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先日、食べログより「話題のお店」というステッカーが届いた三鷹市のコーヒー店「ブルースカイコーヒー三鷹の森店」。この店がTwitterで「余計なお世話です」とステッカーをゴミ箱に入れた画像を投稿したことが話題になっている。このステッカーは約77万店のうち9%程度の店がもらえるものだ。みなさんも店舗でご覧になったことがあるのではないだろうか。
このステッカーは食べログ側から一方的に送られてくるものだそうだ。それであれば掲載するもしないも店側の自由だ。そもそも食べログへの登録についても店側が許諾せずとも掲載されてしまうことが可能なのだ。この店側は食べログに何度も抗議をしたようだが、受け入れられず今回の投稿に至った模様だ。店側の声を受け入れない食べログに必要以上に感情的になってしまった部分ばかりが、ネット上では話題になっている。その結果、店側の感情的な行動に対しての称賛の声が多いようだ。私はマーケティングの視点から、この店側の行動についてお伝えしたい。
食べログの評価とは性別、年齢、食の好み、費用感など、一人一人異なるものを考慮せず、ごちゃまぜにして点数に反映するシステムだ。例えば、一回2万円を超えるような寿司しか食べない人の評価も、回転寿司ばかり行く人の評価もごちゃまぜだ。フレンチに詳しい人の評価も、フレンチなどほとんど行かない人の評価もごちゃまぜだ。このような人達が同じ店を評価すれば、当然評価は変わってくる。つまり食べログの点数が高いから美味しいとは限らない。評価は多くの人の評価であり、自分も同じ評価をするとは限らないのだ。
飲食店を成功させるためには味とともに雰囲気も大事になる。客層によって店の雰囲気はがらっと変わる。店が作りたい雰囲気とは違う客が来て、店の雰囲気を台無しにした結果、本来固定客になってもらいたい客が二度と来なくなるというケースはよくあることだ。食べログの点数が良いことを理由に来店する客が店にとって本当に良い客ばかりとは限らないのだ。したがって店の中には、あえて大々的に宣伝をせず、店が望む客に来てもらい常連になってもらうという戦略を取る店もある。少し観点が違うが、芸能人が行く店には紹介制の店も少なくない。それは固定客化した芸能人たちが雰囲気よく食事が出来るよう店側が配慮しているからなのだ。私も都内には和食、フレンチ、イタリアンなど常連にさせて頂いている店がいくつかある。私と同じように常連も多い。店側も常連に最大の配慮をし、味や雰囲気を保とうと努力しているのだ。味や雰囲気を保ち続けることは大変難しい。したがって、かれらはむやみに宣伝しようとしないし、客数を一気に増やそうとはしないのだ。
店側からすれば、食べログに限らず、勝手にメディアが情報を出し、評価をすることを望んでいないところもある。マーケティング的には、広く浅く集客をし続けるという手法だけでなく、狭く深く長く固定客との関係を続けるという手法もある。一般的にはテイクアウトのコーヒー店などの業種は、広く浅く集客をするため、メディア各所で宣伝してもらえることは歓迎だろう。
今後ますます、食べログだけでなく、全方位的なランキングサイトの有効性にも疑問符を持つ人が増えてくるだろう。そうなると、自分の趣味嗜好などを理解したアルゴリズムのランキングサイトや、趣味嗜好の近い人達のレビューの有効性が高くなってくることだろう。
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