マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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6月中旬、シンガポール出張があった。シンガポールにはビジネスパートナーだけでなく友人、知人が多く住んでいる。大企業に属している人もいれば、起業してシンガポールいる人などさまざまだ。米系外資系消費材メーカーに勤務している友人もその一人だ。日本で就職の後、米国本社勤務を経て、今はアジア地区の地域本社であるシンガポールにいる。出張の数日前までヨーロッパにいることを知っていたので、忙しいと思いあえて声をかけなかったのだが、私がシンガポールにいるとFacebookで知り連絡をくれた。会う前日の夕方にパリからシンガポールに戻ったばかりだったのだが、翌朝にはホテルまで来てくれ、地元のレストランで朝食のパクテーを一緒に食べながら話をした。海外を飛び回り、忙しさ極まりないのに、本当に持つべき者は友だ。

彼が勤務する世界的な消費材メーカーはマーケティングの力が素晴らしいことで有名だ。本来広告主にマーケティング戦略の提案をする広告会社のマーケティング部門でも、謝礼を払ってでも話を聞きたいと言うほどの存在なのだ。そんな彼の元同僚が書いた書籍を読んだ。

「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」 森岡 毅著

一言で、マーケッターと呼ばれる人は本書を読むべきであるということだ。マーケティングの理論を語るアカデミックな書籍はたくさんある。そしてノウハウを伝える書籍もたくさんある。タイトルに「ヒットの法則」とあるが、この書籍でもっとも多く学べることはヒットの法則でも理論でもノウハウでもない。もっとも学ぶことが出来るのは、戦略や企画倒れで終わらないためのマーケッターの姿勢なのだ。

私もマーケティングコンサルタントを名乗っている。私の売りは経営から販売の現場まで理論と実践を重視していることだ。基本、中小企業の経営者やマーケティングの意思決定を出来る人と仕事をすることが多いのだが、営業の商談や販売現場まで体験するようにしている。また現場の人達とのコミュニケーションも取り、戦略の遂行まで責任を持つようにしている。実はマーケッターとかコンサルタントと呼ばれる人種には、理論やノウハウは語るものの実際の現場を知らない人間が多い。戦略立案は素晴らしいものの、実行までコミットしないので、絵に描いた餅で終わっていることも少なくない。

著者はマーケティングの世界トップクラス企業で活躍していたので、理論もノウハウも知っている。しかし本書を読んで感じたのは泥臭さだ。理論やノウハウをもとに戦略は立て、数字も含めた目標も立てる。そして、それに対してどうしたら実行出来るかのプランを立てる。重要なのは、そこに包含される実際の現場感だ。

戦略がいくら素晴らしくても、企業の置かれた状況によって成否だけでなく実行そのものが出来ないこともある。戦略を実行するためには「人・モノ・金・時間」という限られた資源が十分でなければならない。世の中に結果を出せないマーケッターやコンサルタントが多いのは、この点を十分把握できていないからだ。USJを復活させるために、著者がつねに考えていたのは「目標の設定と実行するための資源」であるように感じた。後ろ向きに乗るジェットコースターも、モンスターハンターも、ハリー・ポッターも、そうやって生み出されて来たことがよくわかる。

実はシンガポールで友人と話をしていた時に、同じことを感じていた。理論やノウハウはもちろん凄いのだが、それ以上に「目標の設定と実行可能性についての判断」が凄いと感じた。そして、やってみたことは振り返り、成否の原因を把握し、それらを次に活かすということも凄いと感じていた。しかも、それを個人のナレッジでははなく、会社全体のナレッジを高めるようにしている。なぜ、その企業が世界トップクラスのマーケティング力を保持し続けているかの理由は、ここにあると感じていた。

本書には何も難しいことは書いていない。ただマーケッターとして絶対的に重要な示唆が全編を通して述べられている。本書を読めば、世の中に溢れるマーケティングノウハウ本の多くがいかに薄っぺらいものかがわかるのではないだろうか。

本書を紹介してくれたシンガポールの友人に感謝している。そして著者が実現まで導いたハリー・ポッターの新アトラクションに行ってみたくなった。

これほど生々しい話を惜しげもなく披露してくれる良書はあまりない。マーケッターはもちろん、企業経営者、マーケティングに興味のある人は一読をお勧めしたい。

本日、サッカーW杯の日本×ギリシャ戦が行われた。残念ながら0−0のスコアレスドローに終わった。圧倒的なボールの支配率を誇りながら勝ちきれなかった日本。残るコロンビア戦に勝利するだけでは決勝トーナメントに進めず、他国の結果にも左右されることとなった。

