マーケティングの現状と未来を語る

2014年ヤフトピに8度の記事掲載。わかりやすい裏読みでメディア取材多数。マーケティングコンサルタント。個別相談も受付中

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2014年07月

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LINEのっとられ顛末記

先週末、私のLINEが誰かに乗っ取られました。同時に、私のまわりでも複数の友人LINEの乗っ取りに合いました。今まで、このようなことは一度も無かったので「まさか自分が」という驚きはありました。最初は平然と対応していたのですが、すぐに10人程度の友人知人から携帯電話に連絡があり、数十人の友人知人からFacebookメッセージやメールで確認等の連絡が来ました。

あまり冷静さを失わない私ですが、自分のIDとパスワードでログイン出来なくなったことには、やや焦りを感じました。なぜならLINEにログイン出来ない以上、自分自身で誰とLINEで繋がっているか把握出来なくなったからです。すべての人がLINE乗っ取りについて知っているとは限りません。私のアカウントからのメッセージによって、迷惑をかけてしまったら申し訳ないという気持ちがあったので、焦りの気持ちが出て来たのだと自分では分析しています。結果として、幸いにも被害者は出ませんでした。

問題が起きてすぐLINEには問い合わせをしました。これだけ問題になっているにも関わらず電話での問い合わせ窓口は無く、メールでの問い合わせを行わざるを得ませんでした。問い合わせから数時間経って帰って来たLINEの返答です。

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LINEおよび関連サービスをご利用いただきありがとうございます。
LINEカスタマーサポートです。

お問い合わせの件についてご案内いたします。

アカウントの引継ぎを行う場合には、LINEに登録されているメールアドレスとパスワード、もしくはFacebookアカウントの情報が必須となり、通常ご本人さま以外の第三者がLINEアカウントの引き継ぎを行うことはできません。

しかし昨今、他社サービスから流出したと考えられるメールアドレス・パスワード等を利用して、別のインターネットサービスに不正ログインをするなど悪用するケースが増えています。
今回の発生した件につきましても上記同様に、他社サービスから流出したメールアドレス・パスワード等が第三者に渡り悪用されたものと存じます。

弊社で確認したところ、LINEのアカウント情報(電話番号・アカウント名・LINE ID・登録メールアドレス・パスワード等)が外部に流出したという事実はございませんでした。

また、お客さまが以前利用されていたLINEアカウントは、現在削除済みとなっております。
恐れ入りますが、削除されたLINEアカウントをお客さまの端末に復元することは、システム上できませんので、何卒ご理解ご了承くださいますようお願いいたします。

新規LINEアカウント作成の際は、以下の「より安全なパスワードの付け方」を参照いただき、パスワード設定をしていただきますようお願いいたします。

▼より安全なパスワードの付け方
・他のインターネットサービスとは違うものにする
・電話番号、生年月日、名前、同じ文字など、他人が想像しやすいものを避ける
・短いものではなく、英字・数字・記号を混在させる(8文字以上を推奨)
・メールアドレスやアカウント名と同じものは避ける
・辞書にある一般的な単語などではなく、意味の不明な文字列にする
・定期的にパスワードを変更する

LINEでは、警察機関との協力体制のもと、引き続き不正利用に対する調査を進めております。

金銭に関する内容や個人情報などを聞き出すようなトークが送られてきた際は、安易に個人情報を教えたり、その内容が怪しいと感じたら要求に応じないようご注意ください。

お客さまのアカウントから、不正にトークが送られたお相手さまに、金銭など何らかの被害が発生している場合には、警察へのご相談をご検討いただきますようお願いいたします。
弊社といたしましては、警察などの公的機関からの要請があった場合、速やかに出来る限りの協力を行わせていただきます。

なお、トーク内でやり取りされた内容につきましては、通信の秘密が適用されるため、弊社が直接内容を確認することができません。
事実確認が行えないため、弊社にて何らかの対応を検討することができませんことをご了承ください。

