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先日、中国企業がアメリカでもっとも有名なホテルの一つであるウォルドルフアストリアをヒルトングループから買収した。ウォルドルフアストリアと言えば、セレブだけでなく各国の政府首脳がニューヨーク滞在時に利用するホテルでもある。
■ ウォルドルフアストリアが買われた理由
日本がバブルに湧いていた1989年、三菱地所がロックフェラーセンタービルを買収したことは、世界に衝撃を与えた。「24時間働けますか?」というCMが日本国内で流行った。海外では、日本のビジネスマンがエコノミックアニマルと呼ばれた。フランスのパリを始めとする観光地のラグジュアリーショップでは、首からカメラをぶら下げた日本人観光客がレジ前に列をなし、店の品物を買い漁った。1989年には、ソニーがハリウッドを代表するコロンビア・ピクチャーズを買収するということもあった。
まさに世界経済の中心は日本であったのだ。
そこから四半世紀が経ち、経済の中心は名実ともに中国に移ろうとしている。その象徴が、ウォルドルフアストリアの買収だ。
■ ウォルドルフアストリアが買われたもう一つの理由
ウォルドルフアストリアの買収は、中国が世界経済のトップになったことを意味する。ただ、この買収劇の裏にはもう一つの理由があるだろう。それは、中国企業の資本分散だ。この先、中国経済が世界のトップであることはほぼ間違いないだろう。ただ雲行きがとても良いというわけでもない。特に土地については、かつての日本と同じようにバブルである危険性が言われている。したがって、リスク分散のために海外資産に手をつけることは自然なことだろう。
■ ウォルドルフアストリアの今後
今後、中国企業による外国資本の買収は増えて行くだろう。その中で、ウォルドルフアストリアのように、施設として優れているだけでなくブランド価値の高いものも数多く買収されていくことだろう。今後、中国企業による買収が増えて行くだろう。ただ、中国企業が自分たちのやり方を押し付けるのでは、せっかく手に入れたブランドも価値が下落していくことになる。
中国企業のためにも、そのブランドを心から愛し続けているお客様のためにも、ブランド価値を深く尊重し、育てていくことが望ましい形だ。
その一つの試金石がウォルドルフアストリアだろう。ウォルドルフアストリアの買収成否には注目だ。
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2013年、訪日外国人観光客は1000万人の壁を越えた。観光立国化を目指す日本政府は、東京オリンピックが開催される2020年に訪日外国人客2000万人達成を目標にしている。観光立国化の一環として、2014年10月から免税範囲が拡大された。家電製品衣料品、装飾品などに限られていた消費税免除の対象が、食品類、飲料類といった消耗品にも拡大された。これに合わせる形で免税に対応する店舗の数も急増している。
渋谷区松涛の近くにある東急百貨店本店。土地柄に加え、併設しているオーチャードホールの存在もあり、数年前までは東京の百貨店の中でも富裕層の割合がもっとも高い百貨店だった。しかし、ここ数年状況は変化している。
すでに数年前から銀座三越、新宿高島屋など百貨店の雄たちは外国人観光客の取り込みに躍起になってきた。日本人のデパート離れが進む中、日本人富裕層だけでなく、外国人観光客の取り込みが経営において不可避な課題となったからだ。
外国人観光客向けのコーナーを設けたり、コンシェルジュサービスを設けることは当たり前になった。館内アナウンスも、日本語だけだったものに英語が加わり、今では中国語のアナウンスも当たり前になった。
こうした中、10月4日に東急百貨店本店を訪れると、今まで無かった免税カウンターが地下1Fの食料品・菓子売場に出来ていた。百貨店業界の中でも、外国人観光客の取り込みにそれほど積極的ではない部類の老舗である東急本店での対応の早さはまさに官民一体となった観光立国化の意気込みを感じさせるのに十分だった。
日本人の英語力・中国語力のアップ、案内表記の多言語化、ムスリム向けのハラル対応を含む宗教的な理由への配慮など、まだまだクリアすべき課題はある。ただ、明らかに観光立国化へと取り組む政府、省庁、自治体、企業の動きは変わってきている。