オリンピックを含むすべての競技よりも盛り上がるサッカーW杯。だからこそ応援にも力が入る。そして勝てば大きな盛り上がりを見せるが、負ければ大きな非難にもなる。今日、勝てなかったことで、一般人だけでなくサッカー関係者などからも一斉に批判の声が上がった。

■ 調子が悪くなると批判をする人達

ビジネスも同じ事だが、間違ったことを指摘し直してもらうことは大事なことだ。また、自分が発言をすることで状況が改善するならば積極的にやるべきだ。しかし、事態が変わらないのに批判だけするのは、ただのストレス発散でしかない。まして、今回のケースは決勝トーナメントへの可能性が完全に断たれたわけではない。私たちが出来ることは応援するか、静観するかしかないのではないかと思う。どんな形でスポーツ観戦をするかは人の自由だ。自分はチームを応援するのではなく、ストレス発散のために観ているのだという人を否定することは出来ない。ただとても非建設的であり残念だ。

一般人だけでなくサッカー関係者が批判するのはいかがなものだろうか。ドヤ顔で、戦犯候補を名指しで批判する関係者を見ると、当事者意識の欠如が甚だしいと感じる。また、順調な時には批判せず、雲行きが怪しくなってから声高に非難するのはプロフェッショナルとしての能力も欠如していると感じる。メディアも、そんな関係者などニュースにも乗せなければ良いと思うのだ。

三浦和良さんを始め、日本のサッカーを築き、当事者意識の高い人達からは批判の声は聞こえない。グループリーグ突破の可能性が1%でもあるのならば、最後まで諦めるべきではないことを知っているからだ。私たち一般人がやれることも、グループ突破の可能性を諦めない選手達を応援することだけだろう。反省はW杯が終了してからじっくりとやれば良い。

■ ビジネスの世界でも批評家は少なくない

ビジネスにおいても似たようなことが多い。私はマーケティングコンサルタントですが、現場を大切にしている。なぜなら、現場を知らずして現実的に解決出来るベストな方策を出すことは出来ないからだ。しかし世の中のコンサルタントと呼ばれる人達には、難しそうな知識やノウハウを披露し戦略をもっともらしく話す人も少なくない。当事者意識が高ければ、現場の声や状況をどの程度使うかどうかは別として現場の生々しい状況は知っておくべきなのだが。

これはコンサルだけの話ではない。仕事へのコミットメントが弱い人が多い。完全にダメな状況でもないのにダメな理由をならべたり、諦めたりする人は周りにいないだろうか。うまくいかない理由を並べるのは簡単だ。しかし、それは事態を改善させることには繋がらない。事態を改善させ、物事を前に進める批判ならば否定しないが、そうでなければいかに状況分析が正しくともただの批評でしかなく意味は無い。

スポーツの世界でも、ビジネスの世界でも、状況を好転させられるのは強い当事者意識を持った人達だ。自分の行動に責任を持とうとしている人だ。経営者とすれば、頭でっかちで行動しない人よりも、こういう人こそ欲しい人材なのだ。

さてW杯、最後まで諦めず戦おうとする日本代表を私たちは応援するしかない。日本代表を諦めている人は、せめて静かに状況を見守ろう。

サッカーワールドカップが始まった。残念ながら日本代表は初戦でコートジボワールに逆転負けを喫してしまった。次回は20日のギリシャ戦。日本中がワールドカップ一色になる日がまたやってくる。初戦の試合中、普段であれば観光客や買物客で賑わう渋谷も表参道もほとんど人がいなかった。多くの人が自宅のテレビ前、友人や仲間の家、パブリックビューイングなどをしていたためだ。テレビの瞬間最高視聴率も50%を超えた。

30年、40年前はサッカーより野球の方が人気のあった日本。それがどうして逆転したのだろう。その理由を考えてみたい。

■ 理由1: 「キャプテン翼」の大きな存在

サッカー人気が高まるきっかけとなったのは「キャプテン翼」だ。1980年代に出現した漫画の影響は大きく、それまで野球一辺倒だった少年達のスポーツ熱をサッカーに変えてしまった。現に、Jリーガーの多くも「キャプテン翼」をきっかけにサッカーを始めている。

