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■ 止まらないマクドナルドの凋落
2014年7月7日に日本マクドナルドの経営状況が発表された。マクドナルドの落ち込みがますます悪化している。
全店売上高前年比▲8.6%
既存店売上高前年比▲8.0%
客数前年比▲10.7%
客単価も前月から悪化
6月には、FIFAワールドカップのオフィシャルスポンサーをしているので、出場国をイメージしたメニューの展開をした。ジャパンバーガー ビーフメンチ」やオランダマックフロート パッションオレンジ、スパニッシュ オムレツマフィンなどだ。そして店舗によっては、マクドナルドのイメージカラーとは関係のないブルーに店頭の色を変えたり、ワールドカップ関係のイラストをデザインしたりした。ところがすべて不発に終わった模様だ(http://www.mcdonalds.co.jp/campaign/worldcup/)。
■ 八方ふさがりのカサノバ体制
前原田CEO体制が進めたマックカフェ戦略とFC化の推進。一言で言えば、これがファミリー層離れをまねき、店頭のオペレーション力も大幅に低下した。今年に入り、ファミリーセットのCMを増加させたり、とんかつバーガーなどを発売したものの、効果は得られてはいないのは数字を見れば明らかだ(過去関連ブログはこちら http://allabout.co.jp/newsdig/c/64828/2/)。
現在、実施しているFIFAワールドカップ絡みのキャンペーン。世界的なビッグイベントであり、億単位のスポンサー費を支払っている以上、その資産を使わない戦略は取れない。ただ結果的にカサノバCEOが主張するファミリー層の再呼び込みと実際にやっていることにはズレてしまった。
■ マクドナルドが復調しない原因の根幹
前原田体制で推進されたFC化。これによって一時的には利益率は向上したが、それによって現場のオペレーションはズタズタになった。企業のビジョンや本部の意図はFCの現場まで浸透しなくなった。また度重なる期間限定メニューの登場などによって店員は混乱した。その結果、店員からスマイルが消え、店員からホスピタリティを感じられることが少なくなっていった。FC化はますます推進方向にある。課題が解決されない中、ファミリー路線と言いながら実際にやっていることが異なっていたり、今回のワールドカップ限定メニューのように新メニューを導入せざるをえなかったことは、店員からすれば「結局何も変わっていない」ということになる。結局のところ、これらがネガティブスパイラルになってしまい、ますます店員のモチベーションも上がらない。そして、店員からスマイルもホスピタリティはますます消え、ファミリー層のマクドナルド離れはますます加速してしまっている。それが2014年6月の数字の悪化に現れた形だ。
そしてFC店舗の経営状況もますます苦しくなっている。売上が減少する中でも、本部に納める費用は莫大にある。一定の数字をクリアしたり、本部視察の際に運営がきちんと出来ていないと、FC店舗としての条件が不利になっていく。売上や来店者数は減少していても、FC化によって利益率は向上するので、日本マクドナルドとしてはなんとなく乗り切れる状況にある。しかし、お客さんやスタッフやFC店舗の状況を見れば、足元は本当に危うい状況なのだ。売上減、来店者数減が続く中、経営陣はお客さん、スタッフ、FCオーナーの様子を実際に見て、雰囲気を感じて、真意を聞いているだろうか。
FIFAワールドカップが終わり、夏休みの季節がやってくる。この7月、8月の数字がカサノバCEOにとっての評価の基準になるだろう。数字を上げるためには、まず今の現場をしっかりと把握し、どうやったらスタッフ、FCにスマイルが戻り、モチベーションが上がるのかを真剣に考えるべきだ。その前提があってこそ、ビジョンを伝えたり、トレーニングすることに意義が出てくるものだ。厳しい言い方だが、マクドナルドの前途は洋々ではなく、崖っぷち状況なのだ。
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