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日本経済新聞によると、スーパー主要22社の2014年度の出店数は合計195店。そのうち4割は標準よりも小さい店舗にする計画だ。イトーヨーカドーは昨年比で10店舗以上、ダイエーは昨年比で2倍以上、小規模店舗を出店する計画だ。
なぜ、2014年度に入り、スーパー各社は小規模店舗の展開を加速させているのだろうか。その理由を簡単にひもといてみたい。
■ 進む高齢者の都心流入
総務省の人口推計によると、2012年12月から2013年9月までの人口増加率のトップは東京都だ。2010年に20.4%以上だった東京都の65歳以上の人口比率は2025年には25.2%まで上昇する見通しだ。つまり、若者だけでなく高齢者の都心流入も増加し、また従来から住んでいるいる人も高齢化していくという構図が見られる。
この状況を踏まえて、すでにコンビニエンスストア各社は高齢者取り込みのための施策を始めている。お惣菜や生鮮品の品揃えを強化するコンビニが増えた。またローソンなどはドラッグストアを併設する店舗も増えた。高齢者の「食」と「健康」を支える体勢を着々と整え、高齢者にとって生活の中心的存在になろうとしている。
こうなると生鮮品でスーパーとの争いが激化する。例えば、コンビニの便利さに対抗して、西友はKY(カカクヤスク)と価格訴求で対抗してきた。ただ、都心に高齢者が増えれば増えるほど、なるべく身近なところで生活を整えられる環境こそが魅力になってくる。そのため、スーパーは店舗を小規模化することで、コンビニと争える地盤を整え始めたということなのだ。
スーパー、コンビニの争いに割って入るのはデリバリーだ。通常の中華やピザに加えて、マクドナルドのマックデリバリーなど新規参入が増えている。これらはコンビニに取られた「中食」客を取り戻そうという大きな狙いがあるが、その中には高齢者へのデリバリーにポテンシャルを感じている部分も大きいのだ。
つまり、以前ならば棲み分けの出来ていたスーパー、コンビニ、デリバリーなどの異業種。今や、異種格闘技戦のような状況だ。スーパーは競合スーパーだけを見ていてはダメだし、コンビニは競合コンビにだけを見ていてはダメな時代だ。自分たちの敵は思わぬところに潜んでいるのだ。変わらないのは消費者のニーズをいかにつかみ取るかという部分だけだ。
■ 二極化するスーパー
都心部で小規模化を加速させるスーパーだが、一方で大規模化を加速させて成功している。その勝者はイオンだ。詳しくは以前書いたブログ「勝ち組イオンの勝因とは」をご覧頂きたいが、イオンは大きいスーパーという存在ではなくなった。大規模化したイオンの競合は、コンビニでも、デリバリーでもない。エンタテイメント施設にまで及ぶ。ディズニーランドや遊園地や公園でもあるのだ。イオンに行けば、買い物も、食事も、映画などのアミューズメント施設も、老若男女が一日楽しめるのだ。特に地方のファミリー層、若者にとっては、イオンに行くことは「日常生活」ではなく「ハレの場」でもあるのだ。
小規模化する都心部のスーパー、大規模化する地方のスーパー。同じスーパーでも二極化の流れは進んでいるのだ。
インターネットが世の中に本格的に浸透し始めたのは2000年。今年60歳で定年を迎える人は、当時46歳だ。あと6年もすれば、当時40歳でパソコンをバリバリと使いこなした世代が定年を迎えるようになる。ネットを使える高齢者が増えてくれば、消費の形は飛躍的に変化する。すでに楽天などは、その時代を見据えて、ネットスーパー事業の種まきを着々と進めている。スーパーの未来を握る鍵はこのあたりにありそうだ。
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2014年04月25日
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