■ 理由2: グローバル化で目の肥えたファン

最近でこそワールドベースボールクラシック(WBC)という世界一決定戦があるものの、それまで野球の世界一を決める大会は存在しなかった。経済、文化、スポーツなど、時代とともに人々と世界との距離が近くなった。その結果、サッカーこそ世界でもっともポピュラーなスポーツであり、もっとも熱く応援するスポーツであることに人々は気づいたのだ。野球のWBCは世界一決定戦と言えども、FIFAワールドカップほどの参加国はない。

■ 理由3: かっこ良く見えたJリーガー

子どもから見て、プロ野球選手よりもサッカー選手の方がおしゃれでカッコいいというイメージが出来た。最近でこそ、巨人の坂本選手をはじめ、プロ野球界にもかっこよくオシャレな選手も増えたが、Jリーグ発足後のサッカー選手のようなオシャレでクールなプロ野球選手は少なかったのだ。

■ 理由4: 少子化によるプレイ人数の減少

野球がもっとも人気だったころは、今の子どもほど勉強しなくても良かった。そして私立の学校が少なく、近所の友達とは同じ学校に行き、放課後は一緒に遊んだものだ。サッカーと違い、野球は人数が必要だ。草野球でも、ピッチャーとファーストとサードあたりと外野の4名くらいが一チームには最低必要だ。今の忙しい小学生達が8人集まるのは結構大変だ。一方、サッカーは公式戦こそ11人と野球の9人と比べて人数が必要だが、近所の友達とサッカーをするなら、最低は2名だ。極論を言えば、一人でもリフティングをして遊んでいられる。子どもが減って行く中で、また忙しくなる中で、選手人数数が必要な野球は不利なのだ。

■ 理由5: 広い空き地や公園がなくなった

都市部に人が集まる傾向が加速している。かつては都市部といえども、空き地や広い公園が点在していた。今やドラえもんに出てくるような空き地はほとんどないし、広い公園もない。野球をするには、それなりの広さが必要だ。ピッチャーとバッターの距離、内野と外野の距離など、正式なサイズでなくても、それなりのサイズが必要だ。一方サッカーは、狭いところでも広いところでも楽しむ事が出来る。狭いなら狭いなりにコートを作って遊べるのだ。もう一つ象徴的な例がある。デパートやビルの上にフットサルコートはあるが、野球場はない。野球の場合、広さに加えて高さも必要となるため、デパートやビルの屋上でも出来ないのだ。

■ 野球とサッカーの未来

これからますますグローバル化が進展する。そして都市部に住む人の割合も増えていく。また野球ではなくサッカーを見て、プレイした世代がどんどん増えていく。大きな魅力付けを出来なければ、野球は毎年毎年、じりじりと人気を失っていくことになるだろう。サッカーと野球の人気差はますます開いていくことは、ほぼ間違いない。

■ 「ヘッドホン女子」ブーム報道

先日、日本テレビの朝の情報番組「ZIP」でヘッドホン女子について特集された。ヘッドホン女子とはヘッドホン愛用の女性のことだ。最近では街中でもヘッドホンを付けたり、首にぶら下げたりしている女子は確かに増えている。番組の中で、ある評論家がヘッドホン市場の高価格化の火付けについて、あるブランドの登場を取り上げていたが、内情をよく知るものとしては調査データの読み込みが甘いと感じた。また、ヘッドホン女子が「私はオシャレでしょ」というアピールのためにヘッドホンをしているとか、音楽通ぶっているという発言もあったようだが、これも的外れだ。確かにファッション性を重視したヘッドホンを着用する女子は増えているしルックスの良い女子も増えている。しかし実際にはヘッドホン女子の多くは、オシャレよりも音質そのものにこだわっている人が多い。当然、音楽通ぶっているのではなく、他の女子よりも音楽や音に高い関心があるのだ。ヘッドホン市場とヘッドホン女子をよく知るマーケッターとして、彼女達の名誉と市場の正しい認識のためにあえて異論を唱えたい。

閑話休題。最近、ヘッドホン女子だけでなく「○○女子」ブームが到来している。

■ 「カープ女子」「山ガール」

例えば、今年に入ってバズワードになっているのはプロ野球広島カープファン「カープ女子」だ。カープ女子は、広島カープの若手選手が成長し活躍していく姿を見守り応援している。彼女達は、山本浩二、衣笠祥雄、北別府学、大野豊、津田恒美、高橋慶彦など、広島黄金期を知らない。それでも首都圏のファンが広島まで応援ツアーに来るなど、熱狂的なのだ。

