結果が出ないことを若者のせいにする管理職は、すぐにやめた方が良い。

今の若者は基本的に真面目だ。将来に備えて貯金をしようとしたり、言われたことは出来るだけ守ろうとする。かつてに比べ破天荒な人は少なくなった。基本的に真面目なのだから、適切なやり方で指導をすれば、私たちが予想しなかった力を発揮してくれる可能性もあるのだ。自分が生きてきた中で培われた価値観、世の中の風潮、既成概念にとらわれて、若者ではなく年長者の方が思考停止に陥っている部分もあるのではないかと思う。

根性ではなく楽しさが全面に出た青学選手、そして彼らの力をうまく引き出した原監督の指導力に、多くのビジネスマン、特に管理職は見習うべき点があるのではないだろうか。そうすれば「今の若者はやる気が感じられないなあ〜」から「おっ、今の若者は実はやるじゃないか!」に変わる部分を作れるのではないだろうか。

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