余談だが、海外から日本への注目度の高さもすさまじい。先日、Emotional Moment in Japanというfacebookページを立ち上げた。これは外国人観光客が、日本で印象に残ったシーンを残してもらったり、これから来日する観光客のために日本の印象的なシーンを紹介するというものだ。
私も数十のfacebookページの立ち上げに関わったことがあるが、このページのファン獲得のスピードは今まででもっとも凄まじいものだった。1時間置きにページを見ると数百単位でファンが増加していく様子は圧巻だった。外国人にとって日本観光は本当に大きな魅力があるのだ。
今後、ますます日本の観光業から目が離せない。
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■ 錦織選手のレベルを数段アップさせた「自信」というもの
昨日の準決勝、今日の決勝を見て、感じたことは、錦織選手が明らかに疲労しているということだ。今年に入って元世界ランキング第二位、全仏オープンチャンピオンのマイケル・チャンがコーチになり、体幹がしっかりして、試合の中で極端に崩れることがなくなり、ショットも安定したのは確かだ。ただ、それを踏まえても、錦織選手の疲れはかなりたまっていた。試合の合間にもマッサージを受けるシーンがあったことを見ても、それは明らかだ。
しかし、錦織選手は優勝した。
この裏にあるのは、全米オープンで準優勝したという自信だ。それも世界ランキング第一位のジョコビッチ、今年の全豪オープンチャンピオンのワウリンカなど、まさにトップ中のトップを下しての結果だ。決勝でチリッチにこそ敗れたものの、トップ中のトップを撃破して準優勝を掴んだ経験は大きかったのだ。
その自信がマレーシアオープン優勝、楽天ジャパンオープン優勝へと繋がったのは間違いない。楽天ジャパンオープンを見る限り、接戦に見える試合展開の中でも、試合を左右するようなポイントでは、それまでとは違うショットを正確に放っていた。全米での経験が自信となり、疲れているいないは関係なく、ここ一番で自分のベストを出せるようになったのだ。
■ ビジネスの場面でも見られる「自信」の重要性
ビジネスの場面でも、自信というものは重要だ。仕事では、最初からうまく行くケースばかりではない。しかし、失敗を経験とする中で、ある時に成功するタイミングが訪れる。その成功は、その人自身の大きな自信となり、仕事面においても人間面においても大きな成長をもたらすのだ。経営者や管理職は、社員や部下に、成功体験をさせ自信をつけさせることで、成長させなければならない。失敗が続くと、自分が出ていきたくなったり、交替させたくなる時もあるが、そこはじっと我慢だ。我慢をした結果、社員や部下が成功し、自信を持てるようになれば、彼らは新しいステージへと上がっていく。このサイクルがない限り、社員や部下は育たず、管理職も成長しない、そして会社も大きくならない。
錦織選手おめでとう。錦織選手が世界を相手に活躍している姿で勇気づけられる人は数多くいる。それだけでなく、人が成長するために「自信」というものがいかに重要なものであるかという大きな気づきを、経営者、管理職などビジネスに携わる人達にあらためて教えてくれた。
全米オープン準優勝後、2大会連続で優勝したことは、錦織選手にとってまた新たな自信に繋がったことだろう。これが2015年のグランドスラム優勝に繋がるものと信じている。
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■ iPhone6フィーバー
iPhone6発売から数週間が経った。私が毎日通る表参道アップルストアの前には、発売の3日前からすでに行列が出来ていた。銀座他、各地でiPhone購入のために長い列ができた。スティーブ・ジョブスが亡くなった後でも、アップル人気に陰りは見えない。
発売後にポケットに入れたら折れ曲がったとか、5Sの方が良かったというような意見はあるものの、大きな問題にはなっていない。しかしその一方、発売日にあれほど話題になったにも関わらず、それ以降は大きな話題にはなっていない。私のまわりにも、最近、購入したという人、これから購入するという人は多くない。
■ iPhoneフィーバーのからくり
実は、これはわかっていたことだ。新型iPhoneがこれほどの人気を博すのは、製品スペックに対して期待しているからではないのだ。