少し前には「山ガール」という言葉もあった。それまで登山とは男がメインでするものだった。登山は男にとってのロマンであり、ワイルドな世界だった。しかし「山ガール」はそのイメージを変えた。オシャレなウエアに身を包んだ女子が登山をするようになった。今まで硬派一辺倒だった登山雑誌にも、山ガールのコーナーが出来た。登山もアルプスのような本格登山ではなく、高尾山のような東京近郊の山がクローズアップされ、大人気の場所となった。結果として女子だけでなく男子の登山人口も増えた。

■ なぜ「○○女子」「○○ガール」という言葉がブームになるのか。

ヘッドホン女子、カープ女子、山ガール、釣りガール。なぜ女子にまつわるネーミングがブームになっているのだろうか。その理由は2つある。一つは企業側の理由、一つは女子側の理由だ。

まず一つ目の企業側の理由について述べたい。

企業側がこぞって「○○女子」「○○ガール」という言葉を歓迎するのは、その言葉が新たなターゲットを呼び込むきっかけになるからだ。そして、新たなターゲットが生まれることによって市場は活性化し、拡大していくことに繋がるからなのだ。ヘッドホンにしても、広島カープにしても、登山にしても、女子よりも男子のイメージが強く、男女比では圧倒的に男子の方が多かったはずだ。だからこそ女子を取り込むことが大きなプラスを生み出すのだ。

二つ目の女子側の理由について述べたい。

男女雇用機会均等法をきかっけに女性の社会進出が本格した。そして仕事面においても、生活面においても、男女がすることには大きな差はなくなりつつある。このような状況を受けて、今まで女子とは縁遠かったものに女子が入ってくることが増加した。例えば、女子の一人焼肉がそうだ。20年前であれば、女子が一人で焼肉というシーンは見られなかった。しかし今や女性の一人焼肉用の店舗まである。女性からしてみれば、男性と同じように焼肉も食べてみたいし、ラーメンも食べてみたい。男性と同じように遊んでみたいという気持ちを持つ女性も増えて来た。結果として、今まで関わりのなかったフィールドに挑戦したいという女性が増えることに繋がっている。○○女子、○○ガールとは、今までチャンスの無かった女性が、あらたな挑戦を始めやすくなるというメリットにも繋がっているのだ。

■ バズワードの欲しいメディア事情

○○女子、○○ガールという言葉が、企業側、女子側にメリットになることを今まで述べて来た。最後に、メディア側のメリットも述べたい。

メディアとしてはキャッチーなキーワードがあればあるほど望ましい。例えば情報番組の特集を考えて欲しい。ダラダラと情報を流すより、「今こんなキーワードが人気」という方が番組を作りやすいのだ。その意味においても「○○女子」「○○ガール」という言葉は、とても便利な言葉になるのだ。ちなみに、この傾向が加速するもう一つの理由にソーシャルメディアの存在が挙げられる。キャッチーで短い言葉であればあるほど、Twitterなどソーシャルメディア上での「引き」は強くなる。メディアで人気になった言葉が、ソーシャルメディアによってさらに拡散されていく。

■ 最後に

企業側の理由、女子側の理由、メディア側の理由。これらの理由がすべて重なっているため「○○女子」「○○ガール」が次々に出現していくのだ。多くの関係者にとってプラスは大きいがマイナスはほとんどない。これからますます「○○女子」「○○ガール」というキーワードは増えていくことだろう。

先日、人気声優の水樹奈々さんのライブ応募券がついたポテトチップスを1000袋(約200キロ)を不法投棄した男性が逮捕された。水樹奈々さんの大ファンであり、ライブ応募券目当てで大量購入をしたものの、ポテトチップスそのものは不要になり、不法投棄をしてしまったという形だ。また、店頭でカード付菓子のカードだけが抜き取られるという被害も相次いでる。犯罪は許されるものではないが、カードやおまけ欲しさに菓子の大量購入をした人、菓子を食べきれなかったという経験は、多くの人にあるのではないか。私たち、特に大人は節度を持ち、マナーを守って、子ども達の見本となりたいものだ。

さて、おまけ付菓子はいつから始まり、いつからブームに火がついたのだろうか。

■ おまけ付菓子ブームを作ったカルビー

時代を振り返れば、1927年にグリコがキャラメルにおまけを付けて販売開始したように、おまけ付菓子の歴史は古い。おまけ付菓子ブームに火がついたのは1970年代からだ。1971年から1973年にかけてカルビーは仮面ライダースナックを発売した。こどもたちに人気が出始めた仮面ライダーに登場するライダーや怪人のカードをおまけとして大人気を博した。その後1973年、カルビーはプロ野球スナック(後のプロ野球チップス)の販売を開始した。おまけはプロ野球選手のカードであり、あたりが出ればサイン入りミニチュアバットなど新たな賞品をもらえるようになっていた。何が出るかわからないカードを集め、友達と見せ合い交換したりすることが遊びの一つになり、その購買熱を加速させるために、さらにくじという要素を入れたのだ。

