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サッカーワールドカップが始まった。残念ながら日本代表は初戦でコートジボワールに逆転負けを喫してしまった。次回は20日のギリシャ戦。日本中がワールドカップ一色になる日がまたやってくる。初戦の試合中、普段であれば観光客や買物客で賑わう渋谷も表参道もほとんど人がいなかった。多くの人が自宅のテレビ前、友人や仲間の家、パブリックビューイングなどをしていたためだ。テレビの瞬間最高視聴率も50%を超えた。
30年、40年前はサッカーより野球の方が人気のあった日本。それがどうして逆転したのだろう。その理由を考えてみたい。
■ 理由1: 「キャプテン翼」の大きな存在
サッカー人気が高まるきっかけとなったのは「キャプテン翼」だ。1980年代に出現した漫画の影響は大きく、それまで野球一辺倒だった少年達のスポーツ熱をサッカーに変えてしまった。現に、Jリーガーの多くも「キャプテン翼」をきっかけにサッカーを始めている。
■ 理由2: グローバル化で目の肥えたファン
最近でこそワールドベースボールクラシック(WBC)という世界一決定戦があるものの、それまで野球の世界一を決める大会は存在しなかった。経済、文化、スポーツなど、時代とともに人々と世界との距離が近くなった。その結果、サッカーこそ世界でもっともポピュラーなスポーツであり、もっとも熱く応援するスポーツであることに人々は気づいたのだ。野球のWBCは世界一決定戦と言えども、FIFAワールドカップほどの参加国はない。
■ 理由3: かっこ良く見えたJリーガー
子どもから見て、プロ野球選手よりもサッカー選手の方がおしゃれでカッコいいというイメージが出来た。最近でこそ、巨人の坂本選手をはじめ、プロ野球界にもかっこよくオシャレな選手も増えたが、Jリーグ発足後のサッカー選手のようなオシャレでクールなプロ野球選手は少なかったのだ。
■ 理由4: 少子化によるプレイ人数の減少
野球がもっとも人気だったころは、今の子どもほど勉強しなくても良かった。そして私立の学校が少なく、近所の友達とは同じ学校に行き、放課後は一緒に遊んだものだ。サッカーと違い、野球は人数が必要だ。草野球でも、ピッチャーとファーストとサードあたりと外野の4名くらいが一チームには最低必要だ。今の忙しい小学生達が8人集まるのは結構大変だ。一方、サッカーは公式戦こそ11人と野球の9人と比べて人数が必要だが、近所の友達とサッカーをするなら、最低は2名だ。極論を言えば、一人でもリフティングをして遊んでいられる。子どもが減って行く中で、また忙しくなる中で、選手人数数が必要な野球は不利なのだ。
■ 理由5: 広い空き地や公園がなくなった
都市部に人が集まる傾向が加速している。かつては都市部といえども、空き地や広い公園が点在していた。今やドラえもんに出てくるような空き地はほとんどないし、広い公園もない。野球をするには、それなりの広さが必要だ。ピッチャーとバッターの距離、内野と外野の距離など、正式なサイズでなくても、それなりのサイズが必要だ。一方サッカーは、狭いところでも広いところでも楽しむ事が出来る。狭いなら狭いなりにコートを作って遊べるのだ。もう一つ象徴的な例がある。デパートやビルの上にフットサルコートはあるが、野球場はない。野球の場合、広さに加えて高さも必要となるため、デパートやビルの屋上でも出来ないのだ。
■ 野球とサッカーの未来
これからますますグローバル化が進展する。そして都市部に住む人の割合も増えていく。また野球ではなくサッカーを見て、プレイした世代がどんどん増えていく。大きな魅力付けを出来なければ、野球は毎年毎年、じりじりと人気を失っていくことになるだろう。サッカーと野球の人気差はますます開いていくことは、ほぼ間違いない。
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