弊社では引き続き、不正利用に対する対応を継続・強化してまいります。
お客さまにおかれましても、LINEを始めとしたインターネットサービス・アプリに設定するパスワードに対して、より安全なパスワードの設定にご協力いただければ幸いです。

---以下省略----

率直言えば、自分たちのサービスに非はないということです。私はほとんどの人がFacebookやリアルに繋がっているので、アカウント削除されても問題はなかったので、アカウント即削除されて良かったと思っています。しかし、中には大きなダメージになる人もいるかもしれません。また、自社には非が無いということだが、これだけ多くの人達がLINE乗っ取りの被害にあっていることについては、自社の問題点として強くは持っていないように感じられます。上場を控えているLINEとすれば、問題を自社の問題として大きくされることは避けたいという意図もあるのでしょう。

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ちなみに、乗っ取り犯からのメッセージは以下のようなものでした。いくつかのアプローチがあるようです。

ケース1

犯人:「携帯が壊れちゃった。今パソコンでlineしているから、いけないので、ちょっと手伝ってお願いがあるけど。。。」
友人:「こんにちは!送り間違えですか?」
犯人:「間違えていませんよ」
友人:「お願いって」
犯人:「近くのコンビニエンスストアでiTunesのプリペイドカードを買うのを手伝ってもらえますか?」
友人:「今仕事中なのでちょっと待ってね」

ケース2

犯人:「近くのコンビニエンスストアでiTunesのプリペイドカードを買うのを手伝ってもらえますか?」
友人:「Aさん、コンビニいっぱい持ってるじゃないですか(笑)」
犯人:「私は用事があるから、、、」+iTUnesの画像+「写真と同じようなカード買ってください」
友人:「そんなことよりBCD会社の株買いました?今夜すごい発表がありますから買い増した方が良いですよ、、、明日はストップ高でしょうね」
犯人:「今使うからよろしければ、すぐ買っていただきたいです」
犯人:「買いましたか?」
友人:「私は全資産入れるくらいBCD株を買いましたよ。、、、、、、」
犯人:「買いましたか?」
友人:「買いましたよ。買いですよ、買い。近年ないくらいの買いです」
犯人:「買ったら後ろのパスワードを擦り落として写真を送ってもらいます」
友人:「早くした方が良いですよ。Aさんだったら、、、、、」

ケース3

中国に住む日本人の友人が汚い言葉で罵ってみたとのこと

※これらは一例ですが、プリペイドカードを購入させるということは共通のようです。
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自分が悪くないのに、何か会ったら友人・知人との関係がギクシャクしかねません。私も、この問題が発生してから2〜3時間は電話やメールや対応に追われました。その中で、ここ最近記憶に無いほど謝罪を繰り返しました。

被害に合った身としては、あまり効果的なアドバイスは出来ませんが、それでもパスワードを頻繁に変えること、問題が起きた時には焦らずに対応することだけはお伝えしたいと思います。とにかく、みなさんが被害に合わないことを願うばかりです。

イメージ 1

日本マクドナルドが2014年12月期第2四半期の業績発表を行った。2014年1-6月の連結決算は純利益で前年同期比59%減の18億円という結果だった。上海福喜食品の期限切れ鶏肉使用問題もあり、業績への影響や関連する投資額が読めないことを理由に、12月期の連結決算予測を「未定」とする異例の事態となった。会見でカサノバCEOは、下記のような品質管理体制強化を打ち出した。

1 メニューの原材料の最終加工国、主要原料原産国の情報公開
2 下記対象サプライヤーへの臨時追加監査の実施と毎月の現場での作業確認の実施
  ・(チキン以外の製品を製造している)中国のサプライヤー
  ・タイのチキン製品サプライヤー
3 中国製製品と、タイ製チキン製品の日本国内での品質検査を高頻度に実施

■ なぜ、カサノバCEOは今、会見に出たのか?

