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今日、理研の小保方晴子ユニットリーダーが会見を行った。会見は2時間にも及んだ。小保方さんの会見は本当によく出来たものだと感じた。2時間すべてを見ていたわけではないが、要所要所を見て気づいた点についてPRのプロでもあるマーケティングコンサルタントの視点から述べたい。
まず、最初に感じたことは、少しやせた小保方さんの表情だ。入院先から会見場に直行したという話だ。しかし、話口調はしっかりし、会見の中で自分が伝えたいことを話す時には眼力もしっかりしていた。これだけの大騒動になっているのだから、心身ともに疲労しているだろうが、思ったよりはしっかりしているというのが第一印象だ。
会見の中で、小保方さんはアンチョコを見ながら語ることが多かった。アンチョコを見ながら話をする部分と、アンチョコを見ないで話をする部分の違いを見ていると、小保方さんの本心が見えて来た。アンチョコを見る部分は、なぜ論文に不備が生じたのかという部分や、理研や関係者の方々にも迷惑をかけてしまったという部分だ。一方、アンチョコを見ないで話していたのは、自分は一生懸命やってきた、研究を続けたいという部分だ。つまり、微妙なニュアンスを含む言い回しの部分は、一言一句間違えないようにしていた。そこが自分の本心であるかどうかは重要ではなかったのだ。
さて、STAP細胞の問題と比較されることの多かった佐村河内氏のゴーストライター問題。佐村河内氏の会見で、佐村河内氏がゴーストライターを痛烈に批判したことで、自らへの批判を強めたように、問題がおきた時の責任の所在を問われた際には、相手のことを批判しない方が良い。あくまで自分は反省していることを真摯に伝えることが基本となる。小保方さんは、理研に不服申し立てをしながらも、理研のことは批判しなかった。あくまで、事実の確認をせずに不正と決めつけられたやり方についておかしいと言ったのだ。会見で、自分の主張だけの一本やりではなく、冒頭で涙を流したことで、一生懸命やって来た女性が傷ついている印象を世間に与えた。その後、しっかりと受け答えした姿も重要だった。いつまでも涙を流していては、世間からは「涙を武器に使って」と批判される可能性も高くなる。だからこそ、涙を流し続けなかったのかもしれない。PRのプロからすれば完璧な会見だった。
こうして、一生懸命な若い女性に対して、きちんと話を聞いてくれない年長者と組織という構図がうまく作られた。
物事には100:0のことはない。どちらかが100%正しく、どちらかが100%間違っているということはない。そして主張をするにも、根拠がゼロの状態から話をすることはあまりない。だから、本当に小さな話のネタでも、うまく話せば、それなりに聞こえてしまうものなのだ。
この先も表に名前が出ることはないだろうが、弁護士だけでなくPRの専門家がついているのだろう。会見に望むまでのストーリーも、会見の話も、受け答え方も、表情の作り方も、PRのプロのアドバイスがあったことがわかる。その意味で、小保方さんサイドからすれば、今回の会見は100点だろう。
この会見で、世間でも小保方さんへの悪い印象は少なくなったと感じるが、どこか釈然としない人も多いだろう。なぜなら、小保方さんは多くの疑問に答えてはいないからだ。私は科学者ではなく、直接小保方さんとも話をしていないので、真実はわからない。ほとんどの人が同じだろう。悪い印象はないのだが、疑問が晴れたわけではない。
会見は100%成功だった。しかし、もしその元となる事実が0(捏造)だったならば、いくら会見でうまく取り繕っても、どこまで言っても疑惑は晴れない。会見の中で、小保方さんは実験には200回以上成功したと言った。そして画像については、ネイチャーに正しいものを提出したと言った。これが本当かどうかが重要だ。本当であれば、ノーベル賞受賞である野依理事長を含む不正と言い切った理研や関係者の能力不足を世界に露呈することになる。嘘であれば、これだけ完璧な会見をした小保方さんは、逆に大きなマイナスを被ることになる。真実はいつ明らかになるのか。もし小保方さん側が「実験は成功もあり失敗もあり、時間を要するものだ」ということで、引き延ばしを狙っているのであれば問題だ。一日も早く事実確認をすることこそが最も大事なことであることは変わりない。
会見とは、事実を正確に伝えるためのものだ。嘘も誇張もしてはいけない。間違ったものを正す会見、正しいものを正しく伝える会見。これが基本だ。そのためにPRのプロは、もっとも的確に事実が伝わるように戦略戦術を考える。
小保方さんはまだ30歳。失敗もあれば、成功もある年齢だ。一生懸命やっていたのは事実だろうし、その中で未熟さゆえに失敗したと自覚しているのも事実だろう。だからこそ、この問題をワイドショー化させることは、マスコミもそろそろ終わりにしても良いだろう。小保方さんには、前向きな一歩を踏み出してもらいたい。だからこそ、今回の会見が真実を語るものであって欲しいし、そのサポートをしているPRが適切なものであって欲しいとも思う。
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2014年04月09日
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