■ おまけ付菓子の時代を加速させた「ビックリマンチョコ」

1977年に販売開始したロッテのビックリマンチョコ。悪魔と天使をモチーフにしたシールはたちまち子ども達の話題の中心となった。シールの中にはホログラムのスペシャルシールもあり、そのシール目当てに子ども達は日々ビックリマンチョコを食べた。ビックリマンチョコが残した2つの大きな意義がある。

一つ目は「コンプリート」という考え方だ。

ビックリマンチョコ登場以前には、おまけ付菓子のカードが欲しいという欲求はあったものの、コンプリートさせるという考え方は薄かった。出て来たものに対して一喜一憂し、自分の持っていないカードを友達が持っていることに驚き、欲しくなったりしたものだ。ビックリマンチョコは全部で何種類のカードがあるかをわかるようにした。そして第一弾、第二弾とシリーズ化した。これによって自分の持っているカードと不足しているカードを確認出来、コンプリートしたいという欲求が子どもの中に高まったのだ。しかもシリーズものなので、早く購入しないとコンプリート出来ないかもしれないという気持ちにもさせた。

現在ではリアルでもソーシャルゲームでも当たり前のコンプリートという手法、シリーズものという手法の基礎を作ったのはビックリマンチョコだったのだ。

二つ目は「メディアとの連携」だ。

ビックリマンチョコ人気が爆発した背景には、子ども向けコミックの存在がある。「コミックボンボン」「コロコロコミック」などがこぞってビックリマンシールを特集した。友達との情報交換だけでなく、これらの特集によって全カード情報を入手出来るようになった。それがコンプリート熱を加速させた部分もある。さらにコミックにビックリマンの漫画が掲載されるようになり、その後テレビ化、映画化へと繋がって行く。

現在、子ども向け玩具、特に男子向けのマーケティング戦術を考える上で、上記のような考え方は外せない。子ども向けコミックを活用しつつ、漫画連載、イベント連動、アニメ化、グッズ化などを進めて行くという「メディア連携」の考え方もビックリマンチョコから始まったと言えるのだ。

■ 「おまけ付菓子」から「菓子付おまけ」の時代へ

かつて菓子を食べてもらいたいから、子ども達に選んでもらうためにおまけを付けていた菓子メーカーだが、今や時代は変わった。400円、500円のおまけ付菓子を購入しても入っているのはガム一粒ということも珍しくはない。コンビニの棚争いは熾烈だ。棚を確保し良位置を確保するために、菓子メーカーは人気コンテンツが欲しい。一方、人気コンテンツはキャンペーンを拡大させる上で、菓子メーカーの力を借りてコンビニで露出を図ることが出来るのは大きなプラスなのだ。

すでにコンビニ店頭で菓子とは関係なく、プロ野球オーナーズリーグやデュエルマスターズなどカード単体での販売スペースも拡大しつつある。またそこでミニチュアフィギュアなどが売られているケースも出て来た。カードやミニチュアフィギュアなどが菓子とは関係なく力を持ち始めている。

すでに、菓子が主でおまけが従という時代は終わったのだ。強いコンテンツの関連商品の一つとして菓子があるというトレンドはますます加速していくだろう。最後に、どんなおまけが出てくるかの未来予想をしてみよう。人気声優のライブ応募券やラブライブの限定カードなど子ども向けではないものが増えていることを踏まえれば、ますます成人男性、オタク系コンテンツは増加していくだろう。通常の人気アニメや人気ミュージシャンとは比べものにならないほど、オタク向けコンテンツへのファンのコミットは強い。販売向上ということだけを考えれば、かなり堅い。では、子ども向けはどうだろう。妖怪ウォッチのメダルが大人気であったり、任天堂DSが子ども達の話題の中心でる。品切れ続きで購入出来ないメダルのようなものがあれば菓子は爆発的に売れる。また任天堂DSの人気ゲームで、菓子購入を通してしか得る事の出来ないスペシャルキャラクターなどをデジタル提供するという手法もある。

時代は変わりつつある。ビックリマンが築いた「おまけ付き菓子」の手法は、さらに発展する時期に来ているのだ。

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