上海福喜商品問題が起きたのは先週のことだ。ファミリーマートは囲み取材など社長が記者のインタビューに答ええていたが、カサノバCEOが会見することはなかった。それがなぜ決算発表と同時のタイミングなのか?

理由はただ一つ。業績悪化が続く中の決算発表があったからこそ、そこに賞味期限切れ問題を合わせようということなのだろう。リスクマネジメント広報のセオリーに照らし合わせれば、不祥事が起きたらすぐにトップが会見に臨む方が良い。カサノバCEOが今になって会見に出て来たのは、上海福喜食品の問題によって業績悪化に影響が出ると踏んだからだ。率直に言えば、就任以降業績の上がらない状態がうやむやになることが見えているから登場したのだ。

会見では2つの違和感を覚えた。次にそれを紹介したい。

■ カサノバCEO会見で覚えた2つの違和感

一つ目は会見の目的が「謝罪ではなく宣言」ということだ。日本人と外国人のメンタリティの違いから来るものかもしれないが、純粋な謝罪に受け取りづらい人が多かったのではないか。むしろ、自身の強いリーダーシップを見せようとして、今回の問題を起こした上海福喜食品への強い憤りと、二度と問題を起こさないような対策の打ち出しに会見の重点が置かれていた。ここ数年でマクドナルドが失っているファミリー層からすれば、子どもたちへの影響はどうなのかが気になる点だ。そして、消費者からすれば上海福喜食品がマクドナルドとは別会社であろうと、消費者とすればマクドナルドを食べているということとイコールだ。マクドナルドが本当に消費者のことを感じているのであれば、謝罪の言動は変わって来たはずなのだ。消費者からすれば、マクドナルドは上海福喜食品と同じ加害者なのだが、その意識が薄いと思われる会見だった。

二つ目は「本部とそれ以外」という意識が見えかくれしたことだ。もちろん上海福喜食品がしたことは許されるべきことではない。ただFC店からすればマクドナルド本部は悪くなく、悪かった企業は切るという姿勢が感じられる会見だったろう。原田体制以降進められたFC化の推進によって、店やスタッフのモチベーションはどんどん低くなり、それがオペレーション力の低下やホスピタリティの低下に繋がっているのだ。日々、マクドナルド本部から厳しい要求が続くフランチャイズ店や現場からすれば、「自分たちは悪くない」というカサノバCEOの姿勢は、「マクドナルド本部とそれ以外」という溝をさらに感じさせてしまうものだった。そしてそのトレンドはますます加速するように感じられる会見だった。

■ なぜ、今も広告が続くのか?

ネットでは、マクドナルドの広告がどんどん出てくる。会見のあった本日でもチキンタッタのCMがテレビではオンエアされている。チキンタッタが今回の工場と関係がなくても、このような状況下においてCMを流すことはチグハグと言わざるをえない。今のマクドナルドを考えるならば、問題が発覚した時点で関連しそうな商品はすべて販売中止とする。マクドナルドが本当に品質に自信があるのであれば、関連しそうな商品だけでなく、一時的に全店閉鎖でも良いくらいのレベルだ。本当に子どものことを考えるならば、一時的な利益を失っても、徹底的にやるべきだった。その対応こそが、失ったファミリー層の信頼を再度取り戻すことチャンスになったかもしれないのだ。それが今、原因究明が完全に出来ない中で会見をしつつ、テレビでCMを流す。

利益率など数字ばかり見て効率化を優先してきたマクドナルド。今、必要なことは、お客さんのスマイルを常に考えることであり、店で働くスタッフの顔を思い浮かべることではないだろうか。それが出来ないならば、マクドナルドに浮上のきっかけは訪れない可能性が高いだろう。

よく、セレブママたちの愛読書、教科書として30代には「VERY」、40代には「STORY」が取り上げられる。これらの雑誌を見て、多くのセレブが生まれると思うのは大違いだ。なぜなら「VERY」や「STORY」は最先端の情報を発信出来ていないからだ。

