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■ 「ヘッドホン女子」ブーム報道
先日、日本テレビの朝の情報番組「ZIP」でヘッドホン女子について特集された。ヘッドホン女子とはヘッドホン愛用の女性のことだ。最近では街中でもヘッドホンを付けたり、首にぶら下げたりしている女子は確かに増えている。番組の中で、ある評論家がヘッドホン市場の高価格化の火付けについて、あるブランドの登場を取り上げていたが、内情をよく知るものとしては調査データの読み込みが甘いと感じた。また、ヘッドホン女子が「私はオシャレでしょ」というアピールのためにヘッドホンをしているとか、音楽通ぶっているという発言もあったようだが、これも的外れだ。確かにファッション性を重視したヘッドホンを着用する女子は増えているしルックスの良い女子も増えている。しかし実際にはヘッドホン女子の多くは、オシャレよりも音質そのものにこだわっている人が多い。当然、音楽通ぶっているのではなく、他の女子よりも音楽や音に高い関心があるのだ。ヘッドホン市場とヘッドホン女子をよく知るマーケッターとして、彼女達の名誉と市場の正しい認識のためにあえて異論を唱えたい。
閑話休題。最近、ヘッドホン女子だけでなく「○○女子」ブームが到来している。
■ 「カープ女子」「山ガール」
例えば、今年に入ってバズワードになっているのはプロ野球広島カープファン「カープ女子」だ。カープ女子は、広島カープの若手選手が成長し活躍していく姿を見守り応援している。彼女達は、山本浩二、衣笠祥雄、北別府学、大野豊、津田恒美、高橋慶彦など、広島黄金期を知らない。それでも首都圏のファンが広島まで応援ツアーに来るなど、熱狂的なのだ。
少し前には「山ガール」という言葉もあった。それまで登山とは男がメインでするものだった。登山は男にとってのロマンであり、ワイルドな世界だった。しかし「山ガール」はそのイメージを変えた。オシャレなウエアに身を包んだ女子が登山をするようになった。今まで硬派一辺倒だった登山雑誌にも、山ガールのコーナーが出来た。登山もアルプスのような本格登山ではなく、高尾山のような東京近郊の山がクローズアップされ、大人気の場所となった。結果として女子だけでなく男子の登山人口も増えた。
■ なぜ「○○女子」「○○ガール」という言葉がブームになるのか。
ヘッドホン女子、カープ女子、山ガール、釣りガール。なぜ女子にまつわるネーミングがブームになっているのだろうか。その理由は2つある。一つは企業側の理由、一つは女子側の理由だ。
まず一つ目の企業側の理由について述べたい。
企業側がこぞって「○○女子」「○○ガール」という言葉を歓迎するのは、その言葉が新たなターゲットを呼び込むきっかけになるからだ。そして、新たなターゲットが生まれることによって市場は活性化し、拡大していくことに繋がるからなのだ。ヘッドホンにしても、広島カープにしても、登山にしても、女子よりも男子のイメージが強く、男女比では圧倒的に男子の方が多かったはずだ。だからこそ女子を取り込むことが大きなプラスを生み出すのだ。
二つ目の女子側の理由について述べたい。
男女雇用機会均等法をきかっけに女性の社会進出が本格した。そして仕事面においても、生活面においても、男女がすることには大きな差はなくなりつつある。このような状況を受けて、今まで女子とは縁遠かったものに女子が入ってくることが増加した。例えば、女子の一人焼肉がそうだ。20年前であれば、女子が一人で焼肉というシーンは見られなかった。しかし今や女性の一人焼肉用の店舗まである。女性からしてみれば、男性と同じように焼肉も食べてみたいし、ラーメンも食べてみたい。男性と同じように遊んでみたいという気持ちを持つ女性も増えて来た。結果として、今まで関わりのなかったフィールドに挑戦したいという女性が増えることに繋がっている。○○女子、○○ガールとは、今までチャンスの無かった女性が、あらたな挑戦を始めやすくなるというメリットにも繋がっているのだ。
■ バズワードの欲しいメディア事情
○○女子、○○ガールという言葉が、企業側、女子側にメリットになることを今まで述べて来た。最後に、メディア側のメリットも述べたい。
メディアとしてはキャッチーなキーワードがあればあるほど望ましい。例えば情報番組の特集を考えて欲しい。ダラダラと情報を流すより、「今こんなキーワードが人気」という方が番組を作りやすいのだ。その意味においても「○○女子」「○○ガール」という言葉は、とても便利な言葉になるのだ。ちなみに、この傾向が加速するもう一つの理由にソーシャルメディアの存在が挙げられる。キャッチーで短い言葉であればあるほど、Twitterなどソーシャルメディア上での「引き」は強くなる。メディアで人気になった言葉が、ソーシャルメディアによってさらに拡散されていく。
■ 最後に
企業側の理由、女子側の理由、メディア側の理由。これらの理由がすべて重なっているため「○○女子」「○○ガール」が次々に出現していくのだ。多くの関係者にとってプラスは大きいがマイナスはほとんどない。これからますます「○○女子」「○○ガール」というキーワードは増えていくことだろう。
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