スティーブ・ジョブスが生きていた頃は、「ジョブスは世の中にまったくない何を生み出してくれるのだ」という製品への期待が消費者にはあった。iMac、iPod、iTunes、iPhone。毎回の製品発表は、それまで見たことの無い新製品への期待感で一杯であり、その新製品が自分の生活や世の中をどう変えてくれるのかという期待感で一杯だった。だからこそ、新製品発表、新製品発売は、大フィーバーになったのだ。
しかし、スティーブ・ジョブスが亡くなった後、状況は変わった。現在の新製品フィーバーは製品のスペックに期待してのものではない。そこにあるのは新製品に対してよりも、アップルの新製品を購入するというプロセスへのフィーバーなのだ。アップルの新製品を購入するまでの行列や”開封の儀”と呼ばれる新製品開封の様子をソーシャルメディアにアップする。実際に行列に交じって店舗で購入する人の中には、アップル店員とハイタッチしながら店内に入って行く。iPhone新発売がいまだに人気があるのは、スティーブ・ジョブスが残した強烈なブランドイメージと、イベントそのものを楽しもうとする消費者心理なのだ。
■ iPhoneフィーバーを支えるマーケティング背景
今の日本、イベントは盛り上がっている。CDやダウンロード音源は売れなくてもライブは活況だ。先週末に行われたEDMの世界的イベントULTRAの日本初上陸であるULTRA JAPANも数万人を動員して大盛況だった。宣伝やPRにおいても、消費者へのアピール、マスコミへのアピールの両側面から、PRにイベント的な要素を取り入れることが当たり前になった。「イベント参加→ソーシャルメディアへのアップ」は今の日本人の典型的な行動パターンの一つなのだ。その裏にあるのは、楽しく充実した時間を過ごしている自己プロデュース意識であることは言うまでもない。
ソーシャルメディアが人々の生活にとって欠かせないツールの一つになっている。消費者がスティーブ・ジョブスの残したアップルというブランドイメージを愛し、アップル製品を愛する限り、このフィーバーは終わらないだろう。
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昨年までの「旅博」が名称を変更し「ツーリズムEXPOジャパン」となった。今年は9月26日(土)27日(日)の二日間に渡り、東京ビッグサイトで開催された。国内47都道府県、海外150ヶ国以上が出展し、世界最大規模の旅行博覧会となった。
訪れいてるが、今年もっとも驚いたのはインバウンドの力の入れようだ。インバウンドとは、海外から日本を訪れる人向けの観光業だ。一方、日本から海外へ訪れる人向けの観光業のことはアウトバウンドと言う。
昨年まで出展ブース数、盛り上がりともアウトバウンドの方が優勢だったが、今年は一気にインバウンドに勢いがついた。これには4つの理由がある。
1つ目は、政府による観光立国戦略の推進だ。昨年、訪日観光客数が1000万人を超え、政府は2000万人をさらなる目標に掲げている。
2つ目は、2020年の東京オリンピック招致決定。
3つ目は、円安加速による来日観光客メリットの増加。
4つ目は、タイ、マレーシアを中心とするアジア諸国の訪日ビザ緩和
47都道府県が観光PRをする他にも、インバウンドにおいては面白い取り組みも見受けられた。ムスリム観光客向けの”和室風お祈りルーム”だ。ムスリム観光客向けには食べるものだけでなく、食事を作る食器、器も通常のものと分けなければならない。また一日五回、決まった時間にお祈りをするため、その配慮もしなければならない。増加するムスリム観光客を取り込むために、ホテルなどは食べ物や食器については配慮を進めているところが増えてきた。ツーリズムEXPOジャパンで紹介された”お祈りルーム”は最短2日間で設置することが出来る。天井にはメッカをさす矢印もあり、ムスリム観光客にとっては嬉しい限りだろう。このように、単に観光地の魅力をアピールするだけでなく、さまざまな人種の観光客を呼び込むための”心遣い”も、今回のEXPOでは印象的だった。
昨年あたりから、アジア諸国においても、韓国、台湾、中国に遅れを取っている観光PRを政府主導で強化し始めた。
日本を訪れた外国人観光客は、日本の観光地、食文化だけでなく日本人のやさしさやおもてなしについてもとても高く評価しているという結果もある。官民一体となった日本の観光産業。これからの日本においては観光業の重要性が急速に伸びることはほぼ確実である。
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