この背景にあるのは編集部員がそもそもセレブではないことが挙げられる。また、本当のセレブとは雑誌に積極的に出たいという人ではない。むしろ自分たちの領域にはあまり踏み込んで欲しくない人がセレブであり、最先端の情報をつかんでいる人だったりする。結局のところ「VERY」や「STORY」に出ている人は「セレブでありたい、セレブに見せたい」人達である。そして、それらの雑誌を読む人は「セレブになりたい」人達なのだ。

なぜこうしたことになっているかと言うと、メディアが情報を発信する頃にはブームのピークか少し過ぎる頃だからだ。最近、ブームの流行り廃りは以前よりも短くなっている。ブームが来てから雑誌が取り上げるまでにタイムラグが生じることで、ブームはピークを迎えて終わりに向かっている状況に変わっているのだ。本当は雑誌の編集者が誰よりも早くブームに気づけば良いのだが、その兆しを掴む能力は年々弱くなっているのだ。最近多いのはPR会社や店舗からの売り込みによって情報を入手し動くパターンだ。自分自身がセレブではない上、本当の情報を掴む力も足りないので、最先端の情報を発信出来ないのだ。

ただ雑誌社はこれでも良いと考えている節がある。なぜならブームの最先端を発信してしまったら、読者がついてこれないからだ。読者が共感できるレベルのコンテンツ、つまり世の中に広まっていたり、広まりつつある兆しが見えているコンテンツでないと、雑誌があまりにの先に行きすぎて読者がついて来られない。なるべく多くの部数を出すためには、ある程度読者のレベルに合わせた内容にしなければならないのが出版社の実情だろう。

「VERY」や「STORY」を読んでも、ほとんどの人はいつまでも本当のセレブにはなれない。本当のセレブは「VERY」や「STORY」がブームとして取り上げるアイテムを1年前に流行っているものとして使っているものだ。

「VERY」や「STORY」はセレブのための雑誌ではなく、セレブに憧れる人たちのゆるい読み物なのだ。

2014年7月25日、日本マクドナルドは上海福喜食品だけでなく、中国のすべての工場からのチキン輸入をストップした。これによって、チキン関係メニューの供給が減り、販売中止の店舗も出ている。

ファミリーマートが、今回の問題に絡む関連商品購入者に対して、返金対応を打ち出したのと対照的に、日本マクドナルドは返金対応などは打ち出していない。その中で、中国工場からのチキン供給だけは中止すると発表した。

■ 経営的ダメージの大きいマクドナルド

今回の問題で一番割りを食うのはマクドナルドだ。ブランドイメージはますます下降する。それだけでなく売上も下降する。カサノバCEO体制発足以降、必死になっているファミリー層の呼び戻しはますます遠いものになるだろう。それ以上に経営にとってマイナスのインパクトもある。それは利益率の問題だ。中国の工場で安く作っていたものが別国の工場に移管されることによって、少なからずコストは上がるはずだ。数年前から利益率にこだわってFC化を進めるなどしてきた日本マクドナルドにとって生産コストが上がることは痛手だ。とまらない客数減、客単価減のトレンドが加速することに加え、コスト高は大きなダメージになる

ここ数年の不調、そして今回の問題の根幹にあるのは、業務効率化を追求しすぎた経営の問題なのだ。マクドナルドのスタッフからスマイルが消え、オペレーション力も落ちた。客数減・客単価減は行き過ぎた業務効率化がもたらした弊害だ。今回の問題は”行き過ぎた業務効率化”を見直すための重要なシグナルだ。”行き過ぎた業務効率化”によって痛手を被った企業は少なくない。

すき家が深夜時間帯に一人の店員がすべての作業を行う「ワンオペ」を実施し問題になったことは記憶に新しい。行き過ぎた効率優先であったため、店舗スタッフが揃わなくなり、時間短縮や閉店に追い込まれた店舗が続出した。マクドナルドは、ここまで問題が表面化してはいないが、不調の根本要因は同じところにある。”行き過ぎた業務効率化”は、一時的には利益率が上がるなど企業にメリットをもたらすかもしれないが、実は企業の資産を徐々に食いつぶし、企業の体力を弱めている面がある。マクドナルドがやるべきことは”行き過ぎた業務効率化”を見直すことだ。

では具体的にどうすれば良いのだろうか。現実に即して考えてみると以下のようなことになる。

■ 泥沼から抜け出すために、日本マクドナルドがやるべきこと

一つ目はFC加盟店との関係の見直しだ。FC展開を進める中で、FC店からは本部の高い要求を厳しいと感じる店舗も少なくない。FC店から見れば、マクドナルド本部との関係は”主従関係”なのだ。そうではなく本部とFCが”WIN-WN関係”になるよう関係を見直さなければならない。お客さんと接するスタッフ一人一人が本部の考えを理解し、自主的に行動するような関係になるためには、主従関係ではなく、一緒になって働いている関係でなくてはならない。細かい点は省略するが、マクドナルドとFC店の契約関係も含めた関係の見直しをするべきだろう。

二つ目はオペレーションの単純化だ。期間限定メニュー、メニュー数の増加によって、店舗でのオペレーションはますます煩雑化している。店員からスマイルが消えただけでなく、ホスピタリティも弱くなっている。それだけでなく提供されたハンバーガーなども包みを開いてみると、すでに崩れかけているような雑な提供のものもある。スタッフがもっとシンプルにオペレーション出来るよう一時的にでもメニュー数を少なくすることを提言したい。これはマクドナルドの経営効率化にも寄与する。なぜなら、今回の問題でチキン関係商品の生産コストは上がるはずだ。経営的には、生産コストが上がる分をどこかで補填しなければならない。メニュー数を減らすことは、オペレーションの改善だけでなく、調達コストの削減も期待出来る。少品目大量生産の方が多品目小量生産よりも効率的だからである。期間限定メニューや豪華メニューで来店客数増加を図ったり、客単価の向上を図ろうとしても、今のマクドナルドには相当難しい。まずはスタッフのモチベーションを上げるための戦略こそ進めるべきものだ。

賞味期限切れ問題全体は2,3ヶ月程度でうやむやに終息するだろう。なぜなら日本マクドナルドやファミリーマートだけでなく、また上海福喜食品だけでなく、多くの企業が関わっていることに消費者が気づいたからだ。例えば、2013年10月の阪神阪急ホテルグループに始まったメニュー偽装問題。最初に謝罪会見をした阪神阪急ホテルの社長は辞任に追い込まれた。その後、次々にホテル各社が偽装問題を公表。中にはホスピタリティで世界トップと言われるホテルもあったが、阪神阪急ホテルのように経営陣の辞任に発展することはなく、大きく叩かれることもなかった。そして、いつのまにかうやむやで問題は話題にのぼらなくなった。

リスクマネジメントPRの鉄則として「不祥事が起きたらすぐに包み隠す事なく謝罪をする」というものがある。これは1〜3社レベルで問題が発生した時には正しい。しかし、ホテルでのメニュー偽装問題のように、あまりにも多くの企業が問題を抱えていたことがわかると、消費者の感覚は薄れてしまうのだ。これだけ情報が溢れていて、日々の生活を抱えている消費者にとっては、嫌なことが起きれば最初は憤慨しても、その問題だけにずっとこだわって生きることは難しい。したがって、どんなことも徐々に関心は薄れいく。良くも悪くも人間にはそういう面があるのだ。3ヶ月も経てば、問題が起こる以前とほぼ変わらない状況に戻ってしまうのだ。

今回の問題も構造は同じだ。その問題を真摯にとらえて、本気で改善していくのか、それとも大きな被害にならないよううまくやり過ごそうと考えるか。この経営判断こそが、企業にとって本当に重要なことなのだ。

上海福喜食品の食品衛生管理に関するニュース映像が大問題になっている。地面に落ちた肉をラインにそのまま戻したり、明らかに黴びている肉を生命に影響が無いということで使用したりする映像は世界に衝撃を与えた。上海福喜食品から食品を仕入れている企業だけでなく、ケンタッキーフライドチキンなど関係のない企業まで次々に使用状況を発表するという事態になっている。

この中でファミリーマートのガーリックナゲット等とマクドナルドのチキンマックナゲットに消費者の視線が集まっている。日本マクドナルドはチキンマックンゲットの販売中止を即座に発表した。マクドナルドはチキンマックナゲットの約20%を同社から仕入れており、国内全体店舗のうち約40%(1都10県)にて提供していた。東京、千葉、埼玉などは全店舗で提供されていたようだ。すでにタイや中国の別会社が生産した鶏肉への切り替えを進めており、21日に販売中止したチキンマックナゲットを23日は販売再開するようだ。この問題が経営に与えるダメージは少なくない。

前原田CEO体制時代、マクドナルドの利益率は向上したが、マクドナルドがもっとも大事であった”お客さまへのホスピタリティ”は失われた。スマイルは店頭から減り、ファミリー層の割合が減った。この背景には、利益率優先のために直営店を減らし、フランチャイズ化を促進したことにある。マクドナルドのビジョンが浸透しづらくなったことに加え、期間限定メニューなどの頻発によってオペレーションも煩雑になり対応が難しくなった。一方でマクドナルド本部からFC加盟店に対してのロイヤリティを始めとする条件はますます厳しくなった。FC店にしてみれば、顧客へのホスピタリティを気にできないほど厳しい状況が進んでいるのだ。

前原田CEO体制の後半になって、多くの人がこのほころびに気づき始めた。利益率は以前よりも上昇し、他のファストフードチェーンと比べても悪くないのだが、客単価や客数の減少に歯止めがかからない状況を見て、何かおかしいと感じるようになった。結局、最後は、サラ・カサノバ氏へCEOを譲り、原田氏はマクドナルドCEOを退任した。

カサノバCEOは失ったファミリー層を再獲得することを就任時に宣言した。ところが消費者はそんなに甘いものではない。そもそも「そこそこ安くて、そこそこ美味しくて、楽しい」ことが売りだったマクドナルドなのだが、「そんなに安くなく、ファミリーが楽しい場所ではない」というマクドナルドに戻るほど、顧客が飲食場所を選ぶ選択肢は少なくない。

また販売中止から2日でチキンマックナゲットの販売を再開するということだが、消費者の不安を払拭し、安全宣言をするには、上海福喜食品ではないタイや中国別工場の品質管理においてのチェックを入念にすることが望ましい。販売中止から再開まで2日間で供給出来る供給のバックアップ体制は見事だが、やや拙速な印象を受け、ここにも効率優先の印象を受けるのは否めない。

結局、カサノバ氏がCEOに就任してから今に至るまで、ファミリー層の再獲得ならびにマクドナルドの復活への糸口は掴みきれずにいるのだ。

その中で起きた今回の食品衛生管理問題。以前よりマクドナルドが使用している食材に関しては不安視する声が少なくない。マクドナルドに限らず、食品の安全度や美味しさと価格は連動する。消費者は、自分の許容範囲を決めて食べものを食べている。消費者は一人一人が自分で判断してきた。ただ少子化が進む日本において、子どもには安全な食品を食べさせ、高い教育を受けさせようと思う親が増えている。

安全性に疑問を感じるような食品は出来るだけ避けたいというトレンドにおいて、今回の問題がマクドナルドに与えるダメージは大きい。

関連ブログ:

「経営急激悪化!マクドナルドが崖っぷちな理由とは?」(2014年7月9日公開:All About)
http://allabout.co.jp/newsdig/c/67891

「苦境のマック、なぜ主要客・ファミリー層の“心”は離れた?客数減の理由を店舗から考える」(2014年1月2日公開:ビジネスジャーナル、ヤフーニュース掲載)
http://biz-journal.jp/2014/01/post_3